
ジョージア州フロイド郡は州北西部に位置し、郡庁所在地であるローム市を中心に製造業や医療、教育など多様な産業が発展しています。近年不動産市場も活発化しており、投資先として注目を集めています。
本記事ではフロイド郡の不動産市場の特徴や投資のメリット・デメリット、購入の流れ、おすすめのエリアについて詳しく解説します。初心者の方でも理解しやすい内容となっておりますのでぜひ参考にしてください。
フロイドの概要
フロイド郡はアメリカ合衆国ジョージア州の北西部に位置する地域です。フロイド郡の名はアメリカ合衆国下院議員ジョン・フロイド氏から付けられました。フロイド郡の最も大きな都市であるローム周辺は、南北戦争の激戦地であったため、関連する史跡が数多く存在しています。また、先住民の居住地跡などもあり、アメリカの歴史が強く感じられる地域です。
郡庁所在地であるローム市を中心に経済・文化・教育の拠点として発展しています。アパラチア山脈の南端に位置するため、緑豊かな自然環境と四季の移ろいを楽しめる景観が魅力です。地域には複数の河川が流れ、アウトドアやスポーツ、観光といったレジャー活動も盛んです。
また、ローム市には複数の大学やカレッジが所在し、学生や教育関係者が多く集まる学術都市としての一面もあります。特に医療施設の集積が進んでおり、地域の雇用を支える重要な産業となっています。さらに製造業や物流業も強く、国際企業の進出も見られることから地域経済は比較的安定しています。
こうした背景からフロイド郡は住環境が良く、教育・医療・自然・産業といった複数の要素がバランス良く整った地域です。首都アトランタからは車で約1時間半とアクセスも良く、地方都市でありながら利便性にも優れたエリアとなっています。以下に基本情報を表にまとめました。
項目 | 概要 |
---|---|
人口 | 約10万人(2023年時点) |
言語 | 英語 |
宗教 | キリスト教が主流 |
主要産業 | 製造業、医療・社会福祉、教育 |
為替 | 1ドル = 147円(2025年5月時点) |
フロイド不動産投資のメリット
フロイドの不動産投資にはいくつものメリットがあります。今回はフロイド不動産投資のメリットを3つご紹介します。
安定した経済基盤と多様な産業構造
フロイド郡は郡庁所在地ローム市を中心に、多様な産業が発展しているのが大きな強みです。中でも製造業は地元経済の中核を成しており、100社以上の製造関連企業が稼働しているほか、16社以上の国際企業がこの地に拠点を構えています。これにより雇用が安定しており、労働人口の流出が少ない傾向にあります。
また、医療分野も非常に充実しており、ローム市には州内有数の医療機関が集まっているほか、医療従事者の雇用や移住を促進しています。さらに教育分野では複数の大学や短期大学が存在し、若年層の流入にもつながっています。
このように複数の産業が地域経済を支えることで不動産市場の需要も安定しやすく、投資先として魅力的な環境が整っています。
手頃な物件価格と高い成長率
フロイド郡では住宅価格が他の都市部と比べて手頃であるにもかかわらず、直近数年間で高い価格上昇率を記録しています。たとえば、2025年2月の時点で住宅価格の中央値は約26万ドルで、前年から20.9%の上昇を見せており、これはアメリカ南部地域の中でも非常に高い伸び率です。Zillowの統計でも、平均住宅価格が約22万4,000ドルと報告されており、今後も地域の開発や人口増加とともに更なる成長が見込まれます。
投資家にとっては今の段階で物件を取得することで将来的な値上がり益(キャピタルゲイン)を狙いやすい環境といえるでしょう。また、住宅の供給が限られている一方で需要が堅調なことから価格が比較的安定しており、急激な下落リスクが低いという安心感もあります。
賃貸需要の高さと安定した収益性
フロイド郡は産業集積地であることから多くの労働者が通勤・移住しており、また大学など教育機関も多く存在するため、常に一定の賃貸需要があります。特にローム市は医療・教育分野の就業者や学生が集中しているため、単身者向けアパートメントや短期滞在型住宅なども安定的なニーズがあります。また、ファミリー向けの一戸建て住宅についても郊外エリアを中心に根強い人気があります。
こうした背景から、投資物件に対する空室リスクが低く、安定した家賃収入を得やすい環境が整っています。さらに周辺インフラなどの整備が進む中で賃貸価格の上昇も期待されており、将来的な利回りの向上にもつながる可能性があります。
信頼できる地元の管理会社を利用することで、遠隔地からの運用でも比較的スムーズに収益を確保できる点もメリットです。
フロイド不動産投資のデメリット・リスク
フロイド不動産投資のメリットを先にご紹介しましたが、デメリットやリスクがあることも事実です。以下に解説する3つのマイナス面に気をつけて不動産投資を検討することをおすすめします。
市場の流動性と売却時の課題
フロイド郡は地方都市であるため、アトランタのような大都市圏と比べると不動産市場の流動性が低い傾向にあります。そのため購入後に売却を希望する場合、買い手がすぐに見つからず、売却に時間がかかるリスクがあります。特に郊外にある戸建て物件や築年数の古い物件などは需要が限られる可能性があり、市場に長く留まる可能性も否めません。
また、経済状況や金利の変動によって買い手の需要が一時的に減少すると、売却価格の下落や取引の難航といった課題が発生しやすくなります。こうした事情から、出口戦略を明確に立てておくことがフロイド郡における不動産投資では非常に重要となります。
地域による治安の差異
フロイド郡全体では比較的治安が良好とされていますが、地域によっては依然として犯罪率が高いエリアも存在しています。特にローム市の一部や郊外の低所得層が集まるエリアでは窃盗や軽犯罪が発生する頻度が高く、投資物件の管理や入居者対応に負担がかかる可能性があります。また、治安が悪い地域では家賃を高く設定できない、空室期間が長くなる、物件の破損リスクが増えるといった問題も起こりやすくなります。
そのため、投資を行う際には治安マップや地域レポートなどを活用し、慎重にエリアを選定することが求められます。長期的に安定した収益を確保するためには、賃貸需要だけでなく安全性も重視した戦略が必要です。
インフラ整備の遅れと交通アクセスの課題
フロイド郡は都市部と比べてインフラ整備がやや遅れており、特に公共交通機関網は限定的です。住民の多くが自家用車に依存しており、交通手段が限られていることから、利便性の低い地域では賃貸需要が伸びにくい傾向にあります。
また、通勤・通学や生活の利便性に直結する主要道路の渋滞や老朽化した橋、道路などの修繕遅延も、物件の魅力を下げる要因となり得ます。インフラの不備は入居希望者の数や家賃相場、さらには物件の将来的な資産価値にも影響を与える可能性があるため、物件の立地選定に際しては周辺の道路状況、近隣施設、交通アクセスの実態などをしっかりと把握しておくことが重要です。インフラ整備計画や地域再開発の進行状況もチェックしておくと、長期的な資産形成に役立ちます。
フロイドのおすすめ投資エリア3選
フロイドといっても、様々な特色のエリアが点在しています。今回はフロイドでおすすめの不動産投資エリアを3つピックアップしてご紹介します。
1. ローム市中心部
ローム市の中心部は、フロイド郡における政治・経済・文化の中核をなすエリアです。アパラチア山脈の麓に位置する都市で、市内には緩やかな丘が多く、主に7つの丘に囲まれています。南北戦争の時代には、多くの大砲や武器を製造する南軍側の軍需都市となっていました。
市庁舎や裁判所といった行政機関のほか、地元企業や商業施設、レストラン、カフェ、ギャラリーなどが集まり、日中はビジネスマン、夕方以降は住民や観光客で賑わいます。街並みは歴史的建造物が多く残り、アートと文化の薫り漂う落ち着いた雰囲気が特徴です。
この地域では近年再開発が進み、新築の集合住宅やリノベーション済みのコンドミニアムが数多く供給されています。単身者やDINKs層(共働き子なし夫婦)など都心の利便性を重視する層に人気があり、賃貸需要が非常に高い点が魅力です。
歩行者に優しい設計で生活施設が徒歩圏内にあるため、車を持たない若年層や高齢者にも適しています。投資対象としては、安定した家賃収入が見込め、長期的な資産価値の上昇も期待できるエリアです。
2. ウェストローム
ウェストロームはローム市の西側に広がる閑静な住宅街で、地元住民から長く親しまれてきたエリアです。教育機関や公園、ショッピングセンター、病院などの生活インフラが整っており、特にファミリー層からの人気が高いのが特徴です。比較的落ち着いた雰囲気があり犯罪率も低いため、子育て世代にとっては非常に魅力的な居住環境となっています。
このエリアでは戸建て住宅を中心とした投資が有望です。広い敷地を持つ物件が多く、家賃相場も安定しており、長期入居者を見込めるため空室リスクが少ないという利点があります。また、通勤圏内には複数の工場や医療施設があり、勤労者層の賃貸需要もあります。ウェストロームは今後も人口の緩やかな増加が見込まれることから、住宅需要の堅調な推移が予測され、安定したキャッシュフローを得やすいエリアと言えるでしょう。
3. バリー・カレッジ周辺エリア
バリー・カレッジはアメリカ最大級のキャンパス面積を誇る名門私立大学であり、フロイド郡でも注目される教育施設です。1902年創立で、当初は男子を対象とした工業大学としてスタートしましたが、現在は共学の総合大学となっています。かつてU.S. News & World Reportで南部の総合大学中ベスト2にランクされた人気ある大学です。森林、湖、山と一体化した大規模なキャンパスは美しく、学生は落ち着いた環境の中で大学生活を送ることができます。
その広大な敷地内には、学生寮のほか自然保護エリアやスポーツ施設も整備されており、州内外から多くの学生が集まります。この大学の周辺エリアは、学生や教職員のニーズに応える形で住宅開発や商業施設の拡充が進んでおり、投資先として非常に注目されています。
賃貸物件に対する需要が特に強いのは学生向けのアパートメントやシェアハウスです。短期契約でも一定の需要が見込まれるため、空室期間を短く保てるのがメリットです。また、教育機関が近いために治安が良く、地域全体に清潔感と秩序が保たれている点も魅力的です。物件価格も比較的手頃で、初めての投資にも適しています。将来的には大学関連の開発計画もあり、資産価値の上昇余地も見込めます。
まとめ
ジョージア州フロイド郡は、製造業・医療・教育など複数の産業がバランスよく発展する地方都市であり、不動産投資において安定性と成長性を兼ね備えた魅力的なエリアです。住宅価格は、手頃でありながら上昇傾向が続いていることから、将来的な資産価値の上昇も期待できます。特にローム市中心部やウェストローム、バリー・カレッジ周辺といったエリアでは賃貸需要が堅調で、安定したキャッシュフローを見込める点も投資家にとって大きなメリットです。
一方で、地方都市ならではの課題として、市場の流動性の低さやインフラ整備の遅れ、地域による治安の格差といったリスクも存在します。そのため、事前の情報収集と慎重なエリア選定が重要となります。特に初心者の方は現地視察や信頼できる管理会社の選定を通じて、安定した運用体制を築くことが成功の鍵となるでしょう。
フロイド郡は手頃な初期投資で始められる一方、長期的には高い収益性と資産価値向上の可能性を秘めており、アトランタのような都市圏に次ぐ「知る人ぞ知る投資先」として、今後さらに注目される地域になると考えられます。地方都市での堅実な不動産投資を検討している方にとって、フロイド郡は非常に有力な候補地のひとつです。
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