税制のメリットを享受したい方やアーリーリタイアしたい方の移住先の候補としてドバイを検討している方も多いのではないでしょうか。インフラが整備されており、治安も良いため、日本からドバイへ移住する方も増加傾向にあります。
今回の記事では、ドバイへの移住を考えている方向けに、移住のメリットや注意点、ビザの種類を解説します。ドバイ移住のメリットとデメリット、どちらの側面もみながら移住するか考えていきましょう。
ドバイの概要
ドバイへの移住を検討するにあたって、国の概要を把握しておきましょう。ドバイは中東のアラビア半島におけるペルシャ湾の沿岸地域に位置しています。
ドバイはアラブ首長国連邦、英名United Arab Emirates(UAE)を構成する7つの首長国の1つです。ドバイは産油国でもあるのですが、貿易業や金融業、観光業を軸としており、近年は著しい経済成長を遂げています。
項目 | 概要 |
---|---|
首都 | ドバイ市 |
人口 | 約348万人※1 |
面積 | 3,885平方km |
言語 | アラビア語 |
法定通貨 | UAEディルハム |
宗教 | イスラム教 |
名目GDP | 117,279.0百万米ドル(2022年3月)※2 |
一人あたりのGDP | 38,661.163米ドル(2020年)※3 |
消費者物価指数(CPI)上昇率 | 2021年比で4.67%※4 |
ドバイ移住のメリット
移住先として人気なドバイですが、ドバイ移住にはどんなメリットがあるのでしょうか。
ドバイ移住のメリット一覧
・税金がかからない
・治安がよい
・英語が通じる
・VISAの取得がしやすい
・インフラが整備されている
それぞれのメリットにおいて、自分が重要視する部分なのかを念頭におきながら、詳しい内容を確認しましょう。
メリット1.日本よりも税金がかからない
ドバイでは主に以下の税金が発生しません。(VATと呼ばれる消費税5%や物品税、酒税などはかかる 2023年7月時点)
・所得税
・相続税
・贈与税
・固定資産税
一方で日本では累進課税制度を採用しており、稼げば稼ぐほど税金が上昇する仕組みとなっています(所得税は最大45%)。所得税だけでも大きな負担となりますが、住民税や不動産取得税など、何かにつけて税金を払わなければいけないのが日本です。
なお、法人税については今まで無税だったのですが、2023年6月から2023年6月1日以降の会計年度で法人税9%が導入されました(投資のキャピタルゲインと配当は対象ではない)。※5
法人税9%が導入されたとしても、日本と比べると大幅に安いので、税制上のメリットがなくなった訳ではありません。(フリーゾーン企業は定められた規則に全て従っていれば免税となります)
以上の点から、税制が優遇されているドバイは、税金分の利益を享受したい方やアーリーリタイア後の負担を抑えたい方などにおすすめな移住先といえるでしょう。
メリット2.治安が安定している
海外の国において一定以上の危険が確認されると外務省から危険情報が出ます。ドバイではそういった危険情報は出ていないため、治安のよい国であることが分かります。
注意点としては飲酒や酩酊はドバイでは限られた場所以外では禁止となっています。また、宗教上の理由により、ラマダン中にお酒を飲むとトラブルの元となるため、ラマダン中はお酒を飲まないようにするのがベターです。
メリット3.英語だけで日常生活が送れる
せっかく海外に移住したとしても現地の言語を覚えなければいけないのは移住のネックになってしまいます。
その点、ドバイでは公用語がアラビア語であるものの、英語が広く通じる国となっていますので、現地の言語を覚えなくても生活ができます。
メリット4.VISAの取得がしやすい
VISAの取得のしやすさは海外移住する際に重要なポイントの一つです。
ドバイではVISAの取得がしやすく、海外移住のハードルも低くなっています。具体的なドバイ移住のVISAの紹介は記事内の「ドバイに移住可能なビザの種類と移住手順」で紹介していますので、ご参考にしてください。
メリット5.インフラが整備されている
インフラが整備されていない地域に移住するとなると、生活が成り立たなくなる場合がありますのでおすすめできません。
ドバイはインフラが整備されており、空港からのアクセスもスムーズです。カーシェアリングも普及しており、国内の移動で困ることはないでしょう。
メリット6.女性や子供連れでも安心して暮らせる
ドバイ移住のメリットとして、女性や子供連れでも安心して暮らせることが挙げられます。日本同様に治安が安定しており、夜の時間帯に女性だけで歩いていてもトラブルに巻き込まれにくいです。
また、公共機関では小さい子供連れのファミリーに対して席を譲ったり、子供の体調が優れないことを理由に職場の早退・欠勤なども比較的しやすかったりします。ドバイは女性単身での移住、子供連れで海外移住したい方におすすめな場所です。
メリット7.ほかの国への渡航が便利
ドバイは中東のハブ機能を有しています。ドバイ国際空港(DXB)を拠点とする同国フラッグシップのエミレーツ航空は、東京(羽田空港・成田空港)・大阪(関西国際空港)をはじめとする日本への便だけでなく、アジア・欧州・北米・南米・アフリカといった全世界に路線があります。
ドバイへ移住すれば世界中へのアクセスが可能で、ビジネスや旅行などの移動が容易となります。さまざまな国へ訪れたいという方にとって、ドバイ移住はおすすめです。
ドバイ移住で後悔しやすいデメリット
ドバイ移住のメリットを紹介してきましたが、海外移住する際はデメリットもしっかり考えておこなう必要があります。
「メリットだけをみて、いざ移住したら失敗だった…」とならないようにドバイ移住で注意することを紹介します。
ドバイ移住における後悔しやすいデメリット一覧
・日本から遠いため帰りづらい
・ネットに制限がある
・気温が高い
・物価がやや高い
人によってはデメリットとなりえるものがありますので、自分に当てはめてご覧ください。
デメリット1.日本から遠いため帰りづらい
ドバイから日本は7,787km離れており、フライト時間は12時間かかります。そのため、韓国や台湾のように気軽にいける海外ではありません。
日本に用事があり、何度も往復しなければいけない方や日本から長期間離れることができない方はドバイ移住に向いていないといえるでしょう。
デメリット2.ネットに制限がある
ドバイでは宗教上の観点からインターネット上でアダルトコンテンツがみられません。また、無料電話もできないため、普段日本でこれらのサービスをよく使っている方は不便に感じるでしょう。
しかし、抜け道が完全にない訳ではなく、VPNやZoomを使うなど、連絡手段やコンテンツを見る手段は残されています。
デメリット3.現地気候・宗教・文化への適応が必要
日本には四季があり、季節ごとの気温や天気を楽しめます。しかし、ドバイは日本に比べて一年中気温が高い傾向にあり、1年の気温推移をみると最高気温が40℃台、最低気温が15℃台となっています。
また、ドバイは、イスラム教を信仰する方が多く、飲酒や食べ物の制限があります。外国人も多く居住しているため、さまざまな文化に適用することが求められます。
デメリット4.物価がやや高い
ドバイでは日本と比べると物価が高い傾向にあります。しかし、中には日本より安いものもあり、交通機関であるタクシーの初乗りは約350円台となっています。
食費や観光、不動産などの分野で物価が特に高くなっていますので、移住する際は自分の収入や貯蓄で暮らしていけるのか事前に試算するのが必須といえるでしょう。
デメリット5.居住場所によって車の運転が必要
ドバイでは、地下鉄(ドバイメトロ)開通に伴い、移動が便利になっているものの、居住場所によっては車の運転が必要です。もともと車の運転が苦手な方や、海外での運転に不安がある方は、公共交通機関が利用しやすいエリアに住むのがおすすめです。
また、タクシー配車アプリ「UBER」に対応しているので、車がなくても生活は可能です。一方、石油産出国のUAEはガソリン代が安いことから、車を運転する方にとってはメリットになり得ます。
ドバイに移住可能なビザの種類と移住手順
ドバイ移住のメリットや注意点をみて、「実際にドバイへ移住したい」と考えると必要になってくるのはVISAです。
また、VISAを取得した後も移住までの流れを覚えておく必要があります。ドバイに移住可能なVISAの種類とドバイへの移住手順を紹介しますので、ドバイへ移住する具体的な方法が知りたい方は参考にしてください。
ドバイに移住可能なビザの種類
ドバイに移住可能なVISAの種類は以下の4つです。
・起業家VISA
・不動産VISA
・リタイアメントVISA
・リモートワークVISA
人によって取得しやすいVISAが異なりますので、自分が取得しやすいVISAをみつけてみましょう。
起業家VISA
起業家VISAは投資家VISAにも分類されます。(法人設立VISAとも呼ばれます)ドバイにはフリーゾーンとメインランドがあり、フリーランドは経済特区のような形となっています。
起業家VISAは以下の決まりごとがありますが、それさえ守れば3カ月程度で居住カードまで取得でき、比較的簡単にVISAを習得可能です。
起業家VISAを取得する際の決まり事の一部
・UAE企業の設立(資本金1,000万以上)
・投資ファンドに1,000万AEDの投資をおこなう(国内)
また、フリーゾーンではなく、メインランドに会社を設立したいという方はUAE企業から51%の出資をうける必要があります。
起業家VISAを取得すると、フリーゾーンであれば3年、メインランドであれば2年滞在できますので、その期間に事業業績を伸ばしましょう。
不動産VISA
不動産VISAには以下の2種類があります。
・3年VISA
・5年VISA
それぞれいくらの不動産を購入するかで3年か5年かに分かれます。
3年VISAは100万AED以上、5年VISAは200万AED以上の不動産を購入して保存するとVISAを取得できます。
今回の記事ではドバイで不動産VISAを取得したい方向けに、「DAMAC BAY 2 by Cavalli
(ダマック ベイ 2 バイ カヴァッリ)」をご紹介します。
本物件は、ドバイの観光地としても知られる「パーム・ジュメイラ」に隣接しています。お部屋の方角によっては、バルコニーからパーム・ジュメイラを一望できます。
また、数多くの受賞歴を持つドバイ民間最大手デベロッパー「DAMAC」による開発に加え、イタリアが世界に誇るデザイナーのロベルト・カヴァリとのコラボレーションで、ラグジュアリー感があふれる物件です。
DAMAC BAY 2 by Cavalliの資料はこちらから無料ダウンロードできます
リタイアメントVISA
リタイアメントVISAはその名の通り、退職した方向けに用意されているVISAです。
要件としては「2万AED以上の定期収入」や「100万AED以上貯蓄していなければならない」といったものですので、資産収入やまとまった貯蓄がないとリタイアメントVISAをとるのは厳しいでしょう。
リタイアメントVISAは5年間使えますので、まとまった資産や収入がある方でアーリーリタイアした方は検討してみてはいかがでしょうか。
リモートワークVISA
新型コロナが流行り、普及したリモートワークですが、ドバイでもリモートワークをする方向けにVISAが用意されています。
しかし、その基準は高く、月収で5,000米ドルの収入がないとVISAを取得できません。月収で5,000米ドルあれば、1年間のリモートワークVISAが取得でき、UAE企業で働く必要もありません。
ドバイへの移住手順
ドバイへの移住手順は以下の4つの順番通りに進行します。
ステップ1.移住するためのVISAを決める
ステップ2.ドバイへの入国・保険加入
ステップ3.VISAの取得
ステップ4.住居を借りる・購入する
各過程を詳しくみていきましょう。
ステップ1.移住するためのVISAを決める
まずは移住するためのVISAを決めます。
・起業家VISA
・不動産VISA
・リタイアメントVISA
・リモートワークVISA
滞在年数や自分の状況など多角的に考えてどのVISAが自分に合うのか決めましょう。
ステップ2.ドバイへの入国・保険加入
最初は観光VISAでドバイへ入国し、4つのVISAに切り替えをおこないます。またドバイに居住するためのVISAを取得するには2022年8月まで健康保険に入らなければいけなかったのですが、現在は必須ではありません。
しかし、慣れない土地で病院にかかることも考えられますので、なるべく入っておきましょう。
ステップ3.VISAの取得
次にドバイに居住するためのVISAを取得します。VISAを取得するとエミレーツIDができ、住宅を借りることができます。
ステップ4.住居を借りる・購入する
最後に住居する住宅を借りるか、購入しましょう。
ドバイの賃貸は高いのでは?と考えている方もいらっしゃるでしょう。たしかに高級マンションを借りると月50万円以上のものもありますが、ワンルームなどは15万円ほどで借りられます。
ドバイ移住がおすすめな人
これまでの情報を総合してドバイ移住がおすすめな人はどのような人なのでしょうか。ドバイの移住が特におすすめな人を紹介します。
不動産投資で収益を狙いたい
不動産投資で収益を狙いたい方にとって、ドバイ移住はおすすめとなります。都市として発展しているなかで、ドバイの不動産価格は上昇している状況です。
今後、人口も増加が予想されており、さらなる不動産価格の上昇が期待できます。税制度も比較的緩く、不動産投資による収益から税金を引かれにくいのもメリットです。
税制のメリットを享受したい
ドバイは日本に比べて税制のメリットが非常に大きいです。ドバイの環境に特段魅力を感じていなくても、払うお金を最大限減らしたい人はドバイの移住がおすすめです。
日本に頻繁に帰る予定がない
ドバイは日本から遠いため、何回も往復するような距離ではありません。ドバイへ移住したらドバイで最大限楽しみ、日本にはほとんど戻らないといった人もドバイの移住がおすすめといえるでしょう。
まとめ
ドバイは経済成長はもちろん、インフラ面や言語の面など様々な部分で住みやすい海外の国の1つといえるでしょう。
また、税制のメリットやVISAがとりやすいのも魅力です。今後、ドバイへの移住を希望する人は一度観光に行って自分がドバイの雰囲気や環境を肌で確かめることが大切です。
また、ドバイの移住やドバイ不動産、そのほか海外移住に関しては、こちらのメディア「optionB」でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
※1:日本アラブ首長国連邦協会
※2:アラブ首長国連邦 名目GDP
※3:アラブ首長国連邦 一人当たりGDP
※4、5:JETRO日本貿易振興機構(ジェトロ)