資産運用を行う際に、「円建て」、「ドル建て」といった言葉を見ることがあります。しかし、「日本にいるのにドル建て?」とイメージしにくく、ドル建てにどのようなメリットがあるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、ドル建てで資産運用を行うメリット・デメリットを紹介します。円建てとの違いや、ドル建てにおすすめの商品もまとめているので、今後の資産運用の参考にしてみてください。

資産運用におけるドル建て・円建てとは

金融商品について、日本円だけでなく、米ドルを含む外国通貨での決済に対応している場合があります。その際に、「米ドル」で決済することを「ドル建て」日本円で決済することを「円建て」と言います。

たとえば、1ドル=100円のときに100ドルの商品を購入する場合、「100ドルで購入する」のがドル建て、「1万円を支払って購入する」のが円建てということです。

資産運用をドル建てで行うメリット

資産運用を行う際にドル建てを選択することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。円建てとの違いを説明しながら、ドル建てのメリットを紹介します。

資産全体の分散投資につながる

ドル建てで資産運用を行う1つ目のメリットは、分散投資につながることです。日々、通貨の価値が変動するなかで、複数の通貨で資産を保有しておけば、特定の通貨の価値が下落しても全体的な資産の価値を維持しやすくなります。

たとえば、1ドル=100円から1ドル=110円まで日本円が下落した場合、日本円で保有してる資産の価値が目減りします。一方で、ドル建てで決済した資産に関しては、購入時よりも資産価値が上がっている可能性があります。日本円だけでなく、ドル建ての資産を保有しておくことで、資産全体における価値の下落リスクを軽減できます。

円建てよりも高い金利で資産運用が可能

次に、円建てよりも高い金利で運用できる場合があります。日本円の金利は、諸外国と比較して低い傾向が続いており、円建てのみで資産運用することに対して一定のリスクが存在します。

2022年7月現在の政策金利(中央銀行が金融政策として定める金利)は、日本が-0.10%、アメリカは2.50%です(※1)このように日本・アメリカ間で金利差が生じることで、ドル建ての資産に対する人気が高まり、資産価値を成長させられる可能性があります。

為替取引で手間がかかりにくい

米ドル建てで資産運用を行っていれば、為替取引で手間がかかりにくいこともメリットに挙げられます。たとえば、円建てで米国株式Aを購入・売却し、別の米国株式Bを購入するとなった場合、「米国株式A購入→米国株式A利益確定の売却→売却益で米国株式Bを購入→米国株式Bを売却→米ドルを日本円に両替」といったステップごとに為替取引が必要です。

取引概要(米国株の場合)
円建てで購入
外貨建てで購入
米ドル購入
 
為替手数料発生
米国株式Aを購入
為替手数料発生
 
米国株式Aを利益確定で売却
為替手数料発生
 
米国株式Bを購入
為替手数料発生
 
米国株式Bを利益確定で売却
為替手数料発生
 
米ドルを円に両替
 
為替手数料発生

また、為替取引は、手続きに時間がかかるだけでなく、事務手数料も発生します。米ドルを含む外貨建てによる運用を続けることで、為替取引のたびに発生するコストの削減にもつながります。

資産運用をドル建てで行うデメリット

資産運用をドル建てで行う場合には、メリットだけでなく、デメリットにも注意しなければなりません。どのようなデメリットが存在するのかを把握したうえで、ドル建てでの資産運用を始めてみましょう。

為替手数料が発生する

上記で解説したとおり、円建てで米国株式への投資を行った場合、為替手数料が発生します。しかし、ドル建てで株式を購入したからといって、為替手数料が全くかからないわけではないことに注意が必要です。

ドル建てで資産を購入する以上、手持ちの日本円を米ドルに交換しなければなりません。また、日本円が必要になった場合にも、米ドルから日本円に交換する必要があります。このとき、日本円と米ドルにおける為替手数料が発生することに留意しましょう。

為替変動に伴う損失を被る可能性がある

ドル建てで資産運用を行っていても、為替変動に伴う損失を被る可能性があります。具体的には、1ドル=100円から、1ドル=90円までドルの価値が下落したときに、ドル建てで保有している資産の価値も目減りします。

つまり、円建て・ドル建てに関わらず、為替変動のリスクには注意が必要です。通貨の価値が下落した場合に備えて、1つの通貨だけに依存せず、複数の通貨建てで資産を保有することでリスク分散を期待できます。

円からドル、ドルを円に変える際に時間がかかる

米ドルで資産を購入する以上、円から米ドルへの換金が必要です。金額や換金方法にもよりますが、時間がかかってしまう可能性があります。

為替は常に変動しており、手続きに時間がかかってしまうと、狙ったレートでの換金ができないことも考えられます。投資の機会損失だけでなく、金銭的な損失が起こる可能性があることも把握しておきましょう。

ドル建てで資産運用を行えるおすすめの商品

ドル建てで資産運用を行える商品は、記事内で取り上げた株式投資だけではありません。ほかにもドル建てでの資産運用に対応している商品もあるので、1つ1つ商品の特徴を紹介します。

株式投資

1つ目は、すでに紹介したとおり、株式投資が挙げられます。金融機関によって異なりますが、外国企業の株式を購入する際に、ドル建てを含む外国通貨、円建てのいずれかを選択できます。

ドル建てで株式投資を行うメリットは、株価上昇だけでなく、ドル高・円安時に為替変動による利益も得られることです。また、日頃からドル建てで株式を購入しておけば、株式を売却するたびに日本円へ換金する手間が省けます。

投資信託(ETF、MMFを含む)

一部の投資信託でも、ドル建ての決済に対応しています。株式投資同様にドル建てによる通貨リスクの軽減に加え、複数の銘柄への投資が可能であることから、分散投資にも期待できます。

また、最近では、ETF(上場投資信託)や、MMF(外貨建て投資信託)といった投資信託も注目されています。いずれも少額で始められやすく、試しにドル建てで資産を運用してみたい場合にもおすすめです。

外貨預金

外貨預金とは、その名前のとおり、外国の通貨である外貨を預金することです。日本国内の金融機関でも米ドルを含む各国通貨の預金に対応しており、海外現地で運用する必要がありません。

外貨預金は、為替変動と金利で収益を狙えます。たとえば、1ドル=100円のときに100ドル購入(1万円)し、1ドル=120円のときに100ドル(1万2000円分)を売却することで、2000円の利益が生じます。

また、2022年8月現在、定期預金における円預金の金利は、三井住友銀行の1ヶ月定期預金で0.002%、楽天銀行は0.02%、住信SBIネット銀行で0.02%です。

一方で、米ドルで1ヶ月の定期預金を行う場合、2022年8月現在、三井住友銀行は0.01%、楽天銀行は0.4%、住信SBIネット銀行は0.9%と高い金利となっています(※2)。つまり、外貨預金をしておくだけで、日本円を預金するよりも、将来的に資産を増やせる可能性があります。

ドル建て保険

日本国内で販売されている保険商品のなかには、ドル建てで運用可能な商品があります。ドル建ての保険商品を契約することで、保険料の支払いや、保険金・解約返戻金の受け取りを米ドルで行えます。

ドル建てによる保険のメリットは、保険料を安く済ませられやすい点です。すでに解説したとおり、日本よりもアメリカの方が金利が高く、保険会社にとっても米ドルの方が運用実績が良くなる傾向があります。そして、結果的に保険料も円建てベースよりも割安となるほか、高い利回りでの運用を期待できます。

海外不動産投資(カンボジア不動産)

ドル建てで不動産投資を始めたい方は、カンボジアの不動産をおすすめします。カンボジアは、米ドルの流通量が約9割ほどで、日常生活で米ドルを問題なく使えるだけでなく、不動産の収益に関しても米ドルで受け取れます。

また、2022年8月現在、カンボジア非居住者の方でも、カンボジアの金融機関にて米ドル預金に対応した口座開設が可能です。カンボジア国内大手「カナディア銀行」における米ドルの1年定期預金の金利は、4.75%と高い数値を設定しています(※3)。不動産投資の収益を米ドルで受け取り、そのまま金融機関で米ドルを預金することで、さらなる収益を狙えるのがカンボジア不動産の魅力です。

まとめ

資産運用をドル建てで始めることで、通貨リスクの軽減や、日本よりも高い金利での運用を期待できます。また、ドル建てで運用可能な商品も多く、分散投資にもつながります。

ドル建てに対応した商品のなかでも、カンボジアの不動産がおすすめです。カンボジアの首都プノンペンには、1000万円台で販売されている不動産も多く、日本国内の不動産よりも購入しやすいのが特徴です。当社では、マレーシアに加え、カンボジアにも現地法人を設置し、最新の不動産情報を提供しています。ドル建てでの不動産投資に興味がある方は、ぜひお問い合わせください。
※1:外為どっとコム「主要各国政策金利表

※2:各金融機関円預金金利、外貨預金金利

三井住友銀行:円預金金利外貨預金金利

楽天銀行:円預金金利外貨預金金利

住信SBIネット銀行:円預金金利外貨預金金利

※3:カナディア銀行定期預金金利