ミャンマーと聞いて、最初に思い浮かぶワードは、「(元)軍事国家」や、「アウン・サン・スー・チー」ではないでしょうか。その想像どおり、ミャンマー(特にヤンゴン)は、元軍事国家という前提と、頻繁に観光名所の至るところに、アウン・サン・スー・チーが散見される新興国です。今回は、ミャンマー1の大都市と言われるヤンゴンについて、詳しく紹介します。

1  ミャンマーの概要

ミャンマーの人口は、おおよそ、5,550万人程度(2018年7月推計値、出所:米国中央情報局)で、国土は、日本の1.8倍程度です。2016年には、アウン・サン・スー・チー氏率いるNLD(国民民主連盟)が歴史的な政権交代を果たし、今、猛烈な変化の真っ只中にいる国なのです。まだ政権交代を果たしたばかりの国だけあって、いたるところに、軍服を着た軍人を目にする事をしばしば目にします。再び、軍事政権が戻ることは、よほどの事がない限りは考えにくいと言われていますが、政治的な不安を抱えているといえるかも知れないです。また、基軸通貨はチャットとなっています。物価については、旅行者や富裕層向けのレストランやサービスを除けば、非常に安価な物価です。屋台で食事をすると、1食100円以内で食事ができます。ミャンマーはタイと隣接している国だけあって、タイはもちろん、カンボジア、そして、ラオス等、「ザ・東南アジア」の国と言えるに似ていると、筆者は感じました。ここで、意外に思う人もいるかも知れないですが、ミャンマーの首都は、「ネピドー」です。「ヤンゴン」が、日本でいうところの東京に近く、最も都市として栄えているので、勘違いしまう傾向にありますが、「ネピドー」が首都です。ただし、間違いなく、「ヤンゴン」はミャンマーの中で最も栄えている大都市といえるでしょう。

※ミャンマーの基本情報(日本貿易支援機構JETROより)
※経済産業省より

2  空港からホテルまでの行き方について

ヤンゴンを訪れる方は、殆どの場合、ミャンマー最大の空港、「ヤンゴン国際空港」に降りると思います。空港について、まず、気をつけなければいけないのが両替所です。写真を見て頂くと分かるのですが(「※写真1」より)、空港を出るとすぐに、いくつかの両替所が見えます。この時、必ず「電卓でレートを計算していない両替所」を選んでください。筆者は、ここで、日本円で2,000円くらい損をしました。また、街中を歩くと、いくつか両替所を見つける事ができるのですが、筆者の感覚だと、8割以上のケースで、日本円で両替できないケースが発生するので、気をつけて欲しいです。ダウンタウンエリアにいくと、いくつか日本円で両替できる両替所もあったので、後述します。

※写真1:空港を出てすぐの両替所。筆者は面倒くさくて、電卓の計算で両替を済ませようとするが・・・

両替所で両替を済ませた後、SIMカードを購入し、使用ができれば通信には困りません。筆者は、「※写真2」にある、青色の看板「Telenor(テレノール)」を利用しました。ミャンマー全域で、安定した通信環境が供給されているようです。結果として、通信スピードは申し分なく、なんの不自由もなく使用する事ができました。

※写真2:SIMカードの販売所、telenorが個人的には好きなカラーで、街の至るところにもショップが参見された

SIMカードの購入を済ませた後は、ホテルへ移動。移動については、主な手段でタクシーを利用する方が多いと思います。タクシー利用する際には、アジア圏内では圧倒的な支持を誇る(2019年9月現在)グラブがお勧めです。アジア圏内にありがちな、ぼったくりは一切なく(筆者が10台以上利用した経験から)、どのドライバーも親切でした。料金については、1キロで大体の金額で100円くらいでした。ただし、ドライバーは親切な人が多いですが、運転については、かなり適当です。いきなり、ハイスピードでデコボコの道に乗り上げたり、「写真のように、いきなり運転手が車を降りて、雨水を使って洗車しはじめたり(当日は雨だった)と、さまざまなドライバーがいました。

※写真3:タクシー運転手。いきなりの洗車を始めた・・・

3  空港からメインエリアまでの距離感と基本情報

筆者は、ミャンマー市内のダウンタウンエリアに宿泊しました。ダウンタンエリアは、ミャンマー市内の中でも、より庶民的なエリアです。一方で、一番の高級住宅街は、ヤンゴン国際空港からダウンタウンへ向かう途中にあるインヤー湖です。インヤー湖は、英国統治時代のヤンゴン市民への水を配給する為に作られた人口の湖であり、アウンサンスーチー邸や、アメリカ大使館、ヤンゴン大学などあります。不動産投資の観点から見ると、最も地価単価の高いエリアの一つです。空港からタクシーで、インヤー湖までは、おおよよ8キロ程度で、道が混雑していなければ、30分前後で到着します。地図にあるように、川沿いに位置し、ダウンタウン下部のエリアまでは、およそ17キロ程度となります。距離としては近いのですが、夕方には渋滞にみまわれるので、ダウンタウンまでは、1時間程度を想定しておくと良いでしょう。

※写真4:空港からの道のり。「インヤー湖周辺」と「ダウンタウンエリア」までの距離をそれぞれ記載

3-1「スーレシャングリ・ラホテルヤンゴン」について

筆者が今回宿泊したホテルは、「スーレシャングリ・ラホテルヤンゴン」です。上記の「※写真4」のグーグル・マップに所在地が記載されている通り、ダウンタウンのど真ん中に位置するホテルで、このホテルからであれば、ダウンタウンの観光地を、歩いてぐるっと回れるので便利です。ホテルのラウンジから、ヤンゴンのダウンタウンの街並みを見ることができるのも魅力(「※写真5」)。ビュッフェスタイルの朝食込みで、一泊おおよそ1万円程度です。

※写真5:スーレーシャングリラ屋上の南向きの景色

3-2 現地の両替について

空港での両替は、5千円程度であった為、まずは、ホテルで両替を試みたものの、なんと、日本円を取り扱っていないという事が分かりました。街にポツンと佇む、両替所であればまだ分かりますが、まさか、高級ホテルで、日本円を両替できないとは・・・。ホテルのスタッフに改めて聞いてみると、「ここでは、日本円の両替はできない」との回答でした。しかし、裏通りの両替所には、日本円対応の両替所があるという事で、探す事に。すると、ホテルのすぐ裏通りに、一切、「両替」という事が示されていない両替所を見つけました。(「※写真6」)こちら、抜群にわかりにくい両替所ですが、レートは、比較的よく、お勧めの両替所です(※あくまでの筆者の経験上)

※写真6:筆者が一度通り過ぎた両替所・・・なぜ看板がないのか・・・

3-3 ミャンマーに点在する「スクウェア」という名前のついたショッピングモールについて

筆者が宿泊したホテル、「スーレ・シャングリ・ラホテルヤンゴン」には、ホテル直結のショッピングモール「スーレースクウェア」があります。このスクウェアは、人はそれほどおらず、ブランド物の商品や、日本料理もあります。余談になりますが、ミャンマーには、こういった「●●スクウェア」という名前のショッピングモールが点在します。ダウンタウンの喧騒とした街並みを歩いた後の休憩や、ショッピングには便利なので、是非立ち寄ってみてください。スーレースクウェアの地下には、スーパーがあります。

スクウェア内のスーパーは、日本と比べても全く遜色のないくらい、品揃えが豊富です。新鮮な野菜、果物があり、日本のお菓子もありました(※写真7)。麺類に関しては、うどんやそばは、ほぼほぼ日本の製品が出揃っています。筆者の想像よりもはるかに充実していた。日本の駐在員も全く困らない品揃えが高級スーパーにはあると感じました。(※写真8)

※写真7:スーパーの内部。豊富な品揃えです

※写真8:スーパー内にあった日本の麺類コーナー。この他にも、お菓子が揃っています

3-4 ダウンタウンの喧騒とした街並みについて

ここで、ダウンタウンの街並みについて、紹介させてください。「写真9」はダウンタウンの一部の通りです。写真の通り、常に車が通っており、それぞれに建物が非常に古く、建物同士の距離も近いです。
通り沿いを歩いて、ふと横を見てみると、「写真10」のように、いかにも、アジアの発展途上国らしい、雰囲気を味わう事ができます。

※ダウンタウンの街並み。建物が非常に古く、それぞれの建物の距離が近い

※写真10:一歩脇道に入ると、このようなダウンタウンが入っています
また、こちらも東南アジアではよく見られる光景なのですが、ダウンタウンを歩いていると、下記の「写真11」のように、古い建物の隣に、最高級のショッピングモールが建てられていて、なんとも不思議な貢献を目にする事ができます。新興国や発展途上国のように、急激に経済が発展した国や都市は、このような「新と旧」や「富と貧」等の、対立するもの同士が隣接するという、不思議な貢献を目にする事ができます。こういったところも、アジア(ミャンマー)不動産投資のダイナミックなマーケットを肌で感じられる点です。

※写真11:老朽化したビルの真隣に、高級ショッピングモールがあります

4 まとめ

2016年まで、軍事政権であったミャンマーは、まさに、「アジアの中のアジア」だと筆者は感じました。人々の生活は、「パゴダ」と呼ばれる黄金の建物を中心として形成され、ダウンタウンエリアは、未開拓であるものの、大きなポテンシャルを感じさせるエリアでした。次回は、ミャンマー(ヤンゴン)の観光エリアをご紹介します。

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