安定した経済成長を続けるフィリピンの不動産投資に興味を持っている方は多いのではないでしょうか。しかし、フィリピンを含めた海外不動産投資は、物件の買い方や値上がりが期待できるエリアなどに関する情報が十分に得られず、一歩踏み出せずにいる方もいるでしょう。

今回は初めて海外不動産投資をする方のために、フィリピン経済の現状から不動産の特徴、投資するメリット・デメリットなどの情報を効率的に入手できるセミナーをご紹介します。将来フィリピンへの移住や不動産投資を考えている方は、この記事を参考に検討してみてください。

1 フィリピンと日本との関係

日本とフィリピンとの交流は豊臣秀吉の時代からの長い歴史があり、現在は東南アジアの中で最も関係の深い国のひとつです。2011年にフィリピンで実施されたBBC世論調査によれば、日本を肯定的に捉えるフィリピン人は84%にのぼり、調査対象国27カ国中インドネシアに次いで2位となる親日国です。

また、フィリピンは日本国内に在住する外国人の中で3番目に多い国でもあります。日本はフィリピンに対しマニラ首都圏周辺の交通網などのインフラ整備、自然災害、医療・衛生、環境対策など様々な支援を提供している一方、フィリピンは日本にとって有事の際に重要なシーレーン(海上交通路)を持つ国としてだけでなく、若い労働者が豊富で今後も経済成長が期待できる国として基本的価値・戦略的利益を共有する戦略的パートナーとなっています。

このようにフィリピンは親日国で、日本と古くから交流があり経済的関係も強い上、今後の経済発展も期待できるため同国への不動産投資も行いやすい環境にあります。

2 フィリピンの人口、経済状況

フィリピンの2015年の国勢調査によると人口は約1億98万人で、国連等の推計では2050年に1億2,700万人となり2091年まで増加すると予想されています。人口構成では若年層が多い理想的な構造となっており、平均年齢は23歳と日本(45.9歳)と比べても顕著です。経済の発展には若い世代の力が貴重な戦力となるため、フィリピン経済は大きな強みを有しています。

2017年の経済成長率は約6.7%(フィリピン統計発表)であり、2018年も同程度の成長が見込まれています。フィリピン経済は2000年代に入ってからの安定さを増し、特に2012〜2017年までは6%以上の経済成長率を達成しています。政府によるインフラ支出の増加策を背景に2018年以降でもさらなる成長が期待されています。

3 フィリピン不動産の特徴

単純な比較は難しいのですが、たとえばフィリピンのコンドミニアムと東京のマンションを㎡単価で比較すると、フィリピン不動産の価格は日本の4分の1程度になります(Global Property Guideより)。

フィリピンの高級コンドミニアムでは、24時間体制のセキュリティー付き、プールやジム等の施設などが完備されているケースが多いため、日本の高級マンション以上のハイレベルのサービス付き物件が割安な価格で購入できます。

3-1 ビザ不要でコンドミニアムの所有可能

フィリピンではビザなしで外国人がコンドミニアムを所有できます。日本の分譲マンションに該当するコンドミニアムは1室を区分登記すれば所有できます(建物内で外国人の割合が40%を超えない物件の場合)。

また、コンドミニアムを購入する際にローンが利用できます。フィリピン最大の商業銀行バンコ・デ・オーロでは外国人が利用できる住宅ローンが用意されています(ただし条件有り)。なお、同銀行では日本人顧客を専門に担当する部署があり日本語でも対応してくれます。

3-2 外国人の土地購入は不可

外国人はフィリピンの土地を所有できません。土地の所有はフィリピン国籍を持つ者、資本の60%以上がフィリピン資本である企業が対象となります。

なお外国人による不動産の購入後の賃貸や転売は可能ですが、各種の費用や税金などが生じるため注意が必要です。

3-3 フィリピン不動産にかかる税金

不動産賃貸運用時には、所得税として、外国籍の居住者、または、外国籍の非居住者(滞在期間180日以上)には国内源泉所得に対して5%~32%がかかります。また滞在期間180日未満の外国籍非居住者には一律25%となります。加えて委託管理手数料が家賃の1カ月分あるいは10%程度必要です。

不動産を売買する際は、印紙税1.5%、不動産移転税約0.75%、キャピタルゲイン税6%が発生します。また、約320万ペソ以上の物件は12%のVAT(付加価値税)が、転売による利益の有無に関係なく必要です。

3-4 フィリピン不動産投資の注意点

物件を手がけるデベロッパーによっては計画通りに建設が進まず、「完成しない」というケースも少なからずあるため、プレビルド物件(未完成物件)の購入には注意が必要です。

アジアなどの新興国での不動産投資には信頼できる大手日系企業など、適切なデベロッパー選びが重要です。またフィリピンでは日本のように売買仲介から内装手配、賃貸仲介、物件管理までワンストップで行っている会社を見つけ出すのは簡単ではありません。

そのため物件の維持管理ができても「入居付けできない」「購入者が見つからない」などのリスクに気をつける必要があります。不動産投資物件の管理運営を委託する際は、後述するセミナー紹介で詳細を確認すると良いでしょう。

このほか、フィリピンではデベロッパーが光熱費の支払いや部屋の修繕等の物件管理を行うこともありますが、日本と同程度のサービスの質を期待できないこともあります。そのためメンテナンスの頻度や物件の状態などについてこまめに連絡を取ることが重要です。

フィリピンは経済成長が著しいものの、世界経済の動向等により経済が一気に不安定なる可能性もあるため、大きなキャピタルゲインを得るには市況の良い時期まで売却を待つという戦略も重要になります。「売りたい時に売れない」という可能性が先進国よりもあることに留意しましょう。

4 フィリピン不動産投資のセミナー3選

以下では、フィリピンの不動産投資がわかるセミナーを3つ厳選してご紹介します。

4-1【新】ヨーロッパアジア海外不動産比較セミナー

ヨーロッパとアジアの複数の国や地域を比較しながら、対象となる国等の基本情報や不動産の状況、また投資のメリット・デメリットがわかりやすく学べるセミナーです。主催はセカイプロパティを運営する株式会社ビヨンドボーダーズです。

投資対象国はフィリピンのほかマレーシア、カンボジア、タイ、ベトナムのアジア5カ国と、ヨーロッパではウクライナです。ウクライナは、対外貨幣価値が低下した時期に仕入れた物件で外貨購入による為替差益が得られるといったメリットがあるほか、「税法の変更リスクが比較的低い」「完成済み物件の紹介となるため、完成しないリスクがない」といった特徴があります。

一方、東南アジアは、前述したように人口の成長過程にあり今後の経済発展が期待できるほか、「インフラ整備が進行中で住みやすく不動産価値の上昇が見込める」「預金の習慣が弱く銀行金利が高い」といった特徴があります。

物件紹介では、ヨーロッパのオススメ物件としてウクライナの首都キエフに建設された「アルピスキー10」、アジアではカンボジアのプノンペンに建設された「ユエタイプノンペンハーバーレジデンス」が取り上げられます。

このようにヨーロッパやアジアなどの地域の不動産市況に関する情報だけでなく、具体的な物件紹介も行います。投資対象国をフィリピンに絞るかどうか迷っている方や、具体的な投資地域などを検討したい方には参考となるでしょう。

4-2 初心者向け・海外不動産投資セミナー

投資対象国の選び方や絞り込みの方法がわからないといった海外不動産投資の初心者の方向けのセミナーです(ビヨンドボーダーズ主催)。投資対象国はフィリピンのほかマレーシア、カンボジア、タイ、ベトナムとアメリカで、値上がりが期待できる地域や海外不動産投資のメリット・リスク、購入方法、購入後の管理方法について学ぶことができます。

具体的には上記の投資対象国の特徴を比較しつつ、1,000万円以上のキャピタルゲインが期待できる地域、比較的投資負担の少ない物件が購入できる国、経済成長が今後も上昇できそうなエリアに関する情報を知ることができます。また、海外不動産投資では購入後の物件管理も課題となるため、入居者を確保する方法や売却時の買い手の見つけ方などに関する情報も役に立つでしょう。

このように、「初心者向け海外不動産投資セミナー」では投資未経験者でも海外不動産投資が始められる情報が効率的に入手できるのが大きな特徴です。またセミナー後の個別相談会に参加すれば、さらに詳しく相談することができます。ビヨンドボーダーズでは今後も初心者向けのセミナーを開催していく予定です。

4-3 日本人のための「フィリピン×資産保全」最新事情

フィリピンの基本情報から物件の購入手続、税制等の説明のほか有望な投資物件などが紹介されるセミナーで、株式会社ハロハロホームが主催しています。ハロハロホームはフィリピンに本拠地を置き東京に事務所を構える会社(日系企業)で、フィリピンの不動産の売買仲介、内装、管理、賃貸のほか、同地への進出支援、インターネットを通じた旅行や金融等のサービスの提供も行っています。

同社のフィリピンにおける不動産売買件数は500件、管理部件数は100件以上にのぼり、その豊富な経験と独自のネットワークから現地の最新情報がいち早く聞ける点が同社セミナーの大きな特徴です。

セミナーでは、フィリピンの人口動態や経済状況などの基本情報のほか、現地で購入した不動産を活用した資産形成・資産保全に関する方法や、具体的な物件紹介が行われます。たとえば、フィリピンの高利回りの物件やセブ・マクタン島の最新開発プロジェクトに関する最新情報から、4泊5日の旅程でフィリピン永住権を取得できる方法、国税局元OBがアドバイスする「資産保全」に関する貴重な情報が入手できます。

ほかにもフィリピンで「資産構築・資産保全・人脈構築・社会貢献」の各分野を支援する会員制コミュニティ「GATE of ASSETS財団」の紹介もあり、現地での不動産の購入や移住などに役立つ情報が提供されています。

今後もハロハロホームによる同タイプのセミナーが開催されるため、フィリピンの詳しい不動産情報をピンポイントで知りたい方は検討してみてください。

5 まとめ

フィリピンでの不動産投資を始めるためには、フィリピン経済の現状や不動産市場を把握することが大切です。個人で情報収集することも可能ですが、知り得る情報は限られる上、多くの時間と労力を割きます。一方、セミナーに参加すれば最新情報を効率的かつ無料で入手することができます。

海外不動産投資が初めてでフィリピンを含め投資対象国を絞れていない方などは、無料の未経験者向けセミナーや対象国比較セミナーを検討すると良いでしょう。また、投資対象国をすでに絞っている方やフィリピンの具体的な物件を知りたい方は、この記事でご紹介したセミナーを含めて参加を検討してみてください。

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