世界最古の文明、メソポタミア文明の発祥の土地、ノアの箱舟がたどり着いた場所と言われ、世界で最初にキリスト教を国教とした国、アルメニアは近隣諸国に翻弄され続けてきたという歴史を持つ国です。

 しかし近年、その関係性も改善されつつあり、経済的改善がみられるようです。そのような国アルメニアでの不動産投資はどのようなものか解説していきたいと思います。

アルメニアはどんな国?


 アルメニアは、黒海とカスピ海の間にある内陸国で、南コーカサスに位置する国です。1991年に独立するまで、ソビエト連邦の構成国でした。

 人口は約310万人、面積は日本の約13分の1の大きさです。首都はエレバンで、通貨はドラム(1ユーロ=約500ドラム)寒暖の差は激しいです。

 長年歴史認識を巡り、トルコと対立していましたが、2009年に国交を回復しました。 しかし、アゼルバイジャンとの領土問題は未解決です。

アルメニアの経済と、不動産価格の推移


 アルメニアは、鉄鉱石、ボーキサイト、銅、亜鉛、モリブデンなどの鉱物資源の多い国です。また、ウラニウム鉱床、石灰岩も全国に分布しています。

 主要産業は、農業、工業、宝飾品加工業などです。

 2001‐2007年の平均GDP成長率は12.8%に達し、2008年の経済危機後も2011年には前年比プラス4.7%、2012年には7.3%と、迅速に回復しました。

 IMFによると、2014年から2017年までの成長率はそれぞ3.61%、3.25%、0.26%、7.48%で、2018年には3.40%となると予測されています。

 アルメニアでは、2004年ー2008年前に不動産価格は250%上昇しました。2008年の経済危機では、取引件数は約30%、不動産価格は約15%低下しました。

 その後は首都エレバンにおける2016年第一四半期の前年比成長率はプラス0.2%、集合住宅に限っては、0.4%の上昇でした。

 一つ明るい材料としては、アルメニア政府は2010年に、若い家族が住宅を購入できるよう、優遇政策を制定しました。

 18-35歳(二人合わせた年齢が65歳以下)のカップルが52,675ドル以下の不動産を購入する場合にに政府からの補助金と、ローンの優遇がされ、2016年1月までに1億1,170万ユーロ相当が投入されました。

 

アルメニア不動産は外国人でも購入できる?


 個人の場合、建物は所有できますが、土地は99年間の借地権が得られるのみです。しかし、アルメニアにおいて法人を設立することで、土地も所有することができます。

アルメニアで不動産を購入するステップ


  • パスポートをアルメニア語に翻訳し、パスポートのコピーは公証を受けます、
  • 売主、買主双方が立ち会い、公証役場において、売買契約書にサインをます。この購入手続きを不動産目録に登録することで、不動産の所有権が移転します。
  • ただ購入金額を支払う際にトラブルが発生したという事例もあるようなので、銀行にエスクロー口座を開設し、所有権が登録された際に、銀行が売主に資金を解放する方法をお勧めします。

アルメニアにおける不動産購入時、売却時の税制


  • 購入時
  •  公証費用:$21-31
     所有権証明文書の発行費用:$21ー
     新たな所有権を証明する文書の発行費用:$52ー
     登記費用:$41ー

  • 所有時
  •  固定資産税:独立した建物の場合、不動産価値の0.3%。住宅や、その他の建物の場合、累進課税により、0.1% から1.0 %となります。

  • 売却時
  •  キャピタルゲイン税:なし

アルメニアで不動産を購入するのにお勧めのエリア

首都エレバン


世界最古の都市の1つであるといわれています。人口約106万人、主要産業は機械製造や金属業、ワイン、ブランデー製造、たばこ製造業などです。

 近隣諸国との紛争、1990年代の経済不況などで多くの移民が流出し、人口減少がついていましたが、2007年より増加に転じました。

 2016年の第一四半期の、中心部における一平方メートル当たり平均価格は約1,003ドル、市街地で最も安いヌバラシェン地域では一平方メートル当たり平均価格は約318ドルでした。

カパン

アルメニア南東部の都市で、人口は約4万5千人です。

 主要産業は鉱業で、家具、繊維業なども成長産業です。

アルメニア人の実業家とフランス人の鉱山技師の軽々により、銅鉱の運営権を購入、銅鉱石の処理プラントが建設され、市の経済に大きく貢献しています。

ヴァナゾール

人口17万人の、アルメニア第3の都市で、夏の気温は平均20度程度で、別荘地として賑わいます。

 主要産業は化学関係で、火力発電所も置かれています。ソビエト崩壊による経済危機を克服した都市のうちの一つであり、そのエネルギーがうかがえます。

まとめ 


全体的に見て、アルメニア不動産市場が本格的に回復を始めるまでにはあと数年は必要と言われていますが、個々の不動産の設備、修繕状況などは素晴らしいです。

 先を見越して安いうちに購入、データを追いかけて、回復が本格的になったころに購入など、投資の方法、タイミングは色々でしょう。SEKAI PROPERTYでは、現地のデベロッパーや不動産エージェントと提携しており、不動産購入の相談も受け付けています。アルメニアへの不動産投資を検討している方はお気軽にお問い合わせください。