2015年の法律改正以降、これまで外国人に認められていなかった不動産の購入が解禁になり、外国人投資家から注目を集めている国ベトナム。

今回はベトナムのコンドミニアムの魅力や住むのにおすすめな地域について解説していきます。

ベトナムのコンドミニアムを購入するメリット

他のアジア地域に比べて物件価格が安い

外国人に不動産市場が開放されて3年、物件価格は上昇してきてはいますが、まだまだ周辺のマレーシア、タイといった国に比べると格安です。日本不動産研究所のデータによると、ホーチミンの高級物件の価格水準は、東京の約1/10程度であり、周辺国であるマレーシアのクアラルンプール、タイのバンコクと比較しても半分程度です。

図:マンション/高級住宅(ハイエンドクラス)の価格水準の比較(2017年4月の東京・元麻布地区=100.0とした場合のデータ)
出典:日本不動産研究所

ベトナムの不動産市場はバブル期!?まだまだ物件価格の上昇を望める

ベトナムの平均年齢は30歳と若く、これから急速な人口増加が見込まれること、経済成長期であることから、不動産物件価格もどんどん上昇しており、キャピタルゲインが期待できます。

また、ベトナムでは固定資産税、キャピタルゲイン税もかからないことも外国人投資家から人気を集める要因となっています。

賃貸付けにした場合、安定的な家賃収入が期待できることが多い

外資系外国人が約30万人賃貸で生活していると言われているベトナムでは、コンドミニア購入の際に賃貸保証をしているデベロッパーが多くあります。その利回りは都市部の人気エリアでは現在7~10%と高く、賃貸で十分な家賃収入を得ることができる可能性があります。

地震・台風などの天災が少ない

「せっかくコンドミニアムを購入したのに地震で大きな被害にあった」こんな事態は避けたいですね。ベトナムには火山もなく、地震の心配はほとんどありません。台風も北部ではたまに通過する程度で大きな被害はなく、南部では遭遇することもありません。

天災が少ないというのは、不動産を購入する上で大きなファクターになると思います。ベトナムでコンドミニアムを購入される方の中には、万が一、日本の自宅が大きな天災に遭われた時の安心できる避難先として考えられている人もいるようです。

余談ですが、ベトナムには黄砂もないし、花粉症もほとんどありません。これらは天災とは言えませんが、人によってはとても大事なことですね。

ベトナムのコンドミニアムを購入するデメリット


社会主義国家であること

ベトナムは急激に近代化が進んでいますが、世界でも数少なくなった社会主義国という側面があります。とはいえ、中国よりは自由度は高いですが、それでも不動産を購入する場合でも外国人に対する規制はやや強いです。

例えば、50年の借地権しか取れない(延長可)、基本的に政府の批判をしてはいけない、役人による力が強く、時として賄賂が必要、政府の突然の方針転換で法律が変わるなど、資本主義の国とは異なる事態が起こる可能性があることを理解しておく必要があります。

物件を売却した資金を自由に国外に持ち出せない

ベトナムではベトナムの貨幣ドンの国外持ち出しに制限があります。家賃収入や物件の売却利益をベトナム国内だけで消費するなら問題はないのですが、それを日本に持ち帰ることは簡単ではありません。それでは、ベトナムで投資用不動産を買われた人たちはどうしているのか、それについては後程紹介します。

賃貸という選択肢

ベトナムのコンドミニアムについて、購入という観点から今までお話ししてきましたが、ベトナムに住むことを考えている場合、賃貸を借りるという選択肢もあります。特にお子さんがいるご家庭なら、自分の住んでいるコンドミニアムの近くに日本人学校のスクールバスが止まるのか、といったことなども気になってくると思います。

そういった場合、賃貸ならばその時の生活スタイルに合わせてエリアを選ぶこともできます。ベトナムでの物件購入を考えている人も、一度賃貸で暮らしてみて自分が購入するエリアを決めるとミスマッチが防げるかもしれません。

ベトナムのコンドミニアムを選ぶのにおすすめのエリア

ベトナムは南北に長いことから、気候、街の雰囲気、習慣なども都市によって随分違いがあります。それぞれの地域の特性を知ることで、自分がどこに物件を持ちたいかが見えてくるかもしれません。

ホーチミン


気候が温暖な南部のホーチミンは、ベトナム最大の都市で、もともと資本主義国だったこともあり、活発な経済活動がおこなわれており、とてもエネルギッシュな都市です。

まだまだ不動産の価格上昇が見込めるため、投資用コンドミニアムを購入するならホーチミンの都市部がおすすめです都会の利便性を求めるなら、ビンタン地区や1区、特に1区のレタントン通り近辺がおすすめです。

日本人街と呼ばれ、日系のレストランやショップが並び、日本語が通じるお店も多くあることから、ベトナムにいながらも日本にいるような生活を送りたい人達に人気で、賃貸の家賃相場は少し高めです。

2区はインターナショナルスクール、7区には日本人学校があるため、家族連れの駐在員は2区、7区を選ぶことが多いようです。

ハノイ


政治の中心で日本のように四季のあるハノイで不動産を買う人は、ホーチミンのような都会の喧騒は苦手だがある程度便利な生活が送りたい、ベトナムらしさの残る文化的な街で暮らしたい、という人が多いようです。物件価格の上昇率はホーチミンに比べてゆるやかです。現在ハノイで販売されている物件についてはこちらをご覧ください。

ダナン


中部の商業の中心地で、近年はリゾート地としても人気急上昇中のダナンには、5つ星のホテルも立ち並び、フォーブス誌が選ぶ「世界の綺麗なビーチ6選」にも選ばれたミーケビーチ、世界遺産の街ホイアンも近く、魅力あふれる都市です。

自分のリゾート用としてコンドミニアムだけでなく1戸建てもお手軽な価格からあり人気です。現在ダナンで販売されている物件についてはこちらをご覧ください。

ベトナムのコンドミニアムを購入する際の注意点


外国人向け不動産物件の購入戸数制限

ベトナムの法律によって、外国人が購入できる戸数には制限があります。分譲マンション1棟につき最大30%、戸建て住宅は1街区につき最大250戸となっています。

そのため、ベトナムで物件の購入を考える際には、自分が買いたい物件の外国人保有率が今どのくらいなのかをまず確かめましょう。

外国人に投資開放していない地域がある

国防や安全保障に関わる地域にある物件について、外国人は投資することができません。購入しようとしている物件が、外国人の投資に許可されているものなのかどうか、きちんと確認をする必要があります。

転売するときにも注意が必要

外国人が中古物件を購入することは、基本的には認められていません。しかし、外国人がもともと購入した物件については、使用権期間を引き継ぐ形で転売することはできます。

例えば、Aさんが購入して5年のコンドミニアムをBさんに売却した場合、Bさんのそのコンドミニアムの使用権期間は45年となります。この場合も必ず関係機関に申請して、許可を得る必要があります。

ベトナムでの家賃収入や不動産売却資金を日本で使うには


ベトナムの通貨ドンを国外に持ち出すことは大変難しい問題です。大きな金額でなければ、ベトナムで銀行口座を作り、同時にデビットカードやクレジットカードを作ることで、日本国内でベトナムにある資金を合法的に使うことができます。

しかし、物件の売却金など大きな金額になった場合や現金で日本に送金したい場合はこの方法では難しいでしょう。

ベトナムでも、きちんともれなく手続きを踏み書類を提出し、許可が下りれば海外送金することもできるようです。

購入した物件で家賃収入を得たい場合は賃貸許可を受け、その後税務処理をして、納税もしたことが確認できれば、海外送金することが可能になります。

売却金の場合は購入した時の購入証明書や権利書、売却した場合の納税証明書などを提出して海外送金の審査申請を出す必要があります。

しかしこういった手続きは、しっかりしたデベロッパーから購入していれば、デベロッパー側で責任を持って代行してもらえることも多いので、購入時に、売却する場合はどうなるのかといったことまで聞いておくことが重要です。

まとめ

ベトナムは不動産投資をする国として大変魅力的な国ですが、社会主義国である分、ほかのアジア各国とは勝手の違うところもあります。

市場が解放されてから歴史が浅いこともあり、まだまだ法律が変わってくる可能性もあります。ですから、物件を購入する際には信頼のおけるベトナムの国の事情にも精通した不動産仲介業者を通すことが大切です。

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