ドイツのセカンドティアシティ(Second tier city:最大の都市に次ぐ規模の第二の都市)が今、ヨーロッパの不動産投資家からの注目を集めているという。

Union Investment社が機関投資家を対象に行った調査によると、ドイツ投資企業の80%、フランス投資企業の56%、イギリス投資企業の52%がドイツのセカンドティアシティにおける物件取得を検討しているという。ここまでの注目度は他国では見られない。その他にオランダ、ベルギー、スウェーデン、スペイン、ポーランドなどのセカンドティアシティも比較的人気があるという。

今回の調査から、ドイツの投資企業は、ヨーロッパにおけるドイツ以外のセカンドティアシティの投資については慎重なスタンスであることがわかる。

回答者の約60%は、大都市に限らず中小規模の都市における投資も検討していると回答している一方、40%は西欧諸国の大規模都市のみへの投資に限定していると答えている。

現在のところ、ヨーロッパの投資企業には東欧や中央ヨーロッパの確立した市場を超えて積極的に投資を広げようとする動きは見られない。ポーランド・ワルシャワやチェコ・プラハなどは確立した市場と見なされている一方、その他の東欧の都市はあまり注目されていないのが実状である。その中ではハンガリー・ブダペストのオフィス市場が最も注目されていると言えるが、ラトビア・リガやスロバキア・ブラチスラバなども知名度を上げている。ルーマニア・ブカレストやブルガリア・・ソフィア、スロベニア・リュブリャナ、セルビア・ベオグラードなどの南東ヨーロッパの都市は、ほとんど注目されていないと言っても過言ではない。

不動産投資熱を表す指数については、ドイツが63.2(-0.2)、フランスが67.6(+1.0)と半年前に行った前回の調査と比較してもあまり変動は見られなかった。最も変動が大きかったのはイギリスで、前回より5.5ポイントアップの64.4をマークし、久しぶりにドイツのセンチメント指数を上回る結果となった。

イギリスでは政治的な先行き不安が解消されたことが、センチメント指数の上昇につながったと考えられる。投資家の多くは、今後イギリスにおける家賃が上昇すると期待しており、ロンドンの不動産は急速に注目を集めることになるだろう。

また投資企業の77%が「ヨーロッパにおける2020年の商業不動産の取引高は、少なくとも前年レベルの高水準に達する」と見ているという。住宅不動産についても回答者の51%が、ホテルについては39%がそれぞれ取引高は増加すると予想しているという。

取引量についてはポジティブな見方が出ているが、すべての投資企業が投資計画を実行できるというわけではない。このギャップから、2020年もヨーロッパでは不動産価格の上昇が続くと考えられる。

【参照】Second tier German cities find favour with foreign real estate investors

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セカイプロパティ編集部
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