オランダの不動産サービスCapital Valueによると、2019年における住宅不動産取引総額が過去最高になる見込みであることがわかった。昨年においても取引総額85億ユーロ(約1兆340億円)という記録的な結果が出ているが、今年はそれを上回る93億ユーロ(約1兆1,318億円)に達するのではないかと見られている。国内外投資家のオランダの賃貸住宅不動産への需要の高まりは、いまだ衰える気配はないようだ。

オランダの賃貸住宅の最大所有者は住宅公団であり、住宅公団が所有する物件は750ユーロ/月(約91,000円)以上では貸し出すことができないという規制がある。そのため家賃が高く設定できるエリアの物件は投資家に売り渡されることになる。海外投資家(企業)は、オランダの賃貸不動産市場において、大きな役割を果たしていると言える。

今年春には、アメリカ不動産投資会社Round Hillが、オランダ最大の賃貸住宅投資会社であるスウェーデン系Heimstadenに、オランダ市場最高額となる13.8億ユーロ(約1,679億円)で物件を売り渡している。

2018年には、売りに出された賃貸物件の30%が海外投資家によって購入されているが、2019年にはその割合が36%まで増えている。オランダの経済的安定、人口増加や世帯数の増加の可能性などの要因が、海外投資家を惹きつけていると言えるだろう。

2019年には47,000件以上の賃貸住宅が販売され、うち33%が新築物件であった。2018年は43%と今年は新築物件が占める割合が減少した形となったが、その背景には、建設コストの増加、建築許可証の発行数減少、窒素による汚染の問題、地方自治体における課題など、様々な要因が考えられる。

今年発行された建築許可証は、約47,000件に上るが、これは政府が目標と定める75,000件より37%少ない件数である。住宅不足の解決が急がれる中、今後許可件数を増やすためには、地方自治体レベルでの取り組みが必要となるだろう。

賃貸住宅の平均価格は7.5%の上昇、アムステルダムなどの一部地域ではそれを上回る上昇率を見せている。


【参照】Dutch residential market enjoys new record investment in 2019

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セカイプロパティ編集部
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