一流ブランドが手掛ける高級住宅、いわゆるブランドレジデンス。ノンブランドの物件と比較し高く取り扱われることが多く、長期的なリターンを求める投資家に注目されている。現在東南アジアには、120件ほどのブランドレジデンスがあると言われているが、高級不動産バイヤーの間でその需要が高まりを見せている。

東南アジア地域における最も新しいプロジェクトの一つである「8 Conlay」は、クアラルンプールの一等地で進められている商業施設、2棟の高層住宅、ホテルなどから構成される複合開発で、来年末の完成を予定している。
住宅タワーについては、TowerAが2016年初頭にリリースされ、75%以上564ユニットが成約済である。(残りのユニットについては、地元の人々向けに割り当てられている。)498ユニットからなるTowerBについては、昨年9月にリリースされ、30%が成約済みとなっている。1~3ベッドルームタイプで展開されており、平均価格は1平方フィート当たり3,350リンギ(RM)(約86,000円)程度である。

海外からは主に中国、香港、日本、シンガポールなどのバイヤーが多いが、全体の25%をマレーシア人のバイヤーが占めるという。

クアラルンプールでは、特に高級物件において供給過剰状態が続いている。マレーシア当局によると、昨年末の時点で買い手がついていない物件数は、前年比+30%の32,313件に上り、その内高級住宅が占める割合は43%、地域別には西海岸北部のペラ州とクアラルンプールに集中しているという。

バイヤーは常に目新しいものを求めており、デベロッパーはバイヤーにアピールするため、差別化を図っていかなければならない。またこの差別化こそが、ブランドレジデンス需要が伸びている要因の一つであると言える。

ブランドレジデンスのバイヤーの多くは、市場がすでに成熟している都市部の物件を求める傾向にある。バンコクや香港、シンガポールなどと比較しても、クアラルンプール中心地は手頃な価格で物件を購入することが可能となっており、バイヤーへの大きなアピールポイントとなっている。

またこのような高級住宅部門の成長を支える上で重要な要素となるのが、ヘルスケアである。これまでは環境やエコの観点からの持続性などについて注目されてきたが、今後は「住宅にいかにヘルスケアを組み込むか」という視点が重要になると関係者は話す。

Picture: KSK Land

【参照】Investors step uo demand for branded residences in Southeast Asia

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セカイプロパティ編集部
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