イリノイ州は全米有数の大都市シカゴを擁し、経済の中心地として目覚ましい発展を遂げてきました。金融やテクノロジー、医療、製造業といった多彩な産業が集積し、住宅需要が安定していることから、投資先として高い注目を集めています。

充実した交通インフラにより、国内外からのアクセスが容易であることも、投資家にとって重要な要素といえるでしょう。さらに郊外エリアや活気ある大学都市にも投資の機会が広がり、各地域の特性を活かした多様な投資を展開できる環境が、イリノイ州の強みとなっています。

本記事では、イリノイの不動産市場の特徴、投資のメリット・デメリット、そしておすすめの投資エリアについて詳しく解説します。イリノイでの不動産投資を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

イリノイの概要

イリノイ州はアメリカ中西部に位置する州で、シカゴを筆頭に経済と文化の中心地として発展してきました。シカゴはアメリカ国内で3番目に大きな都市で、金融やテクノロジー、医療、製造業といった様々な産業が集積する場所となっています。

農業地域も多く、広大な土地と発展した交通インフラを活かし、様々な経済活動が展開されているのが特徴です。イリノイ州の魅力の一つとして、その交通網の充実度が挙げられるでしょう。

シカゴには世界中の主要都市と直結しているオヘア国際空港があり、ビジネスや観光において極めて高い利便性を誇っています。さらに鉄道や高速道路も整備され、全米各地へのアクセスも容易な環境といえます。

このインフラの発展は、物流業や商業の活性化にも寄与しており、州全体の経済を支える基盤となっているのです。教育面においても、イリノイ州は高水準の機関を数多く有しています。

シカゴ大学やノースウェスタン大学といった、世界的な名門校が輩出する優秀な人材は、州内外の産業発展に大きく貢献してきました。シカゴ周辺の都市部では、高度なスキルを持つ労働力が集まることで、イノベーションが生まれやすい環境が形成されているのです。

一方、農業も経済の重要な柱です。広大な農地を活かしたコーンや大豆の生産は盛んで、食品加工業やバイオ燃料産業との相乗効果を生み出しています。こうした多様な産業構造は不動産市場にも反映され、様々なタイプの投資が可能です。
税制や不動産価格は他州と比較するとやや高めですが、シカゴ都市圏では安定した需要が続き、長期的な物件価格の上昇が見込めるといえるでしょう。

私が訪れた際、シカゴは高層ビルが立ち並び、活気ある都会の風景でした。一方で内陸部では広大な農地が広がり、エイブラハム・リンカーンにまつわる観光スポットが多く、歴史を肌で感じました。東京からオヘア国際空港までは直行便があり、アクセスが便利です。オヘア空港は世界で最も忙しい空港の一つとして知られています。

項目概要
人口約1,270万人
言語英語
宗教キリスト教(多宗派)、その他
主要産業金融、テクノロジー、医療、製造、農業
為替1ドル=約150円(2025年3月時点)
在留邦人数約3.5万人

 

イリノイ不動産投資のメリット

イリノイの不動産投資には多くのメリットがあります。今回はその中から3つのポイントをご紹介します。

安定した経済基盤と多様な産業

イリノイ州はシカゴを中心に全米有数の経済規模を誇り、多様な産業が発展しています。金融やテクノロジー、製造業、農業、物流といった分野が特に活発で、景気変動の影響を受けにくい点が大きな強みです。

全米第3の都市であるシカゴは、ニューヨークやロサンゼルスに匹敵する商業活動が行われ、多くの大手企業が本社を構えています。さらにシカゴ・オヘア国際空港を有することにより、国内外のビジネスネットワークが充実し、都市の継続的な成長を後押ししているのです。

不動産市場においても、安定した雇用が住宅需要を創出し、長期的な投資リスクの軽減につながっています。シカゴのダウンタウンやその周辺エリアにおいては特に賃貸需要が高く、今後も不動産価格の上昇が見込まれるでしょう。

高い賃貸需要と収益性

シカゴは人口の流動性が高く、学生やビジネスパーソン、移住者の増加により賃貸市場が活発な状況にあります。多数の大学や教育機関が集まるこの都市では、学生向けの賃貸市場が安定した需要を保ち続けているのが特徴です。

また多くの大企業やスタートアップが拠点を構えることにより、ビジネス層からの根強い需要も生まれています。シカゴの一部エリアにおいては、家賃価格の上昇が続き、投資家にとって高いキャッシュフローを見込めます。

特にリンカーンパークやリバーノース、ウェストループといったエリアは若年層や富裕層から高い指示を得ており、投資物件としての魅力に満ちた場所だといえるでしょう。

インフラ整備と都市開発の進展

シカゴをはじめとする都市部では、インフラ整備や都市開発が継続的に行われています。シカゴでは大規模な再開発プロジェクトが進行中で、新たな商業施設や住宅地の開発により、不動産価格の上昇が見込まれるでしょう。

また公共交通機関の発展も投資の重要なメリットといえます。シカゴにはCTA(シカゴ交通局)による電車やバスのネットワークが広がり、通勤や通学における利便性は非常に高い状況です。

このようなインフラの充実が、エリア全体の住環境を向上させ、不動産価格の安定につながっているのです。さらにウォーターフロント開発やグリーンエネルギー政策といった都市開発も活発で、不動産市場のさらなる成長が見込まれるでしょう。

イリノイ不動産投資のデメリット・リスク

イリノイ不動産投資にはデメリットやリスクがあることも事実です。以下で解説する3つのマイナス面に注意し不動産投資を検討して下さい。

高い税負担

イリノイ州は固定資産税が高い州の一つとして知られているのが特徴です。州全体で税率が高いため、投資家にとって負担となる可能性を否定できません。固定資産税は地域ごとに差異があるものの、特に都市部においては税率が高く、年間の支払い額が相当な金額になる場合が多いでしょう。

また財政問題による影響も懸念されており、さらなる税率引き上げの可能性も考えられるため、投資計画を立てる際には慎重なシミュレーションが欠かせません。税制優遇措置を上手く活用することや、より税率の低い郊外への投資を検討するといった対策も、有効な選択肢の一つとなるでしょう。

市場の変動リスク

州の不動産市場は比較的安定しているものの、経済状況や政策の影響を受けやすい側面も否めません。例えば州や市の財政問題により、不動産価格が急激に変動するリスクが指摘されています。

また特定のエリアでは、供給過多による賃貸価格の下落が懸念されており、長期的な市場動向の分析が投資判断には欠かせないでしょう。同州の人口動態についても、十分な注目が必要といえます。

近年、州外への人口流出が増加しており、特定のエリアでは住宅需要の減少につながるリスクが存在します。特に税負担や生活費の上昇が影響し、他州へ移住する住民が増えている点には細心の注意が必要です。

冬季の厳しい気候と建物の老朽化

イリノイ州、特にシカゴは冬の寒さが厳しく、寒冷地特有の建物維持費がかかる点がデメリットとなるでしょう。積雪の多さから冬の暖房費や除雪作業が必須であり、管理費用がかさむ可能性があります。

また歴史のある都市ゆえに、築年数の古い物件が散在しており、修繕やリノベーションを要する場合も少なくありません。特に配管や電気設備の老朽化は、修繕費の増加の原因となるため、購入前の入念な調査が重要です。

以上のように、イリノイ不動産投資には高い税負担や市場の変動リスク、冬の厳しい気候といった課題が存在するのです。しかし適切なエリア選定とリスク管理によって、投資の成功確率を高めることが十分可能だといえるでしょう。

イリノイのおすすめ投資エリア3選

イリノイには、特色の異なるエリアが点在しています。今回はイリノイでおすすめの不動産投資エリアを3つピックアップしてご紹介します。

1. シカゴ

シカゴは経済と文化の中心地で、不動産投資においても注目されるエリアです。人口約270万人を擁し、多国籍企業の本社や世界的な金融機関が集積するこの都市では、安定した住宅需要が見られます。

またシカゴ大学やノースウェスタン大学といった有名大学が所在することから、学生や研究者向けの賃貸需要も堅調な状態が続いています。ダウンタウンエリアには高層マンションや商業ビルが立ち並び、都市型の投資物件を豊富に見つけることができるでしょう。

一方で郊外に目を向けると、比較的手頃な価格の戸建て住宅も多く、長期的な物件価格の上昇を見込める環境となっています。さらに、発達した公共交通機関を有するシカゴでは、鉄道やバスを利用した通勤の容易さも大きな魅力の一つといえるでしょう。

シカゴの郊外は車が必要ですが、ダウンタウンやその周辺は鉄道システムが充実しています。ダウンタウンエリアの賃貸価格は、1ベッドルームだと月額約$1,800から$2,500、2ベッドルームは月額約$2,200から$3,500が相場で、鉄道を利用できることは、ポイントが大きいですね。

2. ナパーヴィル

ナパーヴィルは、シカゴ西郊に位置する都市で「住みやすい都市」として頻繁にランクインするエリアです。治安の良さと高い教育水準を誇ることから、ファミリー層から高い支持を得ています。

特に公立学校の評価が高く、子育て世帯が継続的に流入することで、住宅需要の安定が見られます。ナパーヴィルの不動産市場については、シカゴの中心部と比較すると落ち着いており、一戸建て住宅を中心とした投資が魅力的といえるでしょう。

また大型ショッピングモールや公園、レストランといった施設が充実しているため、暮らしやすさも投資家にとって大きなメリットとなっているのです。

ナパーヴィルの一戸建て(3ベッドルーム)の価格は$400,000から$600,000、賃貸価格は$2,500から$3,500が相場です。また公立学校の評価をNiche.comで見てみると、このエリアは全米の中でトップ10、11位でした。子育て世代がこのエリアに移住するのも納得です。

3. シャンペーン・アーバナ

シャンペーン・アーバナは、イリノイ大学の本拠地として知られ、学生や教育関係者の多い学術都市です。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(UIUC)は、高い評価を受ける研究機関であるため、多くの留学生や研究者が集まります。

学生向けのアパートや、タウンハウスといった賃貸物件が豊富で、安定した賃貸需要を維持しているのが特徴です。シカゴと比較すると不動産価格が手頃なことから、比較的少額からの投資が可能という利点も見逃せません。

加えて、大学関連の研究施設の発展も著しく、今後の経済成長が見込まれるエリアとして注目されています。

シャンペーン・アーバナの賃貸価格は、1ベッドルームだと月額約$700から$1,200で、シカゴと比較するととてもお手頃です。また住宅価格は、1ベッドルームだと$80,000から$150,000と物件価格も抑えられており、カリフォルニアの高額な市場とは対照的です。

まとめ

イリノイ州の不動産市場は、シカゴを中心とした経済活動と多様な産業基盤を背景に、安定した投資環境が整っています。

不動産投資家にとって魅力と言えるメリットは以下の3つです。

  • 安定した経済
  • 高い賃貸需要
  • 都市機能の統合的発展

一方で、次のような課題もあるため、慎重な分析が必要です。

  • 高い税負担
  • 市場の変動リスク
  • 気候による建物の老朽化

成功の鍵は、適切なエリア選定と戦略を立てながら、市場の動向を見極めることです。

アメリカ不動産の実際の購入方法について詳しく知りたい方はこちらも合わせてお読みください。

>>アメリカで外国人が不動産を購入する方法。購入条件やローンまで解説!

 

海外不動産の全てがわかる!海外不動産購入ガイド

・海外不動産を購入するまでの流れがわかる ・海外不動産がおすすめな理由は? ・海外不動産のメリット・デメリットは?