アイダホ州は経済成長が著しく、不動産市場が活発な州です。IT企業はボイシを中心に進出し、雇用増加と住宅需要が拡大しています。またコーダレーンでは観光業が盛んで、アイダホフォールズでは農業とエネルギー産業が発展し、多様な投資の選択肢があります。

本記事ではアイダホの不動産市場の特徴や投資のメリット・デメリット、そしておすすめのエリアについて詳しく解説します。ユタでの不動産投資を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

アイダホの概要

アイダホ州はアメリカ合衆国北西部に位置する州で、豊かな自然と安定した経済成長を兼ね備えています。ロッキー山脈が広がるこの地域には、湖や川も多くあり、美しい景観が特徴です。そのためアウトドア活動が盛んで、ハイキングやスキー、フィッシングなど観光業も活発です。

農業が主要産業で、ジャガイモの生産量は全米トップクラスです。IT産業や製造業も成長しており、特にボイシ周辺ではスタートアップ企業の進出が進んでいます。これにより雇用が増加し、住宅需要も高まっています。

アイダホ州は生活費が比較的低く、住みやすい州として知られています。治安も良好で、ファミリー層に人気の高いエリアが多く、移住者が増加中です。大学や研究機関が多いため、教育環境も充実し、若い世代にも人気があります。

アイダホを訪れると、広大なジャガイモ畑と牧場が一面に広がり、その風景は圧巻です。一般的に田舎の州というイメージが強いですが、都市部では大手企業が集まり、農業だけでなく多様な産業が州の経済を支えています。晴れの日が多く、緑が豊かでキャンプや温泉、スキーといったアウトドアを存分に楽しめました。

以下に、アイダホ州の基本情報をまとめました。

項目概要
人口約190万人
言語英語
宗教キリスト教が多数
主要産業農業、IT、観光、製造業
為替1ドル=約150円(2025年時点)
在留邦人数約10,000人

 

アイダホ不動産投資のメリット

アイダホの不動産投資にはいくつものメリットがあります。今回はアイダホ不動産投資のメリットを3つご紹介します。

住宅価格の安定と上昇傾向

アイダホの不動産市場は、安定した成長を続けています。特にボイシやコーダレーンといった都市部では、人口増加に伴い住宅需要が高まっています。州全体を見ても、過去10年間で住宅価格は着実に上昇し、今後も住宅価格の増加が見込めるでしょう。

さらに州内の不動産は、他の人気投資都市(例:カリフォルニア州やワシントン州)に比べ価格が割安であるため、低リスクで投資を開始できます。住宅ローンの金利は低い状況が続き、初めての投資家にとっても手が出しやすい市場です。

低い固定資産税と投資家向け優遇制度

アイダホ州は不動産投資において有利な税制が整っており、州の固定資産税は全国平均よりも低くなっています。税負担を軽減できるのは、不動産投資家にとってメリットです。

特に賃貸物件に関する減価償却や修繕費の控除など、税務上のメリットを活かすことで、キャッシュフローを最大化できます。また不動産投資家向けの優遇制度があるため、新築物件や改装プロジェクトへの税制優遇の適用も期待できるでしょう。

不動産価格の上昇や賃料収入の増加を狙うにはピッタリです。

人口増加と堅調な賃貸需要

アイダホ州は、人口増加率が高い州の一つとして注目されています。生活コストの高いカリフォルニア州やワシントン州から、より生活費の安いアイダホへ移住する人々が増加し、住宅市場が活性化しているのです。

都市部では賃貸需要が非常に高く、空室率が低い状況が続いています。特に大学周辺や新興住宅エリアでは、安定した賃貸収入が見込めるでしょう。また州政府のインフラ投資が進んでいるため、安定した住宅市場が見込まれます。

アイダホ不動産投資のデメリット・リスク

アイダホ不動産投資にはデメリットやリスクがあることも事実です。以下で解説する3つのマイナス面に注意し不動産投資を検討しましょう。

冬の厳しい気候と管理コストの増加

アイダホ州は寒冷気候で知られ、冬には大雪や氷点下の気温になることが珍しくありません。この厳しい気候が不動産投資においていくつかの課題をもたらします。

例えば冬の降雪によって、屋根や外壁のダメージが発生しやすく、適切なメンテナンスが欠かせません。また寒冷地特有の配管が凍結するトラブルなどで、修理費用がかさむリスクもあります。

さらに物件の除雪作業や冬季の光熱費の増加など、賃貸経営におけるコスト管理が必要な点はデメリットです。なお、遠隔地からの投資家は、信頼できる管理会社を雇う必要があるため、さらなる管理費用の負担も懸念されます。

地域による経済格差と需要の偏り

アイダホ州の不動産市場は、地域によって大きな格差が存在します。ボイシやコーダレーンなどの成長都市では、住宅需要と物件価格が上昇する一方で、経済発展が遅れている地域では、不動産価格が停滞または下落する懸念があります。

特に人口密度の低い農村地域では賃貸需要が安定せず、テナントを確保することが難しい場合もあるでしょう。また工場閉鎖や主要産業の衰退に伴い、一部の地域では雇用減少が不動産市場に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。

このように、地域格差を考慮せず投資を行うと、空室リスクの高い物件を抱えることになり、想定していた収益を上げることが難しくなる可能性があります。

競争の激化と物件価格の上昇

アイダホ州の不動産市場は、急速に人口が増加しています。中でもボイシやツインフォールズといった主要都市では、投資家が増え物件価格が上昇中です。住宅価格の上昇率は2020年以降、全米平均を上回る水準になりました。

その結果、魅力的な物件はすぐに売れ、初心者投資家にとって参入障壁が高くなっています。ファーストタイムバイヤー(初めて住宅を購入する人々)が増え、地元住民と価格競争が激化し、手頃な価格で物件を見つけることが難しくなっているのです。

さらに需要の高まりにより、不動産業者や建築業者の人件費が上昇し、リノベーションコストが増加している点もデメリットです。一部のエリアでは、市場の加熱からバブルの懸念も指摘されており、慎重なリサーチが必要となるでしょう。

アイダホのおすすめ投資エリア3選

アイダホには特色の異なるエリアが点在しています。今回はアイダホでおすすめの不動産投資エリアを3つピックアップしてご紹介します。

1. ボイシ

ボイシはアイダホ州の州都で、州内で最も人口が多い都市です。IT産業の進出が進み、マイクロソフトやヒューレット・パッカード(HP)といった大手企業が拠点を置いています。

そのため雇用が増加し、都市部の住宅需要が高まっています。またボイシは教育機関が充実しているため、ボイシ州立大学をはじめ優れた学校が多く、ファミリー層に人気です。

加えて治安も良く、生活環境も充実しており、安定した賃貸市場を見込めます。またダウンタウンエリアの都市再開発も活発です。飲食店やショッピング施設も増加し、今後も不動産価格の上昇が見込まれます。

ボイシには、米国を代表するスーパーのチェーンAlbertsonsや、半導体製造の大手企業Micron Technology、マクドナルドのフライドポテトを提供するJ.R. Simplot Companyといった大手企業が本社を置いています。これらの企業集積がボイシの経済と雇用を力強く支えていると感じました。

2. コーダレーン

コーダレーンはアイダホ州北部に位置し、美しい湖と山々に囲まれたリゾート地です。夏には多くの観光客が訪れるため、観光業と短期レンタル市場が活発で、Airbnbやバケーションレンタルを活用した投資が人気を集めています。

またリモートワークの普及に伴い、大都市から移住する人々が増加したため、コーダレーンの不動産市場はここ数年大きく成長し、住宅価格は上昇中です。自然に囲まれた生活を求める人々にとって、コーダレーンは理想的な居住地となっています。

加えてゴルフ場やマリーナ、ハイキングコースといったレジャー施設も充実しており、高級住宅市場も成長しています。特に湖畔エリアの不動産は人気が高く、今後も物件価格の上昇が見込めます。

コーダレーンは「アメリカの楽園」と呼ばれるほど素晴らしい場所で、美しい湖と山々、そして澄み切った空気に囲まれています。近年は、税負担が少ないことと保守的な政治環境を求めて、ワシントン州からの移住者が増えています。

3. アイダホフォールズ

アイダホフォールズは、アイダホ州東部に位置する中規模の都市で、農業とエネルギー産業が経済を支えています。特に小麦やジャガイモといった農産物の生産が盛んで、農業関連の雇用が多い地域です。

生活費も比較的低く、住宅価格も手頃なため、初めての不動産投資を考える人にとって魅力的な地域です。特にエネルギー関連の企業や研究施設が多く立地しており、雇用市場と労働者向けの賃貸需要は安定しています。

またスネークリバーや美しい公園があり、自然環境に恵まれているのが魅力です。観光業も徐々に成長していることから、レストランやショップの開発が進んでいます。今後さらなる都市開発が期待されており、将来的な物件価格の上昇が見込まれます。

アイダホフォールズも自然が豊かな都市ですが、アメリカ合衆国エネルギー省が運営する、国立研究所の拠点があります。世界に影響を受ける先進原子力技術や再生可能エネルギー、サイバーセキュリティといった研究が行われており、地域最大の雇用を創出しています。

まとめ

アイダホ州の不動産市場は観光業の発展と企業進出を背景に、投資家にとって魅力的な環境が整っています。

不動産投資家にとって魅力と言えるメリットは以下の3つです。

  • 住宅価格の成長
  • 投資家に有利な税制環境
  • 拡大する居住需要

一方で、次のような課題もあるため、慎重な検討が必要です。

  • 市場の変動リスク
  • 局所的経済集中
  • 市場の過熱化

目的に応じた物件選びを行い、長期的な資産価値の向上を目指しましょう。

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