資産運用方法の1つに、不動産投資が挙げられます。しかし、インターネットで調べるなかで、「不動産投資はやめとけ」という情報発信を見て、不安に感じる方もいるのではないでしょうか。

今回の記事では、不動産投資はやめとけと言われている理由や、やめておいた方がいい人の特徴などを紹介します。一方で、不動産投資のメリットや成功しやすい人の特徴もまとめているので、今後の資産運用に活用してみましょう。

不動産投資は「やめとけ」と言われる理由

不動産投資が「やめとけ」と言われているのには、どのような理由があるのでしょうか。次の6つの失敗事例をもとに、「やめとけ」と言われる理由を探ってみましょう。

空室リスクや滞納リスクが伴う

1つ目は、不動産投資には、空室リスクや家賃滞納リスクが伴うことです。物件の地域性やターゲットを分析したうえで不動産を購入しても、入居者希望者が現れない可能性があります。

また、悪質な入居者によって、家賃が滞納されてしまうリスクも存在します。いずれの場合でも、家賃収入を安定的に得られない可能性があることから、不動産投資の失敗につながります。

失敗と同時に多額の負債を抱える危険性

次に、不動産投資の失敗と同時に、多額の負債を抱える可能性があることです。安定した収益を狙って不動産投資を始めたものの、空室状況が改善せずに、不動産投資を失敗してしまったという事例が少なくありません。

一般的に、不動産投資を始める場合、投資資金だけでは足りない部分について、金融機関で不動産投資専用のローンを組みます。つまり、十分な自己資金を持ち合わせていないと、不動産投資で失敗した際に、多額のローンだけが残ってしまいます。

不動産投資に関する知識の勉強が必要

不動産投資で成功するためには、不動産に関する知識を勉強しなければなりません。具体的には、不動産投資の種類や、不動産投資で収益を狙う方法、安定した収益を確保するための物件探しの方法など、多岐にわたって勉強が必要です。

また、不動産を購入したあとは、入居者との契約に関する知識や、管理方法も習得します。勉強が必要な一方で、必ずしも成功するとは限らないことが「やめとけ」と言われる理由でもあります。

悪質な不動産仲介会社にカモられる

不動産投資では、悪質な不動産仲介会社に気をつけなければなりません。全力で顧客をサポートしている不動産仲介会社があるなかで、意図的に相場よりも高額な物件を勧誘してくる仲介会社もいます。

さらに、物件のメリットしか話さずに、デメリットの部分を隠して購入を勧める事例もあります。不動産を購入したあとに、「修繕費が無駄にかかってしまった」、「提示された入居率と実際の入居率が異なっていた」といったトラブルに発展しないように注意が必要です。

ワンルームタイプの物件は儲かりにくい

不動産投資が初めてという方のなかには、比較的運用しやすいという理由で、ワンルーム物件を選択する方もいます。しかし、ワンルームタイプの物件は、都心で飽和状態となっており、通常の物件であれば将来的に価格が上昇する可能性が低いと言われています。

また、家賃収入と比較して、不動産投資ローンの返済や、固定資産税などの支出が上回り、キャッシュフローが悪化してしまったという事例も少なくありません。気軽に始めやすいワンルームタイプの不動産投資ですが、資金繰りには十分注意しなければなりません。

管理の手間によるサラリーマンとの兼業が難しい

不動産投資は、どうしても手間がかかってしまうのがデメリットです。不動産購入から、契約に関する手続き、入居者探し、物件の管理など、やるべきことが多くあります。

サラリーマンの方でも副業目的で不動産投資を始める方がいますが、管理に労力がかかりすぎると、本業に支障が出てしまいます。もちろん、管理会社に委託することも可能ですが、なるべく収益を手元に残した場合には、個人ですべて行わなければなりません。

不動産投資をやめておいた方がいい人の特徴

不動産投資は安定的な収益を狙いやすい代わりに、失敗するリスクに注意が必要です。そこで、不動産投資に失敗しやすい人や、やめておいた方がいい人の特徴を紹介します。

自己資金が極端に少ない

不動産投資を始めるうえで、自己資金が極端に少ない方は失敗する可能性があります。自己資金が少ない状態で不動産投資用のローンを組むと、全体の資金における借入金の割合が高くなり、ローン返済の負担が大きくなるためです。

状況にもよりますが、不動産価格の1〜3割ほどの頭金を用意しておくことが推奨されています。たとえば、3000万円の物件を購入する場合、300〜900万円の自己資金を準備できると安心です。

営業マンからの勧誘を断れない

不動産仲介会社からの営業を断るのが苦手という方は注意が必要です。たとえば、「この価格で購入可能な物件はほかにない」、「今購入しないと今後価格が上がってしまう」などのトークに押されると、買う予定がなかった不動産を購入せざるを得ない状況に陥ります。

とくに、不動産投資の知識や分析力がない方は、営業マンに言われるがままに物件を購入してしまう可能性があります。悪質な不動産仲介会社から騙されたり、カモになったりしないようにするためにも、自分自身で判断できる状態まで勉強しましょう。

不動産投資ブログを信用しすぎている

不動産投資のノウハウをまとめたブログを信用しすぎた結果、損失を抱えてしまった失敗例もあります。もちろん、不動産投資に成功した人のやり方を参考にすることはプラスになりますが、必ずしも同じように成功するとは限りません。

また、不動産購入時の条件や資金状況なども異なるので、他人の成功例は再現性が不透明です。不動産投資で成功したい気持ちを持つことは大切ですが、ブログの成功例は参考程度にしておき、自分の手で成功する努力を継続しましょう。

節税対策だけを目的にしている

不動産投資は節税対策として有効ですが、節税だけを目的にしている方も注意しましょう。不動産投資で赤字が発生している場合、給与所得や事業所得といったほかの所得と損益通算し、税金を安く済ませられます。

とはいえ、あくまでも不動産投資は儲けることが前提であるため、赤字を出し続けたままにしておくと、節税効果を得られないほどの損失が発生する危険性があります。また、金融機関からの評価にも悪影響を及ぼしかねないので、十分に注意が必要です。

やめておく前に知っておきたい不動産投資のメリット

不動産投資はやめとけと言われている一方で、多くのメリットがあります。メリットを踏まえたうえで、資産運用におけるポートフォリオに組み込むかどうか検討してみてください。

インカムゲインとキャピタルゲインを狙える

不動産投資では、家賃収入によるインカムゲインと、物件売却によるキャピタルゲインの2つの収益を狙えます。空室リスクが存在するものの、賃貸需要が高いエリアの物件を購入すれば、毎月安定した収益が期待できます。

また、購入した不動産の価格が将来上昇すれば、売却時と購入時の価格差を収益として受け取れます。不動産価格が値上がりしやすいエリアを選定する必要がありますが、2つの方法で収益を狙えるのが不動産投資のメリットです。

インフレリスクに強い

不動産は、インフレリスクに強い資産と言われています。というのも、一般的に不動産価格や賃料はインフレ率と連動して変動しているので、不動産の資産価値が下落してしまうのを防げるためです。世界的に物価が上昇しているなかで、不動産投資は資産価値を保ちやすい商品です。

生命保険代わりとして活用できる

不動産投資は、生命保険の代わりとしても活用できます。金融機関で不動産投資用ローンを組む際に、「団体信用生命保険」と呼ばれる生命保険への加入が求められます。

団体信用生命保険に加入すれば、万が一、不動産投資用ローンの返済期間が残っている状態で本人が死亡した場合でも、ローンの残高が保険で支払われます。また、不動産の所有権が、本人の家族に引き継がれることになっています。

不動産投資に成功しやすい人の特徴

最後に、不動産投資に成功しやすい人の特徴を紹介します。やめておいた方がいい人の特徴や、不動産投資のメリットを踏まえたうえで、どのような人物が不動産投資に合っているのかを把握しましょう。

資産運用向けに余裕資金を持っている

不動産投資における成功は、余裕資金で運用することが重要なポイントとなります。不動産投資をやめておいた方がいい人の特徴でも解説したとおり、自己資金が極端に少ないと、失敗したときに金銭的なリスクが生じます。

そこで、自己資金をある程度準備しておけば、全体の費用に占める不動産投資ローンの割合を減らし、金銭的なリスクを防げます。また、空室が続いた場合でも、キャッシュフローへの悪影響を最小限に抑えられます。

長期的な目線で不動産投資を行える

不動産投資の成功は、長期的な目線で運用することも大切です。一般的に、資産運用には、「短期投資」と「長期投資」の2種類があります。短期投資は、短期間の値動きで収益を狙う方法で、ハイリスク・ハイリターンであると言われています。

一方で、長期投資は、数年後、数十年後といった期間で、資産価値を見極めるので、短期的な値動きに惑わされることなく運用できます。不動産価格も、時間をかけてゆっくりと上昇することから、長期的な目線を持つことで成功する可能性が高まります。

将来性が高いエリアの不動産を購入している

不動産投資では、将来的に不動産価格が上昇するエリアの物件を購入することが成功に欠かせません。経済が衰退しているエリアや、人口が減少しているエリアの物件は、将来的に不動産価格が上昇しにくく、物件売却によるキャピタルゲインの機会損失につながります。

なお、将来性が高いエリアとは、今後の経済発展が期待されているエリアや、人口増加が予想されているエリアです、たとえば、東南アジアのカンボジアは、2020年および2021年のGDPに関して、新型コロナウイルス感染拡大伴い一時的に下落したものの、2022年は5.1%の成長が予想されています(※1)。

また、同じく東南アジアのフィリピンは、労働生産人口(15歳〜64歳)の増加が注目されています。2020年における労働生産人口は6,900万人(全体人口の約64%)から、2050年には9,800万人(全体人口の約66%)まで増える見込みがあります(※2)。

このように、将来性の高いエリアの不動産を購入することで、安定した家賃収入の機会を得られるほか、物件価格上昇によるキャピタルゲインも狙えます。

信頼できる不動産仲介会社を見極めている

信頼性の高い不動産仲介会社を見極めることで、不動産投資成功の可能性を高められます。選定基準としては、「顧客目線で不動産投資について相談してくれる」、「物件のデメリットも包み隠さず教えてくれる」、「顧客の予算・資産運用目的に適した物件を紹介してくれる」などです。

とくに、不動産を購入するにあたって、現地の不動産事情に精通した仲介会社を選ぶことも大切です。将来的に不動産価格が上昇する可能性があるのか、安定的に賃貸需要があるのかといった情報を持っている不動産仲介会社を選ぶようにしましょう。

まとめ

不動産投資が「やめとけ」と言われているのは、ほかの金融商品と同様に一定のリスクが存在することや、投資家自身の知識不足が理由です。リスクをカバーできるような資金がない場合や、自分で不動産投資に関する知識を勉強しないと、失敗する可能性が高まってしまいます。

とはいえ、不動産投資には、さまざまなメリットがあります。不動産投資を成功させるためにも、余裕資金で運用することや、信頼性の高い不動産仲介会社を選ぶようにしましょう。

当社では、東南アジアを中心に海外不動産を取り扱っています。マレーシアやカンボジアにも現地法人を設置し、最新の不動産情報をお客様にお伝えできます。経済的にも成長性が高いエリアであることから、今後の不動産価格の上昇や、安定した家賃収入を狙いたい方はぜひお問い合わせください。

※1:JETRO「需要拡大などを背景に景況感は大幅なプラスに

※2:独立行政法人労働政策研究・研修機構「生産年齢人口(15〜64歳人口」