日々の業務が忙しいサラリーマンでも始められやすい不動産投資ですが、トラブルに巻き込まれやすい投資商品です。甘い言葉に騙されて不動産を購入した結果、損失を抱えてしまったというトラブルも少なくありません。

では、不動産投資では、具体的にどのようなトラブルが起こりやすいのでしょうか?不動産投資で注意するべきトラブル例や、被害に巻き込まれやすい人の例を紹介します。また、トラブルを未然に防ぐ方法もまとめているので、最後まで御覧ください。

不動産投資で注意するべきトラブル5選

はじめに、不動産投資でよくあるトラブルの事例を5つ紹介します。不動産を購入する前に、どのようなトラブルが起こりやすいのかを確認しましょう。

サブリース契約における管理会社とのトラブル

不動産投資で注意するべきトラブルに、サブリース契約による管理会社とのトラブルが挙げられます。サブリース契約とは、不動産管理会社が所有者から物件を借り上げて、入居希望者に又貸しする方法です。

不動産を所有する側にとって管理の手間が省ける一方で、契約期間中に家賃が減額されたり、修繕費や原状回復費用を請求されたりするなどのトラブルが起こる可能性があります。国土交通省や消費者庁でも注意喚起を行っており、不動産投資トラブルのなかでも注意するべき点です。(※1)

不動産購入後の修繕費負担

不動産の売り主は、買主に対して「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」が課せられており、引き渡された土地や建物が契約内容と適合しない部分がある場合に、売主は買主に対して補修や代替物の請求、代金減額や損害賠償などの責任を負います。たとえば、物件を購入したあとに、壁のひび割れで雨漏りが発生したり、シロアリによる腐食被害が起きたりした場合に、買主は、売り主に修繕費等を請求できます。

基本的には契約書内に本項目に関する記載があるので、内見や契約時に加え、引き渡し時に見落としがないように注意しなければなりません。また、どこまでの範囲が契約不適合に含まれるのかを把握しておかないと、後々トラブルに発展する可能性があります。

悪質な入居者への対応

不動産を購入して賃貸として貸し出す際に、悪質な入居者によるトラブルが発生することがあります。具体的には、「毎月の予定通りに家賃を支払わない」、「部屋を適切に扱わない」といったトラブルです。

仮に、管理会社に管理を委託していた場合であっても、悪質な入居者から家賃が支払わられないことで、収入が途絶えてしまいます。また、室内で破壊行為があった場合に、オーナーへの連絡なしに悪質な入居者が退去してしまうと、部屋の修繕費もオーナー側で負担しなければならない可能性があります。トラブルを防ぐためにも、入居者が退去する際に、オーナーが立ち会って確認することを徹底しましょう。

物件のデメリットを知らないまま購入

物件のデメリットを知らないまま購入することによるトラブルにも注意が必要です。不動産仲介会社のなかには、物件のメリットを説明して、「今はお買い得」と文言を添えて購入を勧める悪質な会社もあります。

このようにデメリットを知らないまま購入した結果、修繕にかかる費用が発生するのを知らずに、想定利回りを下回ったというようなトラブルに巻き込まれてしまいます。

怪しい勧誘による不動産投資の詐欺被害

不動産投資では、怪しい勧誘による詐欺被害も見受けられます。たとえば、不動産仲介会社から物件を提案されて手付金を支払ったあとに、連絡が取れなくなってしまう「手付金詐欺」や、一時的にサクラを雇い、入居者を水増しして物件を購入させる「偽装満室詐欺・入居状況詐欺」が挙げられます。

ほかにも、おとり広告と呼ばれる、実際には存在しない物件を宣伝して、客を呼び込むような悪質な手法も存在します。

不動産投資のトラブルに巻き込まれやすい・騙されやすい人の特徴

不動産投資のトラブルに巻き込まれやすい・騙されやすい人は、どのような特徴があるのでしょうか。今後、不動産投資を始めようとしている方は、トラブルに遭いやすい人の特徴を確認しておきましょう。

不動産投資の知識を学んでいない

不動産投資に関する知識を学んでいない方は、トラブルに巻き込まれる可能性が高まります。というのも、不動産投資自体の特徴を理解していなかったり、物件の良し悪しを判断できなかったりしている方の場合、不動産仲介会社に任せきりになってしまうためです。

不動産仲介会社に丸投げしてしまうと、相場よりも高い物件の購入を勧められることもあります。投資対象となる物件をよく知らないまま運用しても、十分な成果を期待することができません。

物件を調べないで購入してしまう

不動産投資を始める方のなかには、早く利益を得たいために勢いで購入する方もいます。不動産は、実際に見に行かなくても購入することは可能ですが、下調べを行っていないとデメリットの部分を見逃す可能性があります。

たとえば、「賃貸需要が低いエリアに立地している」、「将来的に不動産価格が値上がりしにくい環境」といったデメリットを把握しないまま購入すると、不動産投資の失敗につながってしまいます。

不動産購入後のシミュレーションを行っていない

新築のマンション・アパートや、どんなに立地が良い物件でも、購入後に利益が出ないのであれば意味がありません。収支シミュレーションを行っていないと、キャッシュフローが悪化する原因になり得ます。

また、表面利回りが高い物件であっても、諸経費や管理費が発生し、実質利回りが想定以上に下がることも考えられます。表面利回りだけで判断せずに、さまざまな費用を含めたうえで、シミュレーションを行う必要があります。

悪徳業者からの勧誘を断るのが苦手なタイプ

勧誘を断るのが苦手なタイプの方は、不動産投資でトラブルに巻き込まれる可能性があります。悪質な不動産仲介会社のなかには、営業マンによる巧みなセールストークで断りにくい状況を作っていきます。

勧誘が長く続くほど、断りにくくなっていき、最終的に購入予定がなかった不動産を購入させられてしまいます。不動産投資に限らず、営業マンのトークを断れない方は注意が必要です。

不動産投資でトラブルを未然に防ぐ方法

不動産投資のトラブルに巻き込まれない、被害に遭わないようにするためにも、対策が必要となります。事前にどのような準備をしておけばよいのか、以下で挙げる方法を参考にしてみましょう。

不動産投資の仕組みを理解する

不動産投資でトラブルを未然に防ぐためには、不動産投資の仕組みを理解することが大切です。知識が乏しいままだと、リスクに気づくことすらできずに、損失を抱えてしまう可能性があります。

そこで、マンションやアパートといった各不動産の特徴や、利回りの計算方法、購入後の管理方法など、不動産投資に関するあらゆる知識を身に付けておくと安心できます。分からないことがないように、1つ1つ丁寧に勉強しましょう。

不動産投資における詐欺の事例を調べる

過去に起きた詐欺の事例を調べておくことで、不動産投資で騙されるリスクを軽減できます。不動産投資における代表的な詐欺の事例は以下の4つです。

・手付金詐欺:不動産購入の手付金を支払ったあとに音信不通となる

・入居状況詐欺:サクラを雇って入居率を水増しさせる

・二重譲渡詐欺:売却済みの物件を意図的に販売する

・デート商法詐欺:親密な関係になったところで不動産購入を勧められる

ほかにも詐欺の事例はありますが、代表的な詐欺の手口を調べておくことで、同じシチュエーションに遭遇したときにトラブルを回避しやすくなります。

不動産の専門家や弁護士に相談する

初めて不動産投資を行う方は、不動産の専門家や弁護士などへの相談も検討してみてください。もちろん、自分自身で不動産に関する知識を勉強することも大切ですが、専門的な意見を参考にしてみることもトラブル回避につながります。

また、すでに不動産購入を進めているなかで、不動産仲介会社に対して違和感を覚えた際には、国民生活センターや、無料相談に対応しているNPO法人などにも相談しましょう。

実績や信用性が高い不動産仲介会社を選ぶ

不動産仲介会社を選ぶ際には、過去の実績や、社会的に信用性が高い会社を選ぶようにします。会社のホームページ上で、会社の資本金、事業内容、販売実績、代表者のプロフィールなどを確認するほか、第三者によるレビューを参考にしてみることも重要なポイントです。

さらに、自身の投資目的に適した物件を紹介してもらうためには、安心して依頼できる営業担当者が必要不可欠です。「顧客目線で相談に乗ってくれているか」、「メリットだけでなく、物件のリスク・デメリットも話してくれるか」、「質問に対するレスポンスの早さ」などを意識しながら、担当者を選んでみましょう。

まとめ

不動産投資は資産運用に有効な方法の1つですが、トラブルに巻き込まれないように注意しなければなりません。安易な気持ちで不動産投資を始めると、取り返しのつかない事態に陥る可能性があります。不動産投資の仕組みを理解するほか、不動産投資の専門家や、信頼できる不動産仲介会社を探しましょう。

当社では、東南アジアを中心に不動産を取り扱っています。マレーシアやカンボジアには現地法人も設置しており、営業担当者がお客様のご要望をもとに、運用目的に適した不動産を紹介します。海外不動産にご興味がある方は、この機会にお問い合わせください。スピード感を持った担当者が折り返しご連絡いたします。

※1:国土交通省「サブリース事業適正化ガイドラインの策定」、消費者庁「サブリース契約に関するトラブルにご注意ください!