将来の資産形成を目的に、個人で資産運用を始めてみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。副業レベルで取り組める資産運用も増えてきており、なかでも不動産投資は多くのチャンスがある領域です。

しかし、不動産投資は、注意しなければならないこともあるので、成功に向けてポイントを押さえておくようにしましょう。今回の記事では、資産運用向けの不動産投資の種類や、成功に導く方法を解説しています。近年注目度が高まっている海外不動産投資についても紹介しているので、資産運用に興味がある方はぜひ最後まで目を通してみてください。

資産運用とは?

資産運用とは、株式・投資信託といった金融資産や不動産などを保有し、手持ちの資産を増やすことです。最近では、NISA(少額投資非課税制度)、iDeCo(個人型確定拠出年金)のような個人向けの制度も増えており、将来に向けての資産運用が可能となりました。お金が増えるか、減るか予想がつきにくいという不確定なものですが、より良い暮らしを実現するのに大切な手段です。

資産運用向けの不動産投資の種類

さまざまな資産運用の方法があるなかで、不動産投資は効率的に資産を増やしやすいと言われています。アパート投資や戸建て投資、区分マンション投資、駐車場投資といったそれぞれの種類を確認してみてください。

アパート投資

アパート投資とは、アパート1棟を購入し、各部屋を貸し出す方法です。物件購入時にローンを組んでいる場合、家賃収入を得ながらローンを返済していきます。そして、ローンを完済したあとは、必要経費を除いた分が収入となり、安定した資産形成を続けられるのがメリットです。

区分マンション投資

アパート投資の比較対象になりやすいのが、区分マンション投資です。区分マンション投資とは、アパートやマンション1棟全体を購入するのではなく、一部の部屋だけを購入する方法です。

物件にもよりますが、区分マンション投資の方が購入費用を安く済ませられるため、金銭的な負担を軽減できます。一方で、区分マンション投資は、空室になった場合、収入が長期的にストップする恐れがあります。

戸建て投資

戸建て投資とは、一戸建ての住宅を貸し出し、家賃収入を得る方法です。戸建て住宅の賃貸数自体が少なく、希望条件を満たす入居者を比較的早めに見つけられやすいのがメリットです。また、マンションやアパートと異なり、戸建住宅を希望する人は居住期間が長い傾向にあり、長期間にわたって安定した家賃収入を期待できます。

ただし、戸建住宅は、建物としての資産価値が20年ほどでなくなるリスクがあるので注意が必要です。リノベーションや修繕費用なども発生するので、資金的な余裕が求められます。

駐車場投資

駐車場投資には、長期契約で駐車スペースを貸し出す「月極駐車場」と、一時的に駐車スペースを提供する「コインパーキング」の2種類があります。前者は長期契約で安定した収入を得られる一方で、後者は利用率が高いほど、収入が増えていくのが特徴です。

ただし、いずれの場合でも、土地購入の費用がかかること、駐車料金の未払いが起こる可能性があるなどのリスクを考えなければなりません。

資産運用で不動産投資を成功させるためのポイント

資産運用で不動産投資を検討している方は、リスクに注意する必要があります。今後、不動産投資を成功させていくためにも、4つのポイントを確認しましょう。

長期的な視点を持つようにする

1つ目のポイントは、長期的な視点を持つようにすることです。不動産投資をしているなかで、「物件を購入したけれど、入居希望者が現れない」、「売却価格が購入時の価格よりも下がってしまった」などの悩みを抱えることも少なくありません。

不動産に限らず、資産運用は、数十年単位で利益を生み出していくことが求められます。1年、2年で判断するのではなく、長期スパンで計画しましょう。

あらゆるリスクに備える

資産運用目的で不動産投資を行う際には、あらゆるリスクを想定しなければなりません。とくに、地震、台風といった日本特有の自然災害は、将来的な資産価値にも大きな影響を与える要因です。

さらに、購入した不動産を貸し出す方は、賃借人からの家賃滞納にも注意しましょう。契約事項を念入りに確認し、金銭の部分でトラブルが発生しないように気を付けてください。

不動産投資に関する知識を勉強する

不動産投資で資産運用を成功させるためには、日頃の勉強も欠かせません。不動産売買における法律、ローンの組み方、リフォームの方法や適正価格、物件がある地域情報などを勉強しておくことで、スムーズに資産運用を進められます。

また、不動産売買による所得について、保有期間が5年を境に税率が大きく異なります。国税庁の不動産売買に関する税情報によると、「長期譲渡所得(5年を超える保有)」と「短期譲渡所得(5年以下の保有)」に分類されます。

長期譲渡所得は所得税15%・住民税5%、短期譲渡所得は所得税30%・住民税9%と決められており、5年以上保有したのちに売買した方が、税金を安く済ませられます。これは、短期の不動産売買を抑制していることが理由の1つで、利益が圧縮されないように注意する必要があります。(※1)

海外不動産への投資も検討してみる

日本国内の不動産だけでなく、海外不動産の投資も検討してみましょう。先述したとおり、日本の不動産は自然災害によるリスクが高く、危険エリアであると判断された場合に、資産価値が低下する危険性があります。

一方で、海外不動産にも一定のリスクは存在するものの、新興国を中心に今後の不動産価格上昇が見込まれます。資産運用における新たなポートフォリオとして、海外不動産には大きなチャンスがあります。

資産運用で海外不動産への投資がおすすめな理由

少子高齢化、景気の停滞、不動産価格の高騰、自然災害などによるリスクなどの要因から、日本国内の不動産購入に不安を抱えている方も多いはずです。そこで、近年注目度が高まっている海外不動産投資も検討してみてください。資産運用を目的に、海外不動産への投資がおすすめな理由を紹介します。

キャピタルゲインが期待できる

海外不動産投資は、不動産売却によるキャピタルゲインを狙いやすいのが特徴です。一般的に、不動産価格は、景気の悪化や人口の減少、不動産の築年数、部屋の劣化具合などが原因で下落していきます。

しかし、東南アジアの不動産は、経済成長に伴い、不動産価格の上昇が見込まれます。将来的な経済を踏まえたうえで、日本国内の不動産よりも、高いキャピタルゲインを狙える可能性があります。

人口増加に伴い高い利回りを得やすい

東南アジアは、人口増加に伴う高い利回りを得られやすいのも魅力です。とくに、カンボジアとフィリピンでは、15~64歳の労働生産人口が増加しており、賃貸需要も高まることで賃料の上昇が予想されます。

このように、キャピタルゲインと利回りの両方を狙えるのが東南アジアの不動産投資の特徴で、今後の資産運用におすすめです。

資産分散によるリスクヘッジにつながる

資産運用を進めるなかで、1つの投資先だけに依存するのは危険な考え方です。株式投資でも、日本国内の株式のみを購入するのではなく、米国や新興国の株式を分散して購入することで、リスクヘッジにつなげられます。

不動産に関しても同じ考え方で、さまざまなエリアに不動産を保有すると、特定の国・地域で何か異変が起きたときに、すべての資産を失うリスクを避けられます。日本には地震や台風といった自然災害のリスクがあるほか、人口減少と少子高齢化による経済停滞が見込まれるため、海外不動産投資をリスクヘッジ先に活用することも可能です。

日本国内の不動産よりも安く購入できる

海外不動産は、日本国内の不動産と比較して、安く購入しやすいのがメリットです。たとえば、カンボジアの首都プノンペンの不動産のなかには、諸経費込みで1,000万円台で購入可能な物件も多くあります。

ただし、一部の国では、外国人の不動産購入に金額制限を設けていることもあるので、事前に調べておきましょう。当社では、お客様が希望する国や予算に応じて、おすすめの不動産をご紹介しています。海外不動産投資にご興味がある方は、ぜひこの機会にご相談ください。

資産運用向けの海外不動産投資で失敗を防ぐ方法

資産運用向けに不動産を購入する際には一定のリスクが伴いますが、海外不動産には日本国内のルールが通じないことや、環境も異なるため、より一層気を付けることが大切です。海外不動産投資で失敗しないためにも、あらかじめ注意事項を確認しましょう。

カントリーリスクを把握する

海外不動産への投資は、当該国のカントリーリスクを把握する必要があります。とくに、東南アジア諸国は、政治的に不安定な国も多く、外国人に対する不動産投資のルールが変わる可能性も考えられます。

また、東南アジアの不動産開発は、日本の開発計画と異なり、途中で頓挫することもあります。日本からだと情報を入手しにくいこともありますが、常日頃からSNSや海外ニュースなどを通して、チェックする癖を付けてみてください。

節税対策は海外への移住が必要

節税対策を目的に、海外不動産の投資を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、日本に居住実態がある以上、不動産売買によるキャピタルゲインや、賃貸で家賃収入を得たとしても、日本国内にも税金を納めなければなりません。

最近では、2020年度の税制改正大綱によると、2021年分の確定申告から、海外不動産を減価償却費として計上することができなくなりました。これまで節税スキームとして活用されてきた海外不動産への投資ですが、年々厳しくなっているのが現状です。日本国内での納税を回避するためには、海外移住も検討に入れる必要が出ています。

参考:海外不動産投資の税金完全ガイド「物件売却時の注意点も解説」

為替変動や海外送金に注意する

新興国の不動産を購入する際には、現地通貨の為替変動にも注意が必要です。過去、東南アジアのタイを中心に起きたアジア通貨危機のように、通貨の価値が暴落する可能性はゼロではありません。

また、ベトナムでは、現地通貨であるベトナムドンの通貨安定性やインフレ率抑制などの目的などから、海外への送金が規制されています。

一方で、カンボジアは、国内における通貨流通量の90%ほどが米ドルです。不動産売買に関しても米ドルで決済が行われるほか、現地銀行の預金も米ドルに対応しており、為替変動への対策が可能です。

現地法人を設立している不動産会社に相談する

海外移住や資産運用を目的に、海外不動産の投資を検討している方は、現地法人を設立している不動産会社への相談をおすすめします。当該国の大手ディベロッパーとつながりを持っていたり、現地の最新情報をいち早く入手したりする体制が整っています。

とくに、東南アジアは、各国で言語が異なるため、英語だけでは対応できない場合もあります。現地に精通している会社から不動産を購入することで、安心感を得られるのがメリットです。

東南アジアの不動産は資産運用におすすめ!投資先の国や不動産会社の選定に注意

東南アジアの不動産は、今後の経済成長とともに、価格の上昇が期待されています。キャピタルゲインによる利益獲得や、賃貸需要による利回りが狙いやすく、資産運用にも適しています。

一方で、東南アジアは不動産投資の情報が入手しにくいため、投資先の国や不動産会社の選定に気を付けましょう。当社は、マレーシアとカンボジアに現地法人を設立し、東南アジアにおける不動産購入をサポートしています。現地の大手ディベロッパーともつながっており、お客様に安心して不動産をご購入頂ける環境が整っています。

 【無料】個別相談に申込む

まとめ

資産運用のなかでも不動産投資は多くのチャンスがある一方で、資金の確保や方法が分からないという方もいらっしゃるかと思います。実際に、準備をしないまま不動産投資を始めたとしても、想定していたほどのリターンを得られないだけでなく、損失につながる失敗を引き起こす可能性もあります。

不動産投資にチャレンジする際には、不動産領域をしっかりと勉強してから始めることをおすすめします。また、リスクヘッジ先や、今後の経済成長を期待して、海外不動産も同時に検討してみてください。

※1:国税庁「「暮らしの税情報」(令和3年度版)」