1. 超一等地に建つ不動産が1,000万円台で購入できる
カンボジアの不動産はとにかく安い。所有権を持てる東南アジアの中で、最も不動産価格が安いのがカンボジアである。どのくらい安いかというと、日本で言う東京の銀座や六本木のようなエリアのタワーマンションを、1,000万円台で購入することができるくらいである(銀座のタワーマンションの相場価格:5,000万円~1億円)。信じられない方も多いと思うが、1,000万円台で買うことができるのだ。もし今日本で、銀座や六本木のタワーマンションが1,000万円台で販売されていれば、買わない人はいないだろう。
もし自分が銀座や六本木のタワーマンションを1,000万円台で購入できる時代にタイムスリップして買っていたら、、、と想像するだけでワクワクする。そんな夢のような話が、今カンボジアでは現実として起こっている。
1-1. 一等地がわかりやすい ~おすすめエリアをご紹介~
さて、カンボジアの一等地とはどこか?様々な意見があるが私は、首都プノンペンのBKK(ボンケンコン)というエリアだと思っている。現地に行けばわかるが、他のエリアと比較して明らかに高層マンションや大使館、医療施設、商業施設などが多い。またホテルの金額も高く、日本や海外からの観光客も多い。住所にBKK (正確にはBoeung Keng Kang)の文字があるかないかで不動産価格や賃料も変わるため、完全にブランド化されており、カンボジア随一の商業地として君臨している。おそらく今後もBKKが一等地であることは変わらないだろう。
ちなみにBKKはBKK1、BKK2、BKK3に分類される。最もおすすめはBKK1だ。(※もちろん他のエリアが悪いわけではない)そのため、カンボジア不動産を検討する際には「BKKなのか」だけではなく更に「BKKのどこなのか」を頭の片隅に置いてほしい。
※ボンケンコンエリアの写真(ほぼ同じ場所からの撮影。)
1-2. カンボジア不動産は計り知れないポテンシャル
ここで一つの不安が生まれる。たしかに安いのは魅力だが、銀座や六本木のような価格まで値上がりするのか?
もちろん「今年の路線価日本一」といったニュースで目にするような1㎡あたり4,000〜5,000万円の水準になることは難しいかもしれない。しかし、筆者個人の意見では少なくとも2倍にはなるだろうと予想している。わかりやすく隣の国であるタイとベトナムの超一等地がどれくらいの価格かお伝えしたい。ちなみにこれも様々な意見があるが、タイの超一等地はスクンビット、ベトナムの超一等地はホーチミン1区だと思っている。
価格は下のグラフの通りバンコクはプノンペンの約3倍、ホーチミンはプノンペンの約5倍となっている。さらに、カンボジアは東南アジアトップレベルの経済成長率と人口増加率を誇る。カンボジアや周辺国の現状を見ても、カンボジア不動産の高いポテンシャルを感じることができる。長期で保有して値上がりを待つというスタンスでいれば、2倍に上がるという予想は大きくは外れないだろう。
カンボジア不動産の特徴として通貨が米ドルであることが挙げられる。最近でこそご存知の方も多いが、重要な部分であるため再度ご説明したい。結論、カンボジア不動産は米ドルで運用することができる。カンボジア不動産を購入する際は米ドルで支払う。カンボジア不動産を運用する際は米ドルで家賃収入を受け取る。カンボジア不動産を売却する際は米ドルで売却金額を受け取る。不動産に限らずカンボジアでは米ドルでの取り引きが一般的である。そう、為替リスクが少ないのもカンボジア不動産の特徴である。タイ、マレーシア、ベトナム、フィリピンなど不動産投資において魅力的な国は多い(先進国と比較するとまだまだ不動産価格は安い)。しかし、タイバーツ、マレーシアリンギット、ベトナムドン、フィリピンペソなど値動きが大きい分、資産の変動が大きくなってしまう。そこでカンボジア不動産の登場である。
東京の銀座や六本木のような超一等地を1,000万円台で購入できるにも関わらず、米ドルで運用ができるため為替リスクは最小限に抑えることができる、という疑いたくなるような好条件が揃っているのがカンボジア不動産である。ちなみに為替変動を狙って不動産を購入するというテクニックもある。これは少し難易度が高くなるが個人的にはおすすめである。良いものを安く買うという投資の鉄則を狙うことができるからである。
※CBRE Research, 2019より 国別 / 地域別の地価比較
1-3. 米ドル建て1年定期預金金利4%
カンボジア不動産投資において銀行も魅力の一つである。理由を簡潔に羅列する。
■定期預金金利がかなり高い
・カンボジア最大手の銀行で米ドル建て定期預金の利率は4〜5%程度。
-日本のメガバンクの定期預金金利は0.01%程度なので、単純計算しても400〜500倍の金利が付く。
・外国人(非居住者)でも銀行口座の開設が簡単。
-基本的にパスポートとVISAがあれば銀行口座の解説が可能である(入国時に空港で取得のため事前準備不要)。
・海外送金が簡単 ※さらにインターネットバンキングで行うことも可能。
-海外送金が難しい国だとせっかく増えたお金を戻せないし、インターネットバンキングに対応していない銀行だと現地に行かないといけない。こういったリスクが少ないのもカンボジア不動産の魅力である。
私が個人的におすすめしているカンボジアの銀行は、アクレダ銀行とカナディア銀行である。
アクレダ銀行は先日カンボジア証券取引所に上場したというニュースがあった(ちなみにカンボジアの上場企業は6社のみでカンボジア株投資もかなりおもしろい)。カナディア銀行は総資産額ランキングで首位。最近注目している銀行はABA銀行。インターネットバンキングが充実しており利用者数が急増しているらしい。以上、簡単に記載したがルールが頻繁に変わるので詳細は調べていただきたい。
<カンボジアの銀行口座開設についての詳細はこちら>
カンボジアの銀行口座開設ガイド。ドル建てで最大7%の金利
カンボジアの銀行口座開設ガイド:カナディア銀行編
2. カンボジア不動産 3つのリスク
まずはカンボジア不動産の5つの魅力についてご紹介してきたが、じゃあカンボジア不動産は良いことばかりなのか・・・というとそうではない。もちろんリスクもある。では次は、現役営業マンである私が、お客様にお伝えしているカンボジア不動産の3つのリスクについてご紹介。
2-1. 中国資本に依存した経済成長
カンボジアはとにかく中国マネーがたくさん入っている。現地に行くととにかく中国語表記をよく見る。不動産開発業社も中国企業が多く、カンボジアという国自体が成長しているのも、中国企業によってたくさんの資金が投入されている恩恵によるところも強い。現地のモデルルームでお客様をご案内することも多いが、たまたま居合わせた中国人客が、100ドルの札束を片手に書類にサインしていることもちらほら。後から聞いた話だが、いくつものお部屋をまとめて買っていたらしい。このように中国はカンボジアの経済活動に大きく貢献している。だからこそ、仮に、中国企業がカンボジアから撤退した場合、カンボジアの経済成長が著しく鈍化することが予想される。中国の恩恵を多大に受けているカンボジアだからこそのリスクだと言える。
2-2. 独裁政権と評される政治不安
カンボジアは独裁政権だと批判されることが多い。私自身が独裁政権を強く感じたことがあるわけではないが、客観的に見ても否定することは難しいと思う。カンボジアの政治は30年以上に渡って現首相フン・セン氏が実権を握っている。この事実を考慮すれば独裁政権だと評されても仕方ないだろう。「カンボジア人はフン・セン氏の政治に満足している(給与水準が上昇傾向にあるという背景)」「不満があっても政治的発言をできないくらい独裁政権」などなど私自身も様々な声を耳にすることが多い。本当のところは私にもわからないが、これがありのままの事実である。ただ一つ言えることは、政権が変われば国のルールも変わる可能性がある。銀行口座の部分で触れた海外送金が難しくなったり、外国人が口座開設をできなくなったり、そもそも不動産所有が不可能になったり、といったリスクを抱えていることも忘れてはならない。
2-3. 東南アジア特有の工事遅延
カンボジア不動産は工事遅延が日常茶飯事である。むしろ工事遅延なく当初の予定通り完成した物件が珍しく、すごいといった評価を受けるくらいである。日本では考えられないようなことだが、これがカンボジア のスタンダードであり、資産運用は工事遅延も考慮して計画しなければならない。逆に早ければ良いのかと問われると、そんなこともなくいわゆる「手抜き工事」が行われている可能性もある。細かいことを言い出してしまうときりがないが、大手企業や日系企業の開発物件を購入する、購入後は定期的に工事進捗を確認する、といった行為が重要である。カンボジアのみならず海外不動産の購入は非常に夢があることだが、現実には大変なことも多い(だからこそエージェントや仲介業者へ手数料を支払う価値があると考えることもできる)。購入後の交渉、賃貸付け、売却などは良くも悪くもエージェントや仲介業者に頼らざるをえないので業者選びも重要である。
3. まとめ:結局カンボジア不動産は買いなのか??
結論、買いである。ただ条件を一つだけ加えたい。その条件とは、「リスクとデメリットを把握し、許容できるのであれば」である。やはり、超一等地の不動産を1,000万円で買えて、米ドルで運用しつつ、さらに銀行金利で資産を増やすことができて、持ち出し自由、こんな条件が揃っているのはカンボジア以外思いつかない。また、不動産の価格上昇は読者の方を待ってくれないので、買うのに一番良いタイミングは今である。しかし、リスク、デメリット、不透明な部分、予期せぬトラブルがあるのも事実である。
最後に、投資は自己責任であり、開発業者やエージェントは助けてくれない。やや投げやりになってしまうが、予算との兼ね合いの中で、リスクとリターン、メリットとデメリットを洗い出し意思決定をしていただきたい。
もし安定した投資をしていきたいのであれば、先進国と呼ばれるアメリカや、日本の不動産への投資を検討した方が良いだろう。しかし、多少のリスクはあるかもしれないが、キャピタルゲインを狙い、まだ多くの人が手を出していない、カンボジア不動産投資に可能性を見出してみるのは面白いのではないだろうか。