物件価格が安い、利回りが高い、売却益が期待できるなどの理由で海外不動産投資に興味がある方も多いと思います。しかし、海外不動産投資と言っても投資先は数多くあるため、どの国・都市で不動産投資を始めればいいか分からない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、海外不動産投資で人気の投資先の1つであるタイ・バンコクの不動産投資事情について、平均価格・利回り、人気エリアを徹底解説します。
1 バンコクの不動産投資事情
バンコクはタイの首都で、政治・経済・文化の中心地です。日本企業を含む世界中の企業が進出しているため、駐在員による不動産需要が期待できます。また、観光地としても人気があるため、住居としてだけでなく、ホテル代わりとしての需要も期待できるのがバンコクの特徴です。
バンコクは熱帯に位置しており、最高気温33度前後、最低気温22度前後と比較的温暖な気候となっています。2~5月は暑気、5~10月は雨期、11~2月は乾季に分類されます。
このような特徴があるバンコクですが、不動産投資事情はどうなっているのでしょうか?バンコクの不動産の平均価格、利回りについて見ていきましょう。
1-1 バンコク不動産の平均価格
世界中の不動産事情についてレポートを出しているCBREによると、バンコクのハイエンドクラス不動産の地域別1㎡平均価格は、2019年のQ2では以下のような結果になっています。
- Silom/Sathorn:237,833
- Central Lumpini:321,556
- Riverside:250,000
- Sukhumvit:258,833
- Average Price:267,056
引用:CBRE「Bangkok Overall Market View Q2 2019」タイの通貨であるバーツは、1バーツ(THB)約3.63円です(2020年1月時点)。上記の一番下の平均価格に当てはめると、1㎡の価格は約97万円です。仮に30平米の不動産を購入する場合には、約3,000万円の資金が必要になります。
現在、バンコクの不動産価格は右肩上がりに推移しており、さらに価格が上昇する可能性もあります。為替変動と合わせて投資のタイミングを考慮する必要があるでしょう
1-2 バンコク不動産の利回り
世界の不動産情報を掲載しているGlobal Property Guideによると、東京の不動産平均利回りは2.66%とアジア圏では下位に位置しています。一方、タイのバンコクの利回りは5.13%とアジア圏でも上位に位置しています。長期投資の格付けでも、星5が最大評価となっている中で、東京が星2であるのに対して、バンコクは星4を獲得しています。
利回りが高いということは、それだけ効率良く資産を増やせるにも繋がるため、インカムゲイン狙いでもバンコク不動産には魅力があると言えます。
2 バンコクの不動産投資人気エリア
東京が23区と郊外に分かれているのと同様、バンコクも複数のエリアに分かれています。エリアによって賃貸需要や利回り相場が異なるため、不動産投資を行う際にはエリアごとの特徴をバンコクの不動産投資人気エリアは以下の4つです。
- ナーナー~アソークエリア
- アソーク~エカマイエリア
- エカマイ~オンヌットエリア
- オンヌット以遠
それぞれのエリアの特徴について詳しく説明します。
2-1 ナーナー~アソークエリア
ナーナー~アソークエリアは、主要駅の1つBTSアソーク駅周辺に多くの高層オフィスビルや商業施設が並んでいます。このエリアには駐在している外国人も多いことから、世界各地の料理が食べられるレストランや他の国の言語にも対応している病院などがあり、外国人でも安心して居住できるエリアとして人気です。
また旅行客も多いため、居住用としての需要だけでなく、観光客向けとしての需要も期待できるエリアですが、ナイトクラブやディスコ、バーなどがあるため、子供のいるファミリー層には敬遠されやすいというデメリットもあります。
2-2 アソーク~エカマイエリア
アソーク~エカマイエリアは、アパートやコンドミニアムが多く、ナーナー~アソークエリアと比べてさらに居住に適したエリアと言えます。日本のスーパー、日本食のレストランなども多く、現地の日本人学校へのバスの送迎もあるため、バンコクの中では日本人の居住が最も多いエリアです。
特にスクンビット通りを挟んだ北側のプロンポン駅からトンロー駅間の人気が高いのですが、新しい物件の供給はほぼありません(2020年1月時点)。そのため、賃貸の需要に対して物件の供給数が少なく、家賃が他のエリアと比べて高いのが特徴です。
2-3 エカマイ~オンヌットエリア
エカマイ~オンヌットエリアは、ナーナー~アソークエリア、アソーク~エカマイエリアよりも開発が進行しておらず、日本のスーパーや日本食のレストランなども多くありません。しかし、近年オンヌット駅周辺の開発が進んで高層コンドミニアムが増えていることから賃貸需要の増加が期待されています。
他の上記地域と比べて家賃相場が低いため、家賃収入自体は少なくなりますが、バンコクの中心地までは電車で2~3駅と近く、次の投資先エリアとして注目されているため、賃貸需要は高いと見られます。また家賃の上昇や資産価値の上昇による売却益も期待できるでしょう。
2-4 オンヌット以遠
オンヌット以遠は、大型商業施設や巨大ショッピングモールが建設されており、居住環境が優れているエリアです。今後さらに開発が進むことによって、賃貸需要や資産価値の上昇が予想されるため、家賃の上昇による収入の増加や売却益も期待できます。
オンヌット以遠のウドムスック駅やベーリグ駅周辺ではコンドミニアムの建築が進行中で、タイ人からの需要が上昇しています。さらに開発が進むことによって、海外企業の駐在員の需要の増加が期待されるため、不動産投資に適しているエリアと言えるでしょう。
3 バンコクで不動産投資を始める際の注意点
バンコクでは、安定した需要が期待できるだけでなく、開発の進行や需要の上昇によって、家賃収入の増加や売却益も見込むことが可能です。しかし、これらの魅力があるバンコクの不動産投資ですが、メリットだけではありません。
例えば2020年1月現在、タイでは外国人が土地を購入する、所有するといった行為は認められていません。そのため、外国人がバンコクで不動産投資を行う場合は、コンドミニアムと呼ばれる日本のマンションのような物件の購入に限られています。
またコンドミニアムの購入に限られていると言っても、1棟全部購入できるわけではありません。1棟のコンドミニアムに対して外国人が所有できるのは49%までとあらかじめ制限されているので注意が必要です。
また、タイで不動産を購入する際には、資金源の証明が求められます。タイ国外から外貨で送金を行うと、送金先の金融機関から外貨送金証明書が発行されます。この証明書が取引に必要になるため、しっかり保管しましょう。
3-1 バンコクの情報に詳しい不動産会社に相談する
しかし、これらの注意点は、政権の交代などによって大きく変わる可能性があります。そのため、つど新しい情報を仕入れる必要がありますが、個人がバンコクの最新情報を常に手に入れることは容易ではありません。
そこでおすすめするのが、バンコクの情報に詳しい不動産会社に相談することです。日本においても、バンコクに自社物件を建築している不動産会社もあれば、現地と連携して物件を仲介している不動産会社もあります。
不動産会社主催のセミナーに参加すれば、バンコクの不動産投資の最新事情を手に入れることも可能です。まずはセミナーに参加することから始めてみることをおすすめします。
4 まとめ
安定した需要が期待できるだけでなく、資産価値の上昇によって売却益も期待できる海外不動産投資。しかし海外不動産投資と言っても、投資先は数多くあるため、どの国に投資すべきか分からない方も多いと思います。
タイの首都バンコクは、政治・経済・文化の中心地で、日本企業を含む海外企業も数多く進出しており、現地の人たちだけでなく駐在員による需要も期待できる人気の都市です。また、経済発展の期待が高いことから、資産価値の上昇による売却益にも期待できます。
しかし、バンコクでは、外国人の不動産所有に対して独自の制限が設けられています。これらの制限を理解しながら不動産投資を行うには、バンコクの不動産投資情報に詳しい不動産会社に相談するのが効率的です。プロに相談しながら、自分に合う国をしっかり選んで不動産投資を始めましょう。