不動産投資に興味がある方であれば、「タイムシェア」という言葉、聞いたことがあるはず。特定の不動産を、全期間所有するのではなく、一定期間に分割して、複数名で共同所有するスタイルです。ハワイに毎年通うリピーターの間では、このタイムシェアが大人気。「ホテル宿泊」と「別荘購入」の中間ぐらいにある「タイムシェア」。その仕組みとメリット、購入方法、利用方法について、本記事ではご紹介します。

1  ハワイで人気の 「タイムシェア」とは?

「タイムシェア」とは、特定の不動産を「1週間単位」で購入するスタイルのことを指します。リゾートマンションなどで、このタイムシェアはとてもさかん。ホテル宿泊や別荘所有に次ぐ第三の選択肢として選ばれています。

仕組みはこうです。タイムシェアは、通常の別荘の購入と同じように、不動産を購入します。しかし、年間52週分に分けた上で、1週間ずつ購入できる点が大きなポイント。1週間単位であれば、5口で5週間といった購入の仕方も可能です。購入した不動産を、「常に所有する」のではなく、「購入した期間だけ所有する」ことになります。つまり、不動産を小口で共同所有するイメージです。

このシステムは、「バケーション・オーナーシップ」とも呼ばれ、ハワイのほか、ラスベガス、フロリダ、バリなどの高級リゾート地を中心に、注目されています。全世界で年間1兆円以上もの売上があると言われ、ひとつの産業として巨大マーケットを形成しています。

販売元として有名なのは、皆さんもご存知の高級ホテルチェーン「ヒルトングループ」「マリオットグループ」「アウラニ・ディズニー・リゾート」など。高級ホテルチェーンが手がけた、豪華で広い部屋を、共同所有により通常よりも安く利用できることから、高い人気を誇っています。

1-1「フィックス(固定週)」と「フロート(浮動週)」から選べる

タイムシェアの購入方法は、「フィックス(固定週)」「フロート(浮動週)」の2パターンから選べます。「フィックス(固定週)」は、年間のうち毎年決まった週を購入するパターンです。お医者さんや学校の先生など、仕事の関係で旅行に行けるスケジュールが毎年固定している方にオススメ。ホテルが取れにくいハイシーズンに、確実に宿泊先を確保したい方たちにも選ばれています。

一方、「フロート(浮動週)」は、その逆です。週を固定するのではなく、利用したい週に都度予約を入れるパターンです。柔軟に休暇を変更できる方や、色んな時期に滞在したい方たちから選ばれています。さらに、「毎年」ではなく「隔年」で購入するパターンもあります。

1-2「ポイント制」により、他のホテルやリゾートと交換可能

タイムシェアには、「毎年同じ場所だとつまらない」という声を反映して、ポイント制が設けられています。ポイント制の導入により、提携する他のホテルやリゾートと交換ができる仕組みになっているのです。

たとえば、ハワイの物件でタイムシェアを購入した場合であっても、それを世界各地や日本国内のホテル・リゾートと交換して利用することが可能です。つまり、ハワイに毎年行かない人でも、旅行好きな方であれば、十分活用できるシステムだとも言えます。「今年はハワイ、来年はラスベガス」といったセレブな使い方をする方も多いようです。

2  「タイムシェア」の<3つのメリット>とは?

タイムシェアの仕組みは理解できたものの、ホテルやコンドミニアムへの宿泊と比較して、何がメリットなのかが分からない、という方も多いでしょう。次に、タイムシェアを購入するメリットについてご紹介します。

【メリット1】コスパがいい!

タイムシェアの物件は、ホテルのような短期間宿泊用ではなく、住むために設計された部屋です。そのため、広々とした部屋が特徴。キッチンはもちろん、洗濯機、電子レンジといった基本的な家電が備え付けられた部屋もあります。まさに、「住むように滞在できる」物件だと言えるでしょう。

気になる金額は、立地やグレードによって幅がありますが、だいたい1部屋の平均価格は200万円から500万円程度。つまり、車一台分ぐらいの金額で、ラグジュアリーな部屋を年間1週間使える権利を取得できるのです。ハワイのデラックスホテルは、だいたい1泊3万円以上するため、1週間の滞在だと、1回の旅行につき宿泊費は20~30万円になります。そう考えると、タイムシェアはコスパがいいのではないでしょうか。

【メリット2】相続・贈与、販売できる!

タイムシェアは小口ではあるものの不動産として購入するため、不動産登記が行われます。一度、購入してしまえば、永続的に自分の所有です(期間の定めがあるプランもあり)。そのため、自身が使わなくなった場合は、子供や孫に相続、あるいは贈与することも可能。また、タイムシェアの中古市場もあるため、不要になった場合は売ることもできます。自分たちが十分満喫したら、「次の代へ」「次の人」へとバトンタッチできる点も、魅力のひとつだと言えるでしょう。

【メリット3】「ハワイに別荘」というステータス!

タイムシェアという形態であっても、ハワイに不動産を保有していることに何ら違いはありません。高級リゾート地として日本人に大人気なハワイに、別荘を持っている満足感は他には代えがたいもの。しかも、ヒルトンやマリオット、ディズニーなど、誰もが知るブランドを冠した物件を入手できるのだから、高級車を持つより高いステータスを得られるかもしれません。あなたも、「ハワイに別荘を持っている」と言ってみたくありませんか? 

3 「タイムシェア」を購入・利用する方法

タイムシェアの購入をぜひ検討したい、そんな方に購入方法をご紹介します。ハワイでタイムシェアを展開している主な会社は、「ヒルトン・グランド・バケーションズ」「ディズニーバケーションクラブ」など。この2社が2強ではないでしょうか。だいたいの流れは2社とも同じで、以下の通りです。

【1】資料請求・説明会に参加する

まずは、タイムシェアを販売している会社からしっかり情報を集めましょう。簡単に資料請求ができますし、説明会も頻繁に実施されています。説明会に参加すると、専任の担当が丁寧に質問に答えてくれ、収入やライフスタイルに合わせた提案もしてくれます。購入予定物件に泊まってみたい場合は、体験宿泊に参加することも可能です。

【2】内容に納得すれば、契約・支払い

日本で不動産を購入する場合と同じで、契約内容を検討し、納得できれば契約を行います。ハワイの不動産を購入するため、契約書は英語表記です。ただし、日本語を話せる担当者が間に入って、丁寧に説明してくれる場合がほとんど。契約後、初期費用の支払いを行います。支払いには、振込・クレジットカード・ローンなど、いくつか選択肢が用意されています。

【3】不動産登記が完了すれば、利用スタート

ハワイ(アメリカ)での不動産登記に必要な書類を提出し、登記が完了したら手続きは終了です。その後、オーナーカードが送付され、届いたその日からあなたもオーナーです。さっそく、旅行の計画を立ててみましょう。予約方法は契約の種類にもよりますが、フィックス(固定週)なら予め決めた週に行けますし、フロート(浮動週)なら自分の行きたい週に予約を取得します。日程が決まれば、いざハワイへ!大好きなハワイで、住むように滞在できます。

4  まとめ

いかがでしょうか。ハワイリピーターなら、タイムシェアで現地のリゾートマンションを購入して滞在するのもひとつの手ではないでしょうか。ただし、初期費用のほかに維持費が必要だったり、ハイシーズンは予約が取りづらかったりと、いくつか注意点はあります。興味がある方は、説明会に参加して、活用できるかどうかをしっかり判断した上で、購入するか否かを決めることをおすすめします。