海外不動産購入者の趣向として、主に、「キャピタルゲイン(購入した物件を販売する事によって得れる利益)」を狙って、不動産購入を行う方が、比較的に多いです。キャピタルゲインを得る為に重要な考え方が、「GDPの上昇」です。GDPが上昇している(上昇トレンドが続いている)事よって、国の経済発展が見込まれ、それによって、一度購入した物件の価格上昇も期待でき、最終的にキャピタルゲインを得られる可能性が高くなると予測する事ができます。本記事では、GDPについてと、各国のGDPの比較とそれらに数値に対してどのような見解が得られそうか?という内容を記載しています。
1 GDPの説明
1-1 GDPとは「国内で生み出されたサービスや商品の付加価値の総合計」
GDPとは、GDP(Gross Domestic Product)の略称です。日本語ですと、国内総生産と呼ばれるものになります。GDPを一言で説明すると、国内で生み出されたサービスや商品の付加価値の総合計となります。
例えば、カフェ屋さんの場合、1杯100円のコーヒーを生産した時に、コーヒーの値段から、原材料や、間接費等の中間投入額を全て差し引いたものが、GDPとなります。
また、GDPの重要な要素が、「名目GDP」と「実質GDP」の2つの種類があります。
名目GDPは、当年における、純粋な生産を表したものになります。
それに対して、実質GDPとは、名目GPDから物価の違いを差し引いたものになります。
また、ある国が「インフレか?」「デフレか?」を判断する場合、
下記のような式を用いて、「1以上だったら、インフレ」で「1以下だったらデフレ」であると判断する事も可能です。
GDPデフレーター=名目GDP/実質GDP
1-2 名目GDPの求め方は「民間の消費+民間の投資+政府の支出+(輸出-輸入)」
先の説明により、実質GDPは、名目GDPから物価を差し引いたものを分かりました。
つまり、名目GDPが分かれば、実質GDPも分かる事になります。
名目GDPの求め方は、下記の計算式で表すことができます。
・GDP=民間の消費+民間の投資+政府の支出+(輸出-輸入)
重ねての説明となってしまいますが、上記の実質GDPの計算式に対して、インフレなどの金額を差し引いたものが、実質GDPになります。
大体、民間の消費が60%くらいを占める事になりますので、GDPが成長しているという事は、国民の消費活動が活発になっている事がある程度予測できる事となります。
2 世界のGDPの比較
2-1 名目GDPの国別ベスト10
下記は、GDP(名目)の総額ランキングのベスト10になります。
データは、2018年度のデータとなり、参照はIMFより取得しています。
1位:アメリカ:20,580,250(百万US$)
2位:中国:13,368,073(百万US$)
3位:日本:4,971,767(百万US$)
4位:ドイツ:3,951,340(百万US$)
5位:イギリス:2,828,833(百万US$)
6位:フランス:2,780,152(百万US$)
7位:インド:2,718,732(百万US$)
8位:イタリア:2,075,856(百万US$)
9位:ブラジル:1,867,818(百万US$)
10位:韓国:1,720,489(百万US$)
ご覧頂いている通り、先進国が名を連ねていますね。海外不動産というと、キャピタルゲインの印象がありますが、GDPの金額が大きいというのは、必ずしも、キャピタルゲインを得るののに対して、当てはまるとは言えないかも知れませんね。
※1 IMFより
2-2 名目GDPの成長率国別ベスト10
下記がGDPの成長率のランキングです。
先程の、GDP総額とはうってかわって、アフリカとアジアの発展途上国が大部分を締めていますね。
1位:リビア:17.879(%)
2位:エリトリア:12.19(%)
3位:ルワンダ:8.61(%)
4位:アイルランド:8.30(%)
5位:バングラデシュ:7.93(%)
6位:エチオピア:7.71(%)
7位:カンボジア:7.53(%)
8位:モルディブ:7.51(%)
9位:コートジボワール:7.43(%)
10位:アンティグア・バーブーダ:7.39(%)
ちなみに、1964年の東京オリピック周辺の日本では、GDP成長率が10%を超えていました。
「あの時の日本でもし、不動産を買っていたら、、、、」と考えると、上記の国々は、キャピタルゲインで収益を得るポテンシャルが高いといえるかも知れません。
2-3 1人あたりの名目GDP国別ベスト10
下記が1人あたりのGDPのランキングです。
1位:ルクセンブルク:115,536(USドル)
2位:スイス:83,162(USドル)
3位:マカオ:81,728(USドル)
4位:ノルウェー:81,550(USドル)
5位:アイルランド:78,335(USドル)
6位:アイスランド:74,515(USドル)
7位:カタール:70,379(USドル)
8位:シンガポール:64,579(USドル)
9位:米国:62,869(USドル)
10位:デンマーク:60,897(USドル)
前出しました、GDPの総額や、GDPの成長率とも、異なった国々が並んでいますね。1人あたりのGDPに関しては、単純に国の生産性が高いということを示しているというよりも、租税国家であったり、その国そのものの、生産性や成長ポテンシャルに直結しない場合が多く当てはまりそうです。
3 まとめ
海外不動産投資をGDPを活用しながら判断する場合、
・GDPの大きさは、比較的、キャピタルゲインよりも安定収益寄りの投資に向いている傾向にある
・GDPの成長率の大きさは、キャピタルゲインを狙う投資に向いている傾向にある
といえるかも知れません。
GDPの他にも、人口動態など、マクロ数値を用いて最適な投資国を選ぶ方法はありますので、様々な数値を比較しながら、判断することをお勧め致します。