人口に対し住宅供給が追いつていないと言われるフランス。住宅価格の上昇が続いていることに加え、人口も増加傾向にあります。このため、引き続き不動産需要は高まると見られ、不動産価格が大きく下落する可能性は非常に低いと言えるでしょう。

今回は、そんなフランスにおける不動産購入に興味がある方のために、フランスの不動産市場の概要から、知っておきたい規制や制度、取得にかかる費用などを解説していきます。

フランスの不動産市場とは?日本とは異なる価値観も


日本の不動産市場では物件の築年数が資産価値に大きく影響すると考えられています。財団法人東日本不動産流通機構によると、実際に首都圏中古マンションの平均価格が築0~5年で4,045万円だったものがその後、築26~30年にもなると1,650万円になり、その不動産価値はほぼ半分になったことがわかりました(2010年)。

一方、フランスの不動産市場では中古アパートでも同一地区の物件であれば、20年の築年数が経てども資産価値が半減するようなことはほとんどありません。物件広告の情報としても築年数は重視されておらず、記載されていないことが多いのもうなずけます。

フランスで不動産を購入する際、購入者は売却時に購入金額の大半を取り戻すことができると考えており、一生のうちで複数回の住宅替えも珍しいことではありません。家族が増えたり、職場が変わったりというライフスタイルに合わせて不動産を取得するという考え方が根付いているのです。

不動産売買の市場が安定していることはもちろん、築年数の経過による資産価値の低下はほぼ皆無。さらに、フランスは歴史的な背景からも公的証書の管理や公証人制度が非常にしっかりとしているため、安心感をもって不動産投資ができる国と言えます。

フランスで不動産を購入する外国人が知っておくべき規制


では、築年数を気にせずに不動産を購入することができるフランスで、私たち外国人でも不動産を購入することができるのでしょうか?

はい、大丈夫です。フランスでは原則自由に、土地や不動産を外国人でも所有することができますので検討してみる価値は大いにありそうです。

また、公証人議会のレポートでは、フランス全土で交わされた契約のうち外国人が占める割合は6%程度(2006年~2016年)と、数年前までは外国人による投資は少なかったものの、その割合は徐々に高まり8.2%まで上昇しています。とは言え、それでも少数派であることに変わりはなく、フランス不動産市場は圧倒的にフランス人が占めているのが現状です。

フランス不動産を取引する際の制度


次に、フランスで不動産を購入する際の制度やシステムについて解説していきましょう。

フランスでは、物件購入の正式な契約締結前に事前契約を交わすのが一般的です。この契約にはクーリングオフ制度が設けられており、締結から7日間以内であれば取り消しが可能。事前契約確定後に買主は不動産業者、もしくは公証人に対して購入価格の5%~10%のデポジットを支払います。

また、売主は買主へ物件に関する診断書を作成し情報提供を契約前に行わなければなりません。その診断書には消費電力量や電気系統やガス管の状態、建築材内の石綿の有無などが記載されています。

この診断書と買主の戸籍謄本や身分証明書類は、買主の公証人に提出します。公証人は本契約までに物件を調査。名義変更や登記などの法的手続きも行っていきます。

一方、買主は仮契約書をもとに銀行ローンの手続きなどを行い、仮契約後に公証人からクーリングオフ期間の証明書を受け取ります。

フランス不動産の購入に欠かせない公証人制度


フランスにおける公証人は不動産売買に無くてはならない存在です。不動産売買における物件の調査や登記手続きを代行してくれます。公証人の選択は買い手に優先権があり、買い手が問題ある物件を購入するリスクを防ぐことができるなど非常に有効な制度となっています。

公証人への謝礼費用は物件価格の1%程度。購入したい物件が見つかり、売り主と金額が合意しとなった時点で公証人を選びます。

フランス不動産取得にかかる費用


不動産を取得する際には、不動産取得税をはじめ、登記税、県税、市税などの費用がかかりますが、これは「公証人費用」と呼ばれ、公証人が一括して支払います。この費用は本契約時に支払うもので、物件価格の約7%が目安となっています。

続いて、不動産取得後にかかる費用についても見ていきましょう。

管理費

例えばパリ市では不動産などの建物を管理会社が管理しています。管理会社は、3か月ごとに各戸に管理費を請求します。内訳は、建物の維持、清掃費、管理人の給与、水道代など。セントラルヒーティングのシステムがある場合は暖房費も含まれます。

固定資産税

1年に一回、国から固定資産税の支払い請求が送られてきます。税金は地域や物件によって異なります。

住宅保険

水漏れや火災などを網羅する住宅保険。物件の購入と同時に加入します。

住民税


自分で住居として使うために購入した不動産の場合は住民税を支払います。金額は、その地域や、不動産の広さ、家族構成、収入などによって異なります。

建物共用部分の工事費

外壁清掃、共有部分のペンキ塗り、屋根の雨漏りなどの工事が行われる場合、全建物の面積に応じて工事費を負担します。

まとめ


今回はフランスの不動産市場の概要から、知っておきたい規制や制度、取得にかかる費用などを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

フランスでは不動産価値の下落リスクが少ないうえ、売買市場も活発。さらに公証人制度がしっかりしているため失敗などのリスクも少ないと言えるでしょう。

SEKAI PROPERTYでは、現地のデベロッパーや不動産エージェントと提携し、いち早く正確な情報を提供できるほか、現地日系企業とも複数提携しており常に新しい情報を入手することができます。フランスの不動産投資を検討している方はお気軽にお問い合わせください。

エリカ・ド・ラ・シャルモント/Erika de la Charmante
英国在住後フランスに長年在住している日本人女性。夫はフランス人。フランスに複数の不動産を所有し、サイドビジネスとして賃貸業も手掛けています。日本人的な視点を尊重しながらフランスの視点も取り入れ、フランスのお薦め不動産物件やフランスの移住方法など日本の皆様に詳しくご紹介してまいります。