オーストラリアのコンドミニアムとは、日本人の感覚でいうと数日単位で滞在できる高級マンションといったところです。短期滞在の旅行者やビジネスパーソンが多く利用することで知られており、ベッドルームとリビングルーム、キッチンも付いているため料理もできます。
ゴールドコーストやケアンズなどの観光地で利用したことのある人もいるでしょう。観光地ばかりではなくて都市部にもあり、購入するときにはどういった用途で使用するのかを明確にしておく必要があります。
オーストラリアのコンドミニアムを購入するメリットとデメリット、おすすめのエリア、そして同国での不動産取引における注意点を解説します。
オーストラリアのコンドミニアムを購入するメリット
不動産の購入資格が明確
日本に住みながらオーストラリアへ不動産投資を行う場合、「非居住者」による不動産の購入となります。非居住者は、必ずFIRB(外資投資審議会)の許可を得なければなりません。また、不動産売買についての情報は政府への報告義務があります。
このように、情報公開による透明性の確保が徹底されているため、不動産の購入資格は常に明確です。手続きに入った後に、実は購入資格がなかったなどということは起こりません。さらに、不動産売買が比較的オープンな環境で情報交換が行われているのも大きなメリットでしょう。
不動産の登記システムに信用がおける
FIRBの許可を受けても、非居住者は購入できる物件に制限があります。設計・建築段階の新築物件であることや、ビザ期限が終了するときに物件を売却しなければならないなど、一見、理不尽なようにも思える条件です。
しかし、不動産売買の取り引きが完了してその物件の所有者が買主に移れば、登記簿には買主の名前がきちんと記されることになります。日本人の感覚でいえば当たり前のことでしょうが、たとえば外国人の土地・建物の購入に対して、厳しい制限を設けている東南アジア諸国などではその限りではありません。土地を購入したはずが、登記簿には別人の名前が記載されているといったことも心配しなければならないのです。
オーストラリアでは、弁護士の仲介のもとで、しっかりと土地や建物の所有権が移されるため安心できます。
贈与税・相続税がない
オーストラリアのコンドミニアムは、古くなればリフォームを行って、長期間資産として価値を保つというのが一般的です。そのうえで、贈与税と相続税が課税されないため、親子間での譲渡・相続に適しています。
日本のように、新築で家を建てても、できあがった瞬間から資産価値が減っていくといった心配があまりいりません。不動産投資で利益を上げるだけでなく、相続財産としても考えることができます。
オーストラリアのコンドミニアムを購入するデメリット
不動産市場の動向が読みにくい
オーストラリアの不動産価格は昨年まで順調な上昇を続けてきましたが、2018年5月にはここ6年間で初めて対前年比で低下することが分かりました。全国平均では0.4%の値下がりとなっており、特にシドニーやメルボルンなどの大都市圏での価格低下が顕著です。ただし、パースやブリスベンなどの都市では価格の上昇が見られます。
こうした状況から、シドニーやメルボルンの住宅価格の落ち込みが他の地域にどのような影響を与えるのか、そしてこの下落局面がいつまで続くのかは読みにくいといえるでしょう。市場の動向が読みにくいのは不動産投資のデメリットとなります。
コンドミニアムは高価格帯の物件
オーストラリアのコンドミニアムは高価格帯の物件です。非居住者の不動産投資には制限もあるため、一度に何件ものコンドミニアムを購入することには無理があります。そのため、投資の仕方によってはリスクヘッジがしにくいというデメリットもあるでしょう。
コンドミニアムは観光地にも都市部にもあります。投資物件で賃貸収入を得ようと考えるならば、その立地や設備などを厳しくチェックしなければならないでしょう。観光客に貸すのか、それともビジネスパーソンに貸すのかでは、ビジネスモデルに大きな違いが出てきます。
海外不動産投資には為替リスクも
日本に住みながら海外不動産に投資する場合、為替変動によるリスクについても知っておく必要があります。オーストラリアの不動産に対して決済をするとき、オーストラリアドルの価値が上がると、日本円で用意していた資金では足りなくなるかもしれません。
為替変動による資金不足は、不動産投資の計画を崩してしまう可能性もあります。そういった事態を避けるためにも、オーストラリアドルを初めとした為替の動きをチェックしておきましょう。
コンドミニアムを選ぶのにおすすめのエリア
500万人都市シドニー
オーストラリア最大の人口を有するシドニーは経済・金融の中心地であり、日本からも多くの観光客が訪れる観光都市です。住宅価格は同国でもっとも高い水準を推移しています。
中心地のシドニーCBDとその近郊であるNew TownやMarrickvilleが住むのに人気のエリアとなります。日本人が多く住んでいる北部エリアのNorth SydneyやChatswoodなどは、中心部と比べると家賃や住宅価格は下がりますが、治安がよく、ビジネスと居住のバランスがとれた街のためおすすめできるエリアです。
住みやすさ世界No.1メルボルン
オーストラリア第2の都市メルボルンは、イギリス誌「エコノミスト」が行っている「世界で最も暮らしやすい都市ランキング」で7年連続1位です。都市のインフラが整備されており、治安がよく、医療のレベルも高いなど、住みやすさの条件を高いレベルで満たしています。
住宅価格に関してはシドニーに次いで国内2位となっており、現地の人でもマイホームを持つのは大変そうです。交通の便にすぐれた中心街CBDやSouth Yarraは、家賃や住宅価格が高い人気の地区となっています。
最大の観光地ゴールドコースト
ゴールドコーストはオーストラリア最大の観光地です。美しいビーチをはじめとした豊かな自然が魅力で、1年中過ごしやすい気候なのも人気の理由でしょう。
ゴールドコーストには観光客向けに多くのコンドミニアムがあります。プールやトレーニング施設が完備されていることもあり、立地、設備、サービスなどで差別化を図っているのでしょう。不動産投資には魅力的ですが、競争が激しいエリアでもあります。
のコンドミニアムを購入する際の注意点
居住形態をしっかり確認
日本からオーストラリアの不動産に投資をする場合は、非居住者になります。永住権を所持している人とは不動産売買の制約がまったく異なるため、まずは居住形態をしっかりと確認してください。
非居住者が住宅を購入するにはFIRBの許可が必要になります。許可が下りた場合でも、非居住者が購入できるのは、原則として新築物件のみになるので注意しましょう。
地域の特徴をつかむ
購入を希望するコンドミニアムが、都市にあるのかリゾート地にあるのかで、選ぶときのポイントが変わってくることにも注意が必要です。都市のコンドミニアムは、ビジネスパーソンが短期滞在に利用することが多いでしょう。そのため、市街中心部に近く、交通の便がよいといった立地は強みになります。
リゾート地のコンドミニアムの場合、ゆっくりと休暇を楽しめるような設備を備えていることが大切です。広々とした室内空間や窓からの景観などもポイントになるでしょう。
信頼できるエージェントを確保
海外の不動産投資には信頼できるエージェントが欠かせません。物件選びから売主との交渉、各種手続きまで、それらすべてを個人で行うのは大変です。
コンドミニアムを所有した後で家賃収入を得ていく場合にも、不動産会社との契約は必要となります。現地でのノウハウや実績を持ったエージェントをしっかりと確保してから、不動産投資を始めることがおすすめです。
まとめ
オーストラリアのコンドミニアム情報について解説してきました。いかがだったでしょうか。世界的に高い人気を誇る都市を、いくつも抱えているのが同国の魅力です。
SEKAI PROPERTYは、現地のデベロッパーや不動産エージェントと提携しており、不動産購入の相談も受け付けています。オーストラリアのコンドミニアムへの不動産投資を検討している方はお気軽にお問い合わせください。