近年、目覚ましい経済成長を遂げている東南アジア諸国の中でも、新たな不動産投資国として高い注目を集めているベトナム。

しかし、外国人に不動産市場を開放してからまだ数年程度のベトナム不動産市場は、法整備がいまだ発展途上にあり、今まで合法だった事柄がある日突然変わる可能性も否めません。

このような状況下で頼りになるのは、現地の情報に精通した不動産エージェント。常に最新の不動産情報を収集しており、ベトナムの不動産購入規制に沿った不動産購入のサポートが期待できます。

今回は、ベトナムで不動産を購入する際に心強いパートナーとなってくれる、不動産エージェントを選ぶポイントのほか、注意点やエージェントへ支払う費用などについて解説していきます。

ベトナムの不動産会社・エージェントを選ぶ3つのポイントとは?


ベトナムで不動産を購入する際、物件を選ぶことはもちろんですが、エージェント選びの方がさらに重要かもしれません。エージェントには、物件の視察から契約、支払い、登記手続きのほか、その後の管理業務など様々な業務をお願いすることになるからです。もしかすると一生のお付き合いになるかもしれません。

続いて、エージェントを選ぶ3つのポイントを紹介します。

日本とベトナムでサポートが受けられる

ベトナムには日本とは異なる商習慣があり、日本では考えられないことが多く起こるため慣れないうちは戸惑うこともあるでしょう。言葉の壁などのリスクも考慮すると、やはり、日本人のことをよく理解している日系のエージェントがおすすめと言えます。

近年はベトナムでも日系の不動産会社やエージェントが増えており、日本的サービスの提供に努めている業者もあります。とは言え、不動産市場が発展途上の中にあるベトナムということで、広い心を持って様々な事柄を受け入れていく心構えは必要です。

良質なエージェントを見分けるために、まずオフィスに問い合わせてみましょう。もしそこのエージェントで海外不動産セミナーのようなものがあるなら、可能なら出席してみるのもよいかもしれません。説明を聞き、いろいろ質問をしていくなかで、会社やスタッフの質が見えてきますし、日本とベトナム両方でしっかりとしたサポートを受けることができるかどうかを見極めることもできるでしょう。エージェントの選択次第で、ベトナム不動産投資の成否は大きく変わります。

不動産事業を行う免許を持っている

ベトナムで不動産事業を行うためには、「不動産営業ライセンス」(日本の宅地建物取引主任者資格に相当)と「宅地建物ライセンス」(日本の宅地建物取引業免許に相当)のライセンスが必要です。

例えば、不動産エージェントは免許保持者が最低2名いないと開業できません。それ以上の人数が会社で働いている場合もありますが、そのうち2名が免許を取得していれば大丈夫です。ただし、各店舗には、最低1名の免許取得者がいないと営業できないことになっています。

売買・賃貸管理等の総合サポートがある

ベトナム不動産投資では購入時はもちろん、購入後の管理方法についても念入りにチェックしておくことが重要です。購入後は自分の居住用でなければ、現地に行く機会はそれほどないでしょうから、賃貸・管理までしっかりとサポートしてくれるエージェントを探して信頼できる関係づくりを築かなければなりません。

客付けも重要なことですが、ベトナムの場合は特に法的処理や税務処理などにきちんと対応できることも大きなポイントとなります。

ベトナム不動産会社・エージェントの注意点


無資格のエージェント

先述した通り、ベトナムで不動産事業を行うためには相当のライセンスが必要です。しかし、不動産取引の実態は個人間で行われていることがほとんんどで、無資格のエージェントも多数存在するため注意が必要です。

近年のインターネット普及にともない、ベトナムでも買い主と売り主をマッチングするようなシステムで、外国人のベトナムにおける不動産仲介業を支援するウエブサービスが出てきています。

このようなサイトは情報収集のために活用できる利点がありますが、実際に取引を行う際には、信頼できる有資格者がいるエージェントに依頼することをおすすめします。

物件の管理はオーナーが行うケースがある

ベトナムの不動産会社は客付けをメインにした業者が多く、物件の管理はオーナーが自ら行うケースが多いのが実情です。このためオーナーの立場が強く、一方的な解約や賃料値上げなどで入居者とのトラブルも少なくはありません。

ベトナムで不動産を購入し、運用するためには管理会社の業務は非常に需要です。このため、売買や賃貸管理等の総合サポートができるエージェント、日系の大手賃貸専門会社と提携しているような不動産会社を利用すると良いでしょう。

ベトナムの不動産・エージェントへ支払う費用


ベトナム不動産を購入する場合、日本ではまだ必要な情報が不足しているのが現状と言えるでしょう。このような状況の中で、買い手の立場になってコンサルティングやアドバイスしてくれるエージェントですが、どれくらいの手数料が発生するのでしょうか。参考例をあげてみます。

新規は売買金額の3%


ベトナム不動産の購入がはじめてという方は、情報提供から視察支援、投資判断支援、登記支援、法務支援などのコンサルティング&サポート料金としてエージェントへ支払う費用は、売買金額の3%を支払うケースがほとんどです。また、物件価格が1,000万円未満の場合は、売買金額の5%(税別)となることもあります。

転売は売買金額の5%

一方、ベトナムで所有している物件を売却したいと考えている方へのサポートとして、エージェントは転売市場の情報収集を行ったり、転売ネットワークの紹介などのサービスを提供します。このような場合は売買金額 の5%(税別)をエージェントへ支払う場合がほとんどです。

加えて、契約事務委託料は新規・転売共に6万円(税別)程度というところが多いでしょう。

賃貸のアドバイスは月額家賃 1ヶ月分 /回

ベトナム不動産を投資目的で購入される場合はもちろん、自己居住用でも長期間使用しない場合は賃貸に出すケースもあります。このような賃貸に関するアドバイスに対しては1回につき月額家賃 1ヶ月分で完全成功報酬を支払うケースがあります。

まとめ


今回は、ベトナムで不動産を購入する際に頼りにしたい、不動産エージェントを選ぶポイントのほか、注意点やエージェントへ支払う費用などについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

弊社では独自にベトナム不動産情報を収集しているほか、現地デベロッパーとの直接取引や、その他現地日系企業とも複数提携しています。ベトナム不動産に関して、 何かご不明点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。