ベトナム戦争終結までは「サイゴン」と呼ばれた、豊かな歴史と多彩な文化をあわせもつ街、ベトナム・ホーチミン。ベトナム最大の経済都市で、「東洋のパリ」とも称えられていた美しい街並みは、近年の経済成長と共に急激な変貌を遂げています。

特に不動産市場については外国人投資家からの注目度が高いほか、ロングスティをする人も増加傾向にあるという、ベトナム・ホーチミンの不動産事情について解説していきます。

ベトナム経済の中心地「ホーチミン」。在留邦人は9,464人!


ベトナム社会主義共和国における最大の経済都市である「ホーチミン市」は、東南アジア有数の世界都市で、市街中心部の旧称「サイゴン」の名前の方が有名かもしれません。ベトナム国民の父である『ホー・チ・ミン』氏の名前との混乱を避けるため、通常は「ホーチミン市」「ホーチミン・シティ」などと呼ばれています。

フランス統治時代の名残が残る街並みとともに、経済成長の影響による高層ビル郡、熱気と喧騒、活気に満ちたエネルギッシュなホーチミン市は、約842万人(2016年現在)の人口を擁するベトナム南部圏の中心として、ベトナムGDPの半分を占める経済を牽引しています。

日本からは本田技研工業をはじめ、パナソニック、三菱重工や日本航空などのほか、製造業や貿易業に携わる中小企業も進出しており、市内には日本のODAによる建築物も数多く目にすることができます。

また、日本の外務省領事局政策課が発表した海外在留邦人実態調査(平成30年要約版)によると、2017年10月1日時点でベトナムに在留している邦人数は前年比6.9%増の1万7266人。その中でも、在ホーチミン日本国総領事館に届出をしている人は前年比7.2%増の9,464人となっています。

ホーチミンの不動産の価格推移


次にホーチミンにおける参考不動産価格を見てみましょう。

ホーチミン市は19の区及び5つの郊外県に分けられており、日本人駐在員のファミリー層が多く住むエリアは7区。中心部より南側に位置しています。さらにこの7区の中でも「Tan Thuan Dong地区」は、サイゴン川沿い北側にある注目エリアで、ホーチミン市の中でも特に不動産価格が高騰している地域の1つです。

2012年には平米2,800万ドン(約13.6万円)だった土地価格も、その後、2015年に平米3,200万ドン(約15.5万円)、2016年は平米3,800万ドン(約18.4万円)、そして2017年になると平米4,200万~5500万ドン(約20.3~26.6万円)まで到達しており、過去5年間で約50%の上昇を示しています。

ホーチミンで不動産を買うのにおすすめのエリア


ホーチミンの都心部にあたる1区、 そして7区やビンタイン区(Binh Thanh)が人気の投資エリアとなっています。それぞれ詳しく見てみましょう。

ベトナム初心者にもおすすめ「ビンタイン区」

ホーチミンの1区と2区の中間に位置するビンタイン区。ベトナム生活をスタートするという方や中心街近辺に勤務されている方におすすめなエリアです。特に1区寄りは外国人が多く、外国人向けのサービスアパートが多数あります。また、1区と比較すると割安な高級コンドミニアムを見つけることも可能。

ビンタイン区から、タクシーを使えば日本人街のレタントン通りまでは約5分の距離です。日本人街では日本食や日本の物などが購入できます。

ホーチミン市には電車がないため、移動はタクシーやバイク、自転車、徒歩となります。勤め先や日本人街までの距離を考慮した場合、ビンタイン地区は便利なエリアと言えるでしょう。

ホーチミンの主要観光エリア「1区」

ホーチミンで生活するには一番便利な「1区」。 サービスアパートや高層ビルの他、商業・行政の中心地で、デパートやスーパー、日本人街などがあります。

中心街へのアクセスがよく外国人が多いおすすめエリアです。中心街近辺に勤務されている方にもおすすめです。

高級住宅街とローカル色が共存する「7区」

ホーチミンのおもな観光エリアである1区までタクシーで約20分の場所に位置する「7区」。外国人に人気のレストランや高級住宅街が広がる一方、ベトナムらしい下町風情が漂うのどかな町並みも共存しています。

日本人学校をはじめ、韓国や台湾の学校があるため東洋系の外国人が非常に多いエリア。特に韓国人が多数住んでいる地域です。また、日本人学校があるため、日本人駐在員の多くも家族とともに住んでいるケースが多いエリアとなっています。

近年、急速に発展している地域で、コンドミニアムやオフィスのほか、ショッピングモールやデパート、スーパー、病院、ゴルフ練習場などがあり生活するにはとても便利なエリアです。

ベトナムで外国人が不動産を購入する際の規制


ベトナムの不動産市場は2015年に大きな法律改正があり、それ以降は外国人の不動産購入が解禁になりました。外国人への市場開放から3年余りと、まだまだ開拓の余地も多く残されており、世界中の投資家から熱い注目を集めています。

では、そんなベトナムで不動産を購入する際の外国人に対する規制を見ていきます。

必要書類

ベトナムの不動産購入の際にはベトナム現地での手続きが必要なため、有効なパスポートが必要です。

コンドミニアム総戸数の30%まで所有可能

外国人による所有制限はコンドミニアム1棟につき全戸数の30%まで。 一方、戸建て住宅の場合は1街区につき250戸までという制限があります。

外国人による所有期間は50年間

外国人がベトナムの不動産を所有できる期間は50年間限定。ただし、1回に限り更新が認められているため、さらに50年間の延長が可能です。このため最大100年間の所有が可能になります。

賃貸収入は得ることが可能

外国人でも賃貸物件として家賃収入を得ることができます。しかし、法人名義での購入した物件は賃貸に出すことが禁じられているため、投資目的で物件を購入する場合は個人名義がおすすめです。

中古物件は原則購入できない

外国人の中古物件購入はできません。ただし、外国人所有の物件であれば、所有期間を引き継ぐという方法で中古物件の購入も可能になります。

まとめ


今回はベトナム・ホーチミンにスポットを当て、不動産価格推移やおすすめの投資エリア、購入規制などの不動産事情を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

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