シンガポール北東部のプンゴル地区で、現在住宅開発庁(HDB)によりBTO方式(受注建築)のプロジェクトが進められている。9月に販売が開始される「Punggol Point Crown」と「Punggol Point Cove」は、2,724件のフラットからなるプロジェクトで、完成は2024年を予定している。プンゴル地区の特徴や歴史を活かしたデザインが注目されている。

「Punggol Point Crown」は、昔この地区に存在した動物園からヒントを得たデザインとなっており、「森」や「草原」といった自然をモチーフとした5つのゾーンに分けられている。案内板や公共スペースなどには、かつて動物園で飼育されていた動物たちがデザインに使用されるという。

戦前、娯楽のひとつとして現地の人々や海外観光客に人気があった「The Ponggol Zoo」は、200種類の動物と2,000種類の鳥を飼育し、南アフリカやアメリカ、オーストラリアからの珍しい動物も見ることができた。しかし第二次世界大戦が始まると、英軍がシンガポール北部を占領、動物園があった場所を拠点としたため、移転を余儀なくされたという過去がある。

シンガポールで初めてとなる今回の動物をテーマとしたプロジェクトでは、「The Ponggol Zoo」の活気に満ちた歴史を住民と共有することが目的の一つとなっている。

一方の「Punggol Point Cove」は、かつてプンゴル地区が質素な漁業の町であったことに由来し、漁で使用する網や波などの海に関連する要素が盛り込まれるという。ブロックごとに中庭が設けられ、また10階にある一連のスカイブリッジで各ブロックをつなぎ、地域住民の交流が可能な作りとなっている。

昨年HDBがプンゴル地区で手掛けたプロジェクトは2,112件に上り、ほぼすべてのフラットが完売している。プンゴルタウンは11の地区で構成されており、内7地区は海沿いの地区となっている。

【参照】HDB to launch BTO projects in Punggol inspired by early zoo, fishing village

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セカイプロパティ編集部
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