クアラルンプールやペナン、ジョホールバルといったマレーシアの都市が、定年後の居住地として香港の人々の間で人気を博している。供給過剰となっているマレーシア不動産市場で、その手ごろな価格が多くの人々を惹きつけているようだ。

6月初旬に発売されたジョホールバルのコンドミニアムは、数日のうちに21あるユニットの半数以上に買い手がつき、バイヤーの多くは香港人であったという。(価格:HK$787,331〜HK$227万=約1,080万円〜3,110万円)

ジョホール州における住宅の中間価格は、35万リンギット(約900万円)程度である。対する香港は、マレーシアの平均間取りよりもかなり小さい物件でも6倍以上の値がつく。その他の東南アジアの都市と比較しても、ジョホールバルの不動産価格はかなり安いといい、バンコクの半額、シンガポールに至っては1 / 20の価格で物件の購入が可能だ。

しかし住宅市場では供給過剰が続いており、今後の価格上昇の見込みは薄いという。実際に昨年第3四半期における住宅価格上昇率は、2010年以来の最低水準を記録しており、供給過剰への懸念の表れとも言えるだろう。

2018年に買い手がつかなかったユニットは、マレーシア全土で約32,000件(199億リンギット=約5,145億円)に上った。中でもジョホール州は、最多の6,066件が売れ残ったという。また、現在のジョホール州における高層アパートメントの入居率は、50%ほどにとどまっており、新築物件については30%以下まで落ち込むとも見られている。

2013〜2014年には高層住宅プロジェクトが数多く進められたが、2014年の終わりごろから高層アパートメントにおける認可は凍結されている。今後しばらくは新規開発のペースが抑えられるため、入居率や物件価格がこれ以上下がる心配はないと見られている。

【参照】Hong Kong investors snap up affordable property in Malaysia with an eye on retirement

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セカイプロパティ編集部
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