海外銀行での資産運用をお考えなら、トルコの銀行口座への預金がおすすめです。トルコは世界的に見ても金利が非常に高く、利息収入によるインカムゲインを狙う方にとっては注目の国です。政治経済の安定性も不安視されていますが、地政学的にも経済成長のポテンシャルが高いことも事実です。

本記事ではトルコで口座開設するメリットとリスク、最新の金利情報から高金利なトルコでの銀行口座の開設方法までまとめました。トルコの銀行での利息収入に興味のある方はぜひ参考にしてみて下さい。

トルコの最新金利と推移

トルコは国が設定する政策金利と、民間銀行の普通預金・定期預金金利の両方とも非常に高いです。

政策金利に関しては2025年2月現在では45%となっており、これは昨年からトルコ政府の経済政策によるもので、以下のグラフから見てもわかる通り急激に金利が引き上げられています。

トルコの政策金利推移

【出典】外為どっとコム

民間銀行の金利も非常に高いです。銀行によって多少の違いはありますが、トルコで代表的な大手銀行の定期預金金利をまとめました。ただし、以下の金利は全てトルコリラでの積み立てに適用される利率です。

銀行名定期預金金利
Ziraat Bank(ジラート銀行)33%(1年間)
Türkiye İş Bankası(トルコ興業銀行)38.5%(約1ヶ月)
Garanti Bank(ガランティ銀行)41%(1ヶ月~半年)

トルコの金利が高い背景

トルコの経済政策

ご紹介の通りトルコの金利は世界的に見ても非常に高いことがわかります。

ここ数年トルコの金利が高まっていた要因としては、国内のインフレ率の増加によるところが大きいものでした。物価の上昇を抑制するための政策金利の引き上げは米国も行っており、極めて一般的な政策といえます。

トルコの消費者物価指数推移

しかし直近数ヶ月間に関しては物価が下がっているのにも関わらず金利の引き上げを継続しており、トルコの経済政策の動向は世界から注目されています。

トルコリラの変動性

トルコリラはその金利の高さから変動性が高い通貨として知られています。

トルコはエネルギー資源等を外国からの輸入に頼っており、慢性的な貿易赤字を記録しています。また、海外資金の流入が激しいことによって世界景気や国際情勢に強い影響を受ける国です。

このような理由から歴史的にもトルコリラは相場の急騰及び急落を示すことが多々あり、一定のリスクがある通貨と言えます。

トルコの銀行口座開設によるインカムゲインを狙う方の多くは、トルコリラで資産運用する必要があるため、このような通貨の特性について理解しておくことをおすすめします。

トルコに銀行口座を開設するメリット

トルコに銀行口座を開設すると何がいいのか?まずはそのメリットを整理していきましょう。

金利が高く、多くの利息が受け取れる

トルコに銀行口座を開設する一番のメリットは、高金利による利息収入を狙えることです。

特に現地銀行の定期預金金利は30日〜45日の預け入れで41%と、世界各国の銀行と比較しても有数の金利の高さが魅力です。

また、政府が設定する政策金利も非常に高い水準で維持されており、今後もトルコ政府の経済政策から目が離せません。

モバイルアプリで家賃や公共料金を支払える

トルコへの移住を検討される方は、現地の銀行口座を開設することで家賃や公共料金の支払いをモバイルアプリで行えます。

トルコではオンラインバンキングや銀行の公式モバイルアプリが発展しており、ATMを利用せずともスマホで簡単に各種支払いを完結できます。

日本から国際送金が簡単にできる

トルコで銀行口座を開設すると、日本から現地への国際送金が簡単になります。

現地に実際にお住まいになる予定がある・もしくは現地に住む家族や法人への送金が必要な場合は現地の口座があると手続きがシンプルになります。

2025年現時点では、現地銀行口座からの外貨の引き出しや国際送金における制限がないため、送金したいタイミングで好きな額を日本とトルコの銀行間で移すことができます。

トルコに銀行口座を開設する方法

次にトルコに銀行口座を開設する方法についてご紹介します。メリットは多くても開設できなければ意味がないので、ここで必要な書類や手順をご紹介します。

一部の銀行では非居住者でも口座開設可能

トルコでは銀行口座開設の際に永住ビザや居住証明書を必要とする銀行も多いですが、一部の銀行は非居住者の口座開設も認めています。代表的な銀行にはZiraat BankやDeniz Bankが挙げられますが、口座開設手続きには現地への渡航が必要です。

パスポートと電話番号が必須

現地で外国人及び非居住者が銀行口座を開設する場合、パスポートとトルコの電話番号が必須です。その他重要な書類としては非居住者用課税番号(Turkish Tax Number for Non-Citizens)があり、こちらは事前に現地の税務署などでの申請が必要なことに注意しましょう。

普通・定期預金か外貨預金か選ぶ

口座を開設したい銀行を選び必要書類を準備した後、預金方法を選ぶ必要があります。一般的には普通預金と定期預金のどちらかを選びます。定期預金では決められた期間口座からお金を引き出すことが出来ませんが、その分高い金利が設定されており資産運用に適しています。

また、現地通貨(トルコリラ)か外貨のどちらで口座を開設すべきかも検討する必要があります。トルコリラは一定の通貨リスクがあるため、米ドルやユーロでの預金のほうが安全性が高いですが、その分金利は低くなります。

銀行によってはトルコリラでの口座開設のみを取り扱っている場合があるため、外貨での預金を検討されている方は事前に確認しておく必要があります。

トルコに銀行口座を開設する前に知っておくべきリスク

トルコで銀行口座を解説するメリットについて先にご紹介しましたが、想定されるリスクを理解しておくことも大切です。ここではトルコの銀行で口座開設するリスクについてご紹介します。

大手銀行は非居住者が口座開設できない

一部の例外を除き、トルコの大手銀行は非居住者の口座開設を許可していません。

特に政府系の銀行では外国人が口座開設することは難しく、非居住者は口座開設が可能な銀行の中から銀行を選ぶ必要があります。銀行選びについては多くの選択肢はないことに留意しておきましょう。

経済・情勢が不安定

トルコは政治経済上のリスクが高い国でもあります。大胆な金融緩和政策により近年は国内の株価が急上昇している一方、通貨安やインフレもかなり加速しています。

地政学的にヨーロッパ・中東・北アフリカの交差点に位置するトルコは交易やビジネスにおいても成長のポテンシャルを評価されていますが、極端な経済政策による経常赤字の拡大が深刻な問題を引き起こす可能性も否定できません。

政策金利の変動リスク

上記の内容と関連しますが、政府が突然の情勢変化に対して経済政策を変更する可能性があり、政策金利がさらに引き上げられる、もしくは急激に引き下げられることが考えられます。

市場の混乱により通貨価値の下落や、最悪のケースではトルコがデフォルトに陥る可能性も否定できないため、国際情勢を注意深くチェックすることをおすすめします。

トルコで口座開設するのにおすすめの銀行

トルコで銀行口座を開設するメリットや注意点についてご紹介したところで、各銀行の特徴について解説していきます。

Ziraat Bank

ジラート銀行はトルコ政府が運営する国内大手銀行のひとつです。決められたいくつかの支店に限り、非居住者かつ永住ビザが無くても口座開設が可能です。

口座開設に必要なものは、非居住者用課税番号、パスポートのコピー、トルコの電話番号と、30,000トルコリラ(約13万円)の頭金です。

Deniz Bank

デニズ銀行もまた非居住者に対して口座開設を許可しています。必要書類に関しては上記のジラート銀行と同じです。

両銀行とも口座開設の際に非居住者用課税番号が必要となります。これは現地の税務署や一部銀行において申請が可能です。

まとめ

本記事ではトルコの金利について、現地口座の開設方法やメリット、リスクについてご紹介しました。

ハイリスク・ハイリターンと形容されるトルコでの資産運用ですが、最新の国際情勢や投資のタイミングについて入念に検討することでリスクを軽減し、投資を成功させることができます。

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