トルコは地理的にアジアとヨーロッパの交差点に位置し、豊かな文化遺産と住環境を誇る国です。近年は不動産投資先としても注目を集めています。

本記事ではトルコ不動産投資のメリットやリスク、さらに購入の具体的な流れを詳しく解説します。

また、現地でおすすめの投資エリアや費用に関する最新情報もご紹介します。トルコの不動産事情を理解して、自分に合った投資を決断するためにご参考にしてみて下さい。

トルコの概要

最初にトルコについての基本情報を整理します。トルコはヨーロッパとアジアをつなぐ要所であり、世界中の観光客に人気の国です。以下、トルコの基本情報をまとめました。

項目概要
人口約8,500万人
言語トルコ語
宗教イスラム教
主要産業サービス業・製造業・工業
為替1トルコリラ=約4.4円(2025年1月)
在留邦人数約10,000人

 

トルコ不動産投資のメリット

トルコの不動産投資にはいくつものメリットがあります。今回はトルコ不動産投資のメリットを3つご紹介します。

ローカル通貨による魅力的な価格設定

トルコの不動産は現地通貨のトルコリラで価格が設定されており、為替レートの影響で外国人投資家にとって非常に魅力的な価格となっています。

特に近年のトルコリラの価値低下により、日本人を含む海外投資家にとっては少ない資金で好条件な物件を購入できる可能性があります。

また、価格の安さにより需要が高まることによる不動産価値の上昇を見込むことが出来ます。

安定した需要と賃貸収入

トルコでは住宅および商業用不動産の需要が高まっており、空室リスクや賃貸相場の下落リスクが比較的低いです。

特にイスタンブールやアンカラといった主要都市では賃貸需要が安定しており、短期間での収益確保が可能です。

また、商業スペースは地元企業や国際企業の拡大に伴い需要が拡大中であり、安定的な収益源としてのポテンシャルを秘めています。

長期的な収益と資産価値の向上

トルコ不動産市場は長期的な視点での資産価値の向上が期待されています。

特に都市部ではインフラ整備が進行中であり、その影響で地域全体の不動産価格が上昇傾向です。

さらに、住宅や商業物件からの賃貸収入を得ることで持続的なキャッシュフローを確保できます。

こうした市場の成長性に加え外国人投資家向けの優遇政策も整備されており、安全かつ魅力的な投資環境が整っています。

トルコ不動産投資のデメリット・リスク

トルコ不動産投資のメリットを先にご紹介しましたが、デメリットやリスクがあることも事実です。以下に解説する3つのマイナス面に気をつけて不動産投資を検討することをおすすめします。

通貨レートの変動による影響

トルコリラは過去数年間で大きな為替変動を経験しており、これが投資家にとって最大の懸念点となっています。

為替レートの不安定さは投資収益の予測を難しくし、収益性に直接的な影響を及ぼす可能性があります。そのため、為替変動に対するリスクヘッジが必要です。

法規制や手続きの複雑さ

トルコの不動産市場は法的手続きや規制が複雑であることが多く、外国人投資家にとってはハードルが高いです。

地域ごとに異なる土地利用規制や所有権の制限が存在し、十分な知識や現地の専門家のサポートが必要です。また、不透明な手続きや仲介業者による不正リスクも考慮する必要があります。

政治的・経済的な不安定要因

トルコは地政学的に重要な位置にあるため、政治的・経済的な不安定要素が投資環境に影響を与えることがあります。

特に地域紛争や国内の経済政策の変更が不動産市場に与える影響は無視できません。投資前に最新の情勢を把握し、リスクを最小限に抑えるための情報収集が欠かせません。

トルコのおすすめ投資エリア3選

トルコといっても、様々な特色のエリアが点在しています。今回はトルコでおすすめの不動産投資エリアを3つピックアップしてご紹介します。

イスタンブール

イスタンブールはトルコ最大の都市であり、商業・文化・観光の中心地です。アジアとヨーロッパを結ぶエリアに位置しており、国際的な貿易の拠点としても注目されています。

不動産市場では高層マンションやオフィスビル、ショッピングモールといった施設が充実しており、特にボスポラス海峡周辺のエリアは高級住宅地として人気があります。

観光客向けの短期賃貸物件も需要が高く、安定した収益を見込めます。

アンカラ

アンカラはトルコの首都であり、政治と行政の中心地です。この都市は国の主要な経済政策の拠点であり、近年では国際的な企業や外交機関の進出が進んでいます。

不動産市場では住宅地や商業地区が発展しており、特に教育機関や医療施設周辺のエリアは家族世帯に人気があります。

また、新たなインフラ整備や公共プロジェクトが進行しており、不動産価値の上昇が期待されています。

イズミル

イズミルはエーゲ海沿岸に位置するトルコ第三の都市であり、その美しい自然環境と温暖な気候が魅力です。

このエリアは観光地としても人気が高く、多くの外国人が別荘やリゾート物件を購入しています。また、農業と貿易のハブとしても機能しており、地元の経済活動が活発です。

特に海沿いの高級住宅地や観光リゾートは、長期的な資産価値の向上が期待できるエリアとして注目されています。

トルコ不動産投資に関する税制・法制度

トルコ不動産投資を検討する際、課される税金や法制度についての理解は重要です。他国と共通の基本的なものからトルコ特有の制度までご紹介します。

トルコ不動産購入にかかる税金

トルコで不動産を購入する際にはいくつかの税金が発生します。

購入時には不動産登記税が必要で、これは購入価格の約4%(売主と買主で折半する場合が多い)が課税されます。

また、不動産を所有する間も固定資産税が課され、年間0.1%から0.6%程度です。これは地域や物件の種類によって異なります。

さらに、賃貸収入に対しては所得税がかかり、収入額に応じて税率が段階的に設定されています。

これらの税金はトルコ国内での不動産投資収益に直接影響を及ぼすため、事前の計算が重要です。

外国人のトルコ不動産購入に関する規制

トルコでは外国人が不動産を購入する際に一定の規制が設けられています。

外国人が購入できるのは都市計画区域内の不動産に限られます。また、軍事地域や安全保障上重要な地域での不動産購入は制限されています。

さらに、一部の地域では外国人が所有できる土地面積の上限が設定されており、トルコ全土で合計30ヘクタールを超える土地を所有することはできません。

しかし、これらの規制を遵守すれば外国人でも比較的スムーズに不動産を取得することが可能であり、専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に進めることができます。

トルコで不動産を購入する4つのステップ

1. 物件探しと市場調査

トルコでの不動産購入はまず適切な物件探しから始まります。不動産エージェントやオンラインプラットフォームを活用し、自分の予算や目的に合った物件を選定します。

同時に、購入を検討している地域の市場状況を詳しく調査することが重要です。不動産価格の相場や将来的な価値上昇の可能性を把握することで、投資の成功確率が高まります。

2. 法的手続きと契約準備

物件が決まったら法的手続きを進める準備をします。トルコでは不動産購入に必要な契約書の作成や所有権の確認が必須です。

購入時にはタプ(Tapu)と呼ばれる不動産登記証明書が必要です。これには物件の詳細や所有権が記載されています。

また、購入者は税務番号(Vergi Numarası)の取得が求められます。この番号はトルコの税務手続き全般で必要となるものです。

専門の弁護士や不動産エージェントのサポートを受けることで契約内容を十分に理解し、不正リスクを回避することができます。

3. 資金の送金と支払い

購入手続きが進んだら物件の代金を送金します。トルコでは外国人が銀行口座を開設することが可能であり、これを利用して安全に支払いを行うことができます。

また、送金時には為替レートの変動に注意し、適切なタイミングで送金を行うことが大切です。

銀行送金の際にはSWIFTコードや取引明細書が必要になる場合があることに注意しましょう。

4. 登記と所有権の取得

最終ステップは物件の登記と所有権の取得です。トルコでは土地登記局(Tapu ve Kadastro Genel Müdürlüğü)での手続きが必須であり、購入者の情報や物件の詳細を登録します。

この手続きには有効なパスポートや購入契約書、売主と買主双方の同意書が必要です。登記手続きが完了すると、正式に物件の所有権が購入者に移転されます。

この段階で購入者は正式な「タプ」を受け取ることができ、不動産の所有権が法的に保障されます。

トルコ不動産購入にかかる費用

トルコの平米単価と物件相場

2024年現在、トルコの平米単価は都市や地域によって異なりますが、首都アンカラでは平均約37,000〜67,000トルコリラ(約15万円〜30万円)程度です。

アンカラ平米単価と物件相場

【出典】Properstar

一方、イスタンブールでは約100,000トルコリラ(約40万円)とやや高めです。

イスタンブール平米単価と物件相場

【出典】Properstar

トルコ内でもエリアによって平米単価は大きく異なるため、目的にあった投資エリアを選ぶことをおすすめします。

トルコ不動産購入にかかる諸費用

トルコで不動産を購入する際には、物件価格以外にもいくつかの諸費用が発生します。

主な費用として、不動産登記税(購入価格の約4%)、弁護士費用(約10,000〜20,000トルコリラ)、不動産エージェント手数料(購入価格の3%程度)があります。

また、物件の評価を行うための査定費用(約1,500トルコリラ)や登記手続きに伴う事務手数料も必要です。さらに、購入後には年間の固定資産税(物件価格の0.1〜0.6%)や水道・電気の名義変更費用が発生します。

これらを考慮すると、総費用は物件価格に対して5〜8%程度を見込む必要があります。事前に諸費用を計算し、余裕を持った予算計画を立てることが重要です。

トルコ不動産に関するよくある質問と回答

Q. トルコ不動産の相場は?

トルコ不動産の相場は、地域や物件の種類によって異なりますが、2024年現在、イスタンブールでは平米単価が約3,500〜7,000トルコリラ(約23,000〜46,000円)程度とされています。

Q. トルコの土地は外国人でも購入できる?

トルコでは外国人も土地を購入できますが、所有できる土地面積には上限があり、全国で合計30ヘクタールまでとされています。

まとめ

トルコは、地理的な優位性や魅力的な不動産価格により、投資先として注目されています。

不動産購入では、現地通貨での為替相場が外国人投資家にとって有利であり、将来的な価値上昇も期待できます。

一方で、通貨変動や法規制、地域特有の手続きなどのリスクが伴うため、十分な準備と専門家のサポートが重要です。

購入にかかる諸費用や税制についても事前に理解し、適切な予算計画を立てることが成功の鍵となります。

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