成功者の象徴というイメージをもつ「タワマン」は、依然として富裕層を中心に高い人気があります。その人気の高さから、タワマンを購入し、不動産運用を始めてみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回の記事では、タワマン投資のメリットやデメリットに加え、タワマン投資で成功を狙うポイントを解説します。また、海外の分譲マンションであるコンドミニアムとの違いについても紹介しているので、本記事を参考にしながら投資を始めてみましょう。

タワマン投資とは?

タワマン投資とは、タワーマンションへの投資を指します。そもそも、「タワマン」という言葉に明確な定義はなく、一般的には「高さ60m以上で20階建て以上」のマンションをタワマンと呼んでいます。

これは、建築基準法において、高さ60m以上の建築物は構造耐力の基準が厳しくなっているためです。また、上記の高さに該当しない場合でも、周りよりも高いマンションや、室内からの景色が良いマンションも「タワマン」と呼ぶことがあります。

タワマン投資のメリット

タワマン投資には、どのようなメリットがあるのでしょうか。将来的な価格上昇や、ターゲット層が明確であることなど、3つのメリットを紹介します。

不動産の資産価値が下がりにくい

タワマンは、資産価値が下がりにくいと言われています。というのも、タワマンは都心部の駅前や、都内だと港区や品川区といった地価が高い場所に建てられることが多いためです。

もちろん、一般的なマンションよりも購入費用は高額になりますが、資産価値も下がりにくいのがメリットです。

不動産価格上昇によるキャピタルゲイン獲得を狙える

不動産投資では、入居者から毎月支払われる家賃収入(インカムゲイン)と、物件を売却することによるキャピタルゲインの2種類があります。後者のキャピタルゲインは、物件購入後数年〜数十年経ってから価格が上昇したあとに売却し、利益を得られます。

タワマンは販売開始後に人気が集まり、不動産価格が急に上昇するケースが少なくありません。とくに、上記で解説した立地条件や設備が整ったタワマンの場合、資産価値が下がりにくく、キャピタルゲインを期待できます。

入居者のターゲットが明確である

タワマンは、入居者のターゲットが比較的明確である点も投資にメリットとなります。具体的には、富裕層や芸能人、最近だと有名YouTuberといった資金に余裕がある人が挙げられます。

つまり、ターゲットの属性が絞られるため、入居者探しをスムーズに行える可能性があります。また、ファミリー向けの間取りになっている物件が多く、家族で入居したい層も狙えます。

タワマン投資のデメリット

資産価値の下落を防ぎやすいことや、ターゲットを絞りやすいといったメリットがあるタワマン投資ですが、注意点にも気をつけなければなりません。デメリットとなる部分を3つ紹介します。

高額の購入費用が発生してしまう

タワマン投資を始める際に、高額な購入費用が発生する点に注意が必要です。立地や築年数、部屋の階にもよりますが、高い物件だと1億円、2億円することもあります。

不動産投資ローンを組むことで自己資金の割合を減らせますが、一般的な区分マンションよりも初期購入費が高く付きます。

空室時の返済負担が大きくなる

ターゲットが絞られやすいタワマンですが、空室リスクには十分に注意しなければなりません。毎月のランニングコストだけでも高額な出費がかかるため、空室が発生した場合、不動産投資用ローンの返済負担が大きくなる可能性があります。

ローンの割合を減らすことや、余裕資金を多く持つなどの対策も考えるようにしましょう。

管理費・修繕費が高く、利回りが出にくい

タワマンは、管理費や修繕費が高くなりやすく、結果として利回りが出にくいと言われています。というのも、タワマンは通常のマンションと異なり、パーティールームやゲストルームといった設備が整っていることもあり、管理費が高くなる傾向にあります。

また、充実した設備が用意されている一方で、修繕積立金も高く設定しているケースが多いです。管理費や修繕積立金の金額を踏まえながら、キャッシュフローを安定させるようにしましょう。

タワマン投資で成功を狙う際の戦略

タワマン投資を行うなかで、どのようにして成功に向けて戦略を立てていくべきなのでしょうか。以下の3つのポイントを押さえたうえで、タワマン投資成功を狙いましょう。

賃貸需要が高いエリアを分析する

タワマン投資で成功を狙うには、賃貸需要が高いエリアを分析することが重要です。たとえば、ファミリー層を狙うのであれば、周辺に教育施設が整ったエリアや、子育てがしやすいエリアなどが候補となります。

また、首都圏近郊の駅直結型のタワマンや、商業施設が併設しているタワマンなども利便性が高く、賃貸需要が高くなりやすい傾向にあります。

低層階と高層階の違いを調べる

冒頭でも解説したとおり、タワマンとは地上20階建ての高層マンションを指します。低層階から高層階まであるタワマンのなかで、どの階数の部屋を購入するかも重要なポイントになります。

一般的に、高層階になるほど、部屋からの景色やステータスといった付加価値がつきやすく、家賃を高く設定することで、投資目的としてのパフォーマンスが期待できます。また、入居者属性も高層階の方が高く、家賃滞納リスクの軽減にもつながります。

出口戦略を立てやすいタワマンを選ぶ

万が一の場合を想定しながら、タワマン投資では出口戦略を立てやすい部屋を探すようにしましょう。

たとえば、ファミリー層を狙っている場合、窮屈な間取りよりも2LDK、3LDKといった広々とした部屋の方が賃貸需要が高まります。一方で、単身者や定年退職後の夫婦がターゲットになってくる場合には、多少狭い間取りでも賃貸需要が期待できます。

また、将来的に子どもに不動産を相続したい方は、高層階の方が資産価値が高く、維持しやすいことから、階数の選定も重要となります。どのように運用したいのかを明確にしたうえで、タワマンを購入することを推奨します。

海外と日本国内のタワマン投資の違い

海外にも日本のような高層階建ての分譲マンションがあります。同じ高層階の分譲マンションでありながら、日本国内と海外では異なる点も多くあるので押さえておきましょう。

新興国は人口増加や経済発展による不動産価格上昇を見込める

新興国では人口増加や経済発展に伴い、不動産価格の上昇が見込まれています。たとえば、カンボジアの人口は、経済産業省の医療国際展開カントリーレポート「カンボジア編」によると、2020年には1600万人を超えており、2040年までに2000万人に達する予測が出ています(※1)。また、国際通貨基金は、2022年のカンボジアの経済成長率は5.1%と予測しています(※2)。

実際に、不動産価格の上昇も著しく、カンボジア国立銀行の発表では、首都プノンペンにおける2022年8月の住宅価格指数が2020年比で15.4%も上昇しました(※3)。このように、今後の経済成長とともに不動産価格が上昇し、キャピタルゲインを狙えるのが新興国のコンドミニアムです。

日本国内のタワマンよりも価格が安い

新興国のコンドミニアムは、日本国内のタワマンよりも価格が安い点が異なります。もちろん、立地や物件ごとに価格差があるものの、カンボジアやフィリピンには1000万円台で購入可能な物件も多くあります。

※海外不動産の購入は不動産投資用ローンの借り入れが難しい点に注意

アジャイルスカイレジデンス(カンボジア)

アジャイルスカイレジデンスは、カンボジアの首都プノンペンに位置するコンドミニアムです。各国大使館や商業施設が軒を連ねる一等地のエリアにありながら、1000万円台中盤で購入できます。また、デベロッパーの「アジャイルグループ」は香港証券取引所に上場しており、世界70都市で200プロジェクトを手がける大企業です。

項目内容
物件名
アジャイル スカイ レジデンス
所在地
プノンペン(一等地と呼ばれるボンケンコンエリア)
価格(諸経費込み)
1000万円台中盤
階数
44階
完成予定日
2022年12月
物件詳細ページ
https://ja.sekaiproperty.com/global/property-agileskyresidences

ビューアストン(カンボジア)

ビューアストンは、プノンペンの都心部から約3km離れた「ノレアアイランド」と呼ばれる新都心エリアに位置するコンドミニアムです。38階建てで、29〜35階にはシンガポールに本社を置く「アスコットグループ」のホテルも入居する予定です。メコン川とバサック川に隣接する物件で、景観も良く、将来的な資産価値の向上に期待できます。

項目内容
物件名
ビューアストン
所在地
プノンペン新都心エリア(都心から約3km)
価格(諸経費込み)
1000万円台
階数
38階
完成予定日
2023年6月
物件詳細ページ
https://ja.sekaiproperty.com/global/property-vueaston

タイムスクエア(カンボジア)

タイムスクエアは、プノンペンの一等地と呼ばれるボンコンケンエリアに位置するコンドミニアムです。台湾系デベロッパー「Megakim World Corp Ltd」によるプロジェクトで、過去には完売した物件もあります。月々10万円台〜の分割払いにも対応しており、初めての方でも購入しやすい物件です。

項目内容
物件名
タイムスクエア
所在地
プノンペン(一等地と呼ばれるボンケンコンエリア)
価格(諸経費込み)
1000万円台(月々10万円台~の分割可能)
階数
45階
完成予定日
2026年
物件詳細ページ
https://ja.sekaiproperty.com/global/property-timesquare

ラーセン(フィリピン)

ラーセンは、フィリピン・マニラの南東にあるマカティエリアに位置するコンドミニアムです。マカティエリアは、外資系企業が入居するビルや、日本人向けの飲食店などがある高級エリアとして知られています。

デベロッパーの「ロックウェルランド」は、フィリピン国内における最大手のデベロッパーで、高級不動産を中心に開発実績を重ねており、過去に開発した物件のなかには、年8-15%の価格上昇した実績もあります。

項目内容
物件名
ラーセン
所在地
マニラ(マカティ)
価格(諸経費込み)
1000万円台(月々数万円台~の分割可能)
階数
20階
完成予定日
2025年
物件詳細ページ
https://ja.sekaiproperty.com/global/property-larsentower

カンボジアでは米ドルでの運用に対応している

日本であれば日本円で運用するように、各国通貨での運用が基本となりますが、カンボジアは米ドルでの不動産運用に対応しています。カンボジアは、米ドルの流通量が約9割ほどで、日常生活でも米ドルを使用できます。

また、カンボジア国内大手のカナディア銀行では、米ドルでの定期預金にも対応しています。2022年12月現在における2年間の定期預金金利は5.65%(※4)と高く、不動産運用で得た米ドルをそのまま銀行で運用し、さらなる利益を狙えます。

まとめ

タワマン投資は、不動産としての資産価値が下がりにくいことや、価格上昇によるキャピタルゲインを狙いやすい運用方法です。しかし、通常の区分マンションよりも購入費用が高額になってしまうことがあるほか、空室が続くと、キャッシュフローに大きな悪影響を及ぼす点に注意しましょう。

なるべく初期費用を抑えながらタワマン投資を行いたい方は、新興国のコンドミニアムも検討してみてください。都心部や高級エリアに位置しながら、1000万円台で購入可能な物件が多く、費用を安く済ませられます。

※1:経済産業省「医療国際展開カントリーレポート カンボジア編

※2:世界通貨基金「カンボジア

※3:カンボジア国立銀行「経済・金融政策(2022年8月) 」(PDF11ページ目)

※4:カナディア銀行定期預金金利