区分マンション投資は、1棟まるごとマンションやアパートを購入する投資手法と比較して、どのような違いがあるのでしょうか。また、区分マンション投資が気になる方のなかには、両者の違いだけでなく、区分マンション投資のメリットや注意しておきたい点も気になるところです。

本記事では、区分マンション投資の概要を説明するほか、5つのメリットを徹底解説します。各地域における区分マンションの利回りや成功に向けてのポイント、注意点をまとめていきます。

区分マンション投資とは?

区分マンション投資とは、マンションやアパートを1棟まるごと購入するのではなく、1部屋もしくは数部屋で購入する投資手法です。1棟まるごと購入するよりも金銭的なハードルが低く、不動産投資初心者の方にも適しています。

分譲マンションとの違い

区分マンションと似た言葉に、分譲マンションが挙げられます。一般的に両者の違いは、前者が「投資」、後者が「居住」を目的に使い分けられます。つまり、投資を目的にマンションを1部屋あるいは数部屋購入する際には、「区分マンション」と表現します。

区分マンション投資5つのメリット

区分マンション投資には、1棟まるごと購入する投資手法とは異なるメリットがあります。5つのメリットを踏まえたうえで、区分マンション投資を検討してみましょう。

物件管理の手間を省きやすい

区分マンション投資のメリットは、物件管理の手間を省きやすいことです。一棟まるごと購入するよりも部屋数自体が少ないので、管理にかかる労力や時間を抑えられます。

また、管理会社に委託することで、設備トラブルや、隣人の騒音に関する揉め事などの対応を代わりにしてくれます。本業が忙しいサラリーマンや公務員の方にとってもメリットです。

突発的に費用がかかることが少ない

一般的に、区分マンションでは大規模修繕に向けて、定期的に修繕積立金が徴収されます。事前に積み立てているお金があるので、急に修繕が必要になったときでも慌てて費用を捻出するリスクを防げます。(ただし、部屋の修繕費については基本的にオーナーにて支払いが必要です)

一方、マンション・アパートをまるごと1棟購入する場合、オーナー自身が修繕費をやりくりしなければなりません。地震や台風といった自然災害が発生したときに備えて、資金をコツコツと準備する必要が出てきます。

購入時の初期費用を安く済ませやすい

1棟まるごとマンションやアパートを購入するよりも、初期費用を安く済ませられます。一般的に、物件価格の15〜30%ほどの頭金(不動産投資用ローンを組んだ場合)が必要と言われています。仮に3000万円の物件であれば、450〜900万円ほどの頭金を準備すればよいので、レバレッジを利かせられるのがメリットです。

また、もともとのローン借入額が低ければ、金利上昇に伴うリスク回避にもつながります。費用額の負担を避けながら不動産投資を始めたい場合、まずは区分マンション投資から始めてみることも検討できます。

高い流動性による売却チャンスも狙える

不動産投資は、株式投資や外貨預金といった金融商品と比較して、流動性の低い資産と言われています。価格自体が高く、すぐに売却しようと思っても買い手が見つからないほか、売却までにさまざまな手続きが必要になるためです。

とはいえ、区分マンションは、1棟マンション・アパートと比べた場合、売却はしやすい資産です。流動性が低い投資商品でありながらも、区分マンションは買い手を見つけるチャンスが多く、計画的に売却のタイミングを狙えます。

生命保険としての価値を得られる

不動産投資は、生命保険代わりにも有効であると言われています。というのも、不動産投資用のローンを組む際に、金融機関にて「団体信用生命保険」への加入が推奨されているためです。

団体信用生命保険とは、投資家本人が亡くなった際に、ローンの残債が完済されるというものです。また、ローンが完済した状態で、不動産を家族に引き継ぐことができるのもメリットです。

なお、1棟まるごとマンション・アパート投資でも、ローンを組めば団体信用生命保険への加入が可能です。しかし、不動産購入時における金銭的な負担を抑えつつ生命保険への加入が可能であることから、区分マンション投資はお得であると言えます。

区分マンションの利回り相場

区分マンション投資では、どれくらいの収益を狙えるのでしょうか。東京都、大阪市、地方都市の表面利回りをそれぞれ比較します。また、経済成長が著しい東南アジア不動産の利回りもチェックしましょう。

東京23区の利回り相場

不動産投資と収益物件の情報サイトを運営する「健美家」によると、東京都内(23区)における区分マンション投資の利回り相場は、2021年1月〜3月時点で築年数10年未満が4.40%、築年数10年〜20年未満で4.88%です(※1)。表面利回りの数値は高いものの、不動産価格自体が高額である点に注意が必要です。

また、2018年1月〜3月の表面利回りについて、築年数10年未満で4.90%、築年数10年〜20年未満で5.25%であったことを踏まえると、表面利回りの低下にも注意しましょう。

大阪市の利回り相場

次に、大阪市の利回り相場です。大阪市の区分マンションにおける利回り相場は、2021年1月〜3月時点で築年数10年未満が5.11%、築年数10年〜20年未満で5.73%でした(※1)。大阪市内の人口は270万人を超えており、安定した家賃収入を狙えます。

地方都市の利回り相場

札幌市、仙台市、京都市、広島市、福岡市における区分マンションの利回り相場を見ていきましょう。下記の表のとおり、東京・大阪に引けを取らない数値が出ています。とはいえ、大都市と比べると人口が少ないこともあるので、注意しながらエリアを選定する必要があります。

各都市における利回り相場(※1)

都市名利回り相場(表面利回り)
札幌市
築10年未満:4.89%
築10年〜20年未満:5.50%
仙台市
築10年未満:5.20%
築10年〜20年未満:6.10%
京都市
築10年未満:4.74%
築10年〜20年未満:5.35%
広島市
築10年未満:3.60%
築10年〜20年未満:5.82%
福岡市
築10年未満:5.01%
築10年〜20年未満:5.85%

東南アジアの利回り相場

日本国内不動産の利回りだけでなく、東南アジアの利回り相場も見ていきましょう。貧しいイメージがある東南アジア諸国ですが、近年は不動産開発が進み、先進国のような高層ビルやコンドミニアムも多く見られるようになりました。

また、経済成長に加え、15〜64歳の労働生産年齢の人口増加に伴い、高い利回りを期待できます。カンボジアの首都プノンペンには1000万円台で購入可能な物件があるほか、フィリピン首都マニラにも月々分割10万円台で購入できる物件もあるので、なるべく費用をかけたくない方にもおすすめです。また、経済成長に伴う不動産価格上昇によって、キャピタルゲインも狙えます。

東南アジアの不動産利回り相場(※2)

国名利回り相場(表面利回り)
フィリピン
6.13%
カンボジア
5.33%
タイ
5.13%
マレーシア
3.72%

区分マンション投資で注意しておきたいこと

区分マンション投資は、不動産投資初心者の方や、なるべく資金を抑えながら不動産投資を始めたい方にとっておすすめの投資方法です。しかし、ほかの投資商品と同様にリスクにも注意しましょう。

区分マンション投資の賃貸経営では高い利回りを得にくい

区分マンション投資は、高い利回りを期待しにくい点に注意が必要です。上記でも紹介した利回りは、あくまでも「表面利回り」であり、数値がそのまま収益になるわけではありません。

1棟まるごと投資でも同様に諸経費(管理費用、その他税金等)が発生しますが、区分マンション投資は家賃収入に対する「管理費用、修繕積立金、その他税金等における支出の割合が高くなりやすく、期待していたほどの利益を得られない可能性があります。表面利回りだけを参考にするのではなく、実質利回りをシミュレーションしたうえで不動産を購入しましょう。

区分マンション投資に限らず、最終的な利回りとなる「実質利回り」の算出が重要です。

空室リスクが発生しやすい

区分マンション投資を始めるにあたって、空室リスクには十分注意するようにしましょう。1棟まるごとマンション・アパート投資であれば、仮に1部屋、数部屋が空室になっても、ほかの部屋からの収益を得られます。

しかし、区分マンション投資では、自身が保有している部屋が空室になると収益が完全に止まってしまいます。長期間空室が続くと、キャッシュフローが悪化する危険性も考えられます。

金融機関における審査方針を確認する

不動産投資用ローンを借り入れて物件を購入する場合、金融機関における審査方針にも注意が必要です。金融機関がローンの審査を行うときに、個人の信用性だけでなく、土地の価格と建物の価格を別々に計算して価値を算出する「積算評価」を採用していることがあります。

一般的に、新築の1棟マンション・アパート投資、戸建て投資は、「土地の価格」も不動産の価値として担保に考慮されます。一方、区分マンション投資でも同様に土地の持ち分についても積算価格として算出されますが、1棟まるごとよりも担保価格が低くなりやすく、ローンの審査に影響を及ぼす可能性があります。ローンの借入を検討している方は、金融機関にも相談してみてください。

オーナーチェンジ物件での購入・売却に気をつける

オーナーチェンジ物件とは、すでに入居者が住んでいる状態の不動産を購入することです。物件を購入したときに、入居者からそのまま家賃収入を得られるので、不動産投資の運用計画を立てやすいメリットがあります。

しかし、オーナーチェンジ物件は、物件を購入する前に部屋の状況や、入居者の属性を把握しにくい点に注意が必要です。新たに入居者を探す手間を省ける一方で、トラブルには十分気をつけましょう。

区分マンション投資成功に向けてのポイント

区分マンション投資の成功に向けて、いくつかのポイントを押さえておきましょう。次の3つのポイントを把握し、区分マンション投資を始めてみてください。

賃貸需要の高いエリアを見極める

1つ目は、賃貸需要の高いエリアを見極めることです。不動産投資における空室リスクを防ぐには、人口が密集しているエリアや、交通アクセスが優れているエリア、商業施設が揃っているエリアといったニーズの高い物件を選ぶようにしましょう。

また、現時点における人口だけでなく、長期的に人口が安定、増加しやすいエリアを調査することも大切です。日本国内の不動産投資であれば「東京、大阪、名古屋」などの都市圏、海外不動産投資であれば「カンボジア、フィリピン」など人口が増加している国も候補に入れてみてください。

不動産価格が値上がりしやすい物件を購入する

不動産を売却してキャピタルゲインを狙いたい方は、不動産価格が値上がりしやすい物件を購入しましょう。経済成長が見込まれるエリアや、再開発が進んでいるエリア、人口が増加しているエリアなどは、将来的に不動産価格の上昇を期待できます。

とくに、経済成長と不動産価格の関連性は高く、目覚ましい経済発展が続く新興国における不動産価格も上昇しています。たとえば、フィリピン中央銀行が発表する「住宅不動産価格指数(RREPI)」は、2022年第1四半期において前年比で5.6%上昇しました。同様に、コンドミニアムの価格も2022年第1四半期ベースで、前年比で14.7%の伸びを記録しています。(※3)

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信頼性が高い不動産仲介会社を選ぶ

最後に、信頼性が高い不動産仲介会社を選ぶことです。仲介会社のなかには、強引に不動産購入の契約を迫ってきたり、意図的に相場よりも高額な物件を紹介してきたりする悪徳な会社もあります。

信頼できる不動産仲介会社を選ぶには、ブログやSNS上での口コミ、不動産仲介会社としての実績、営業担当者の態度などを調べるようにしましょう。また、海外不動産の購入を検討している方は、購入先の国に現地法人を設置している仲介会社を選ぶと安心です。

まとめ

区分マンション投資は、1棟まるごとマンション・アパートを購入するよりも費用の負担が少なく、初心者の方でも始めやすい投資手法です。ただし、区分マンションのデメリットにも注意が必要です。不動産投資の専門家や、不動産仲介会社にも相談しながら、自身の目的に適した物件を探しましょう。

当社では、カンボジアやマレーシアにも現地法人を設置しており、最新の不動産情報を提供しています。海外不動産投資が少しでも気になる方は、この機会にぜひお問い合わせください。

※1: 健美家「築年別 利回りの推移

※2:GlobalPropertyGuide「Rental Yields in Asia

※3:フィリピン中央銀行「Residential Real Estate Prices Continue to Rise in Q1 2022