ハワイは観光地としても人気が高く、海外不動産と言えばハワイを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。統計から算出したハワイ不動産の価格・家賃・利回りの推移について解説します。

ハワイ州オアフ島の不動産価格推移

ハワイの不動産投資では、州都のホノルルがあるオアフ島の物件を購入する場合が大半です。オアフ島の不動産価格推移について、戸建住宅とコンドミニアムとに分けて解説します。

戸建とコンドミニアムの価格推移

2010年以降における、オアフ島の戸建住宅及びコンドミニアムの価格推移は以下グラフの通りです。

※参照:HI Central.com

2011年以降の推移では、オアフ島では戸建とコンドミニアムともに値上がりを続けていることがわかります。なお、2020年時点では、戸建住宅の売買価格中央値は$830,000で、コンドミニアムは$435,000です。

物件次第ではありますが、オアフ島のコンドミニアム売買価格は、戸建住宅の半額程度となっています。

なお、2020年はコロナウイルス感染症が世界中で拡大し、多くの国で経済にマイナスの影響がありました。アメリカも例外ではありません。しかし、ハワイの不動産価格は戸建住宅とコンドミニアムともに2020年も値上がりしました。特に戸建住宅は対前年比で5.2%値上がりしており、2016年以来の値上がり幅となっています。

オアフ島の不動産取引数推移について

一方で、取引件数については戸建住宅とコンドミニアムとで大きな違いが出ました。オアフ島における戸建住宅とコンドミニアムの取引数推移は以下グラフの通りです。

※参照:HI Central.com

戸建の取引数は2020年も横ばいで推移しましたが、コンドミニアムの取引数は2018年以降減少を続けています。2020年におけるコンドミニアムの取引数は、対前年比で13%減少しました。

なお、長期的な視点で見ると、リーマンショックのあった2008年と翌年の2009年は、戸建とコンドミニアムともに大幅に取引数が減少しています。2008年は特に双方とも対前年比で20%以上減少したため、経済状況が悪化すると、特にコンドミニアムの取引数は減少することがわかります。オアフ島のコンドミニアムに投資する場合は、経済状況が悪化した場合の流動性が下がる点に要注意です。

ハワイ州の家賃相場及び利回りの推移

ハワイ州の家賃相場推移

つづいて、ハワイ州の家賃について解説します。ハワイ州の家賃中央値推移は以下グラフの通りです。

※参照:US Census Bureau

ハワイでは住宅価格と同様に家賃水準も長期的に値上がりを続けています。2019年の家賃中央値は$1,651で、2010年の$1,291と比較すると約28%値上がりしました。物件価格と家賃の両方が値上がりを続けていることから、ハワイでは住宅需要が拡大を続けていると言えます。

ハワイ不動産投資の利回り推移

2010年以降のハワイ不動産投資における利回りについて、具体的に検証します。US Census Bureauを参照の上で算出した利回りの推移は以下グラフの通りです。

※参照:US Census Bureau

2010年以降の推移では、2013年までにかけて一旦上がったものの、それ以降は低下傾向にあることがわかります。なお、2010年の利回りは2.95%で2019年の利回りは2.96%です。10年でハワイ不動産投資の利回りは元に戻りました。

なお、10年間で利回りが3.4%を超えたことはありません。東京23区内の利回りが4%〜5%なので、ハワイ不動産投資の利回りは東京の不動産投資よりも低くなっています。

利回り狙いで物件を探す場合は、ハワイ不動産はあまり適していないと言えます。しかし、不動産価格は安定的に値上がりを続けているため、長期的にキャピタルゲインを狙うのであれば、ハワイ不動産は適格です。

まとめ

ハワイ不動産は戸建およびコンドミニアムともに値上がりを続けています。このため、長期スパンでキャピタルゲインを狙うのであれば、ハワイ不動産は適格です。

特に、戸建住宅に関してはコロナ禍でも取引数が変わっていません。その一方でコンドミニアムは取引数が低下しているため、経済低迷時はコンドミニアムの流動性低下に要注意です。

なお、統計から算出した利回りの推移を見ると、ハワイ不動産投資の利回りは東京23区の推定利回りを下回っています。ハワイ不動産投資は、利回り狙いの投資にはあまり適していないと言えます。

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