コロナは海外不動産投資にも影響を与えていますが、アメリカでは低金利を背景として住宅市場が活況を呈しています。アメリカ不動産投資に興味を持つ人の中には、ローンを利用できるのか知りたいと思う人もいるのではないでしょうか。2021年5月時点でアメリカ不動産投資に利用できるローンについて、日本国内の銀行を中心にご紹介します。

オリックス銀行

オリックス銀行が提供している不動産担保ローンはアメリカ不動産投資にも利用可能です。2021年5月時点の借り入れ条件等は以下のようになっています。

融資限度額
1,000万円以上2億円以内
返済期間
1年以上35年以内
返済利息
3.3%〜3.675%
物件の立地エリア
指定なし

※参照:オリックス銀行

オリックス銀行のローンを利用するメリット

オリックス銀行のローンを利用する最大のメリットは、購入する物件の立地エリアを問わないことです。アメリカ不動産投資は、国土の広さから選択できるエリアの幅が大きいことが特徴的です。

他の銀行には購入する物件の立地を指定するローンも多いため、どこのエリアで投資しても良いことは大きなメリットとなります。

また、最長35年以内と返済期間を長期に設定できる点もメリットの1つです。返済期間を長くすれば、毎月の返済額を抑制できるため、キャッシュフローを出しやすくなります。

オリックス銀行のローンを利用するデメリット

オリックス銀行のローンは、購入物件のエリア選定や返済期間などにメリットがある一方で、担保不動産に関する制限には要注意です。オリックス銀行のローンでは、購入する物件を担保に入れられません。

日本国内の指定エリアに立地する物件を担保に入れる必要があります。また、指定されているエリアは首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市に限られており、どこでも良いというわけではありません。

オリックス銀行のローンを利用できるのは、すでに日本国内で不動産投資の実績がある人などに限られる点に要注意です。

東京スター銀行

東京スター銀行は、ハワイに立地する物件を購入する場合に利用可能なローンを提供しています。ローンの概要は以下の表の通りです。

融資限度額
1,000万円以上2億円以内
返済期間
1年以上5年以内(期間延長可能)
返済利息
2.8%(固定金利)
物件の立地エリア
ハワイ州オアフ島の南岸

※参照:東京スター銀行

東京スター銀行のローンを利用するメリット

東京スター銀行のローンを利用するメリットは、返済利息が低金利な上に固定金利を選択できることです。金利変動のリスクを排除できるため、収益を安定させることが容易になります。また、オリックス銀行の返済金利が3%を超えていることを考慮すると、東京スター銀行の金利は低いこともメリットの1つです。

東京スター銀行のローンを利用するデメリット

東京スター銀行のローンには返済金利の面でメリットがありますが、返済期間が短い点には要注意です。毎月の返済額は最長30年間の前提で計算される上に、返済期日での契約期間延長は可能となっていますが、契約当初の返済期間は最長5年です。

期間を延長する前提で契約するとしても、結果的な契約期間は審査次第であり、短期間での返済を提示された場合は毎月の返済負担が重くなります。ハワイ不動産は高価格な物件も多いことから、利回りはそれほど高くありません。東京スター銀行のローンを利用する場合は、毎月返済を経てもキャッシュフローを残せるか、事前の検証が重要です。

SBJ銀行

SBJ銀行も東京スター銀行と同じく、ハワイ不動産投資に利用できるローンを提供しています。融資条件等は以下の表の通りです。

融資限度額
1,000万円以上2億円以内
返済期間
1年以上35年以内
返済利息
2.8%(変動金利)
物件の立地エリア
ハワイ州ホノルルに限る

※参照:SBJ銀行

SBJ銀行のローンを利用するメリット

SBJ銀行のローンを利用するメリットは、東京スター銀行のローンと比較すると、返済期間を長期間に設定できることです。最長35年まで設定できるため、毎月の返済負担を抑制できます。

不動産投資の収支において、ローン返済に関する支出は大きな割合を占めることも多いものです。返済負担を軽くできれば、毎月のキャッシュフローを出しやすくなります。

SBJ銀行のローンを利用するデメリット

SBJ銀行のローンには返済期間に関するメリットがある一方で、ハワイ不動産投資にしか利用できない点はデメリットと言えます。また、ハワイの中でもホノルルに限られるため、オアフ島南東部の物件を購入する場合にしか利用できません。

オアフ島には、エワ・カポレイやカネオヘなど異なる特徴を持ったエリアが複数あります。しかし、SBJ銀行のローンを利用するのであれば、エリアごとの比較があまりできません。物件選びの幅が制限される点には要注意です。

香川銀行

香川銀行はカリフォルニア州の物件購入に利用できるローンを提供しています。借り入れ条件等は以下の表の通りです。

融資限度額
100万円以上3億円以内
返済期間
1年以上35年以内
返済利息
2.8%(変動金利)
物件の立地エリア
カリフォルニア州

※参照:香川銀行

香川銀行のローンを利用するメリット

香川銀行のローンを利用するメリットは、融資限度額が3億円以内と大きい上に、返済期間も長いことです。また、返済利息は原則変動金利ですが、当初5年間は固定金利特約が付加されます。

カリフォルニア州もハワイ州と同様に物件価格が高いため、融資限度額が高いメリットは大きいと言えます。

香川銀行のローンを利用するデメリット

香川銀行のローンを利用するデメリットは、カリフォルニア州の物件購入にしか利用できない点です。カリフォルニア州の物件も、都心部では特に利回りが低くなります。ローンを利用してもなおキャッシュフローを残せるかは物件次第であり、物件の厳選が必要です。

郊外に目を向ければ物件価格は下がる一方で、空室リスクには注意を要します。物件価格と入居者付の難易度について、バランスを取ることが重要です。

まとめ

アメリカ不動産投資に利用できるローンは複数ありますが、いずれも物件のエリアや担保不動産などに個別の条件がついています。また、エリアについては、ハワイやカリフォルニアなど物件価格が高いところが中心的です。ローン返済を経てもなおキャッシュフローが残るのか、ローンを利用する場合は、事前に入念なシミュレーションが必要になります。

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