老後は地方に移住して、ゆっくりと暮らそう。そんな希望を抱きながら、日々暮らしている方も多いはず。今回は、50代以上の方の移住先として人気がある長野県、北海道、山梨県、静岡県、宮崎県にフォーカス。それぞれの土地の情報をお伝えします。あなたの終の住処に相応しい場所を、ぜひ見つけてください。
1 国内の人気の移住先
1-1 50代以上に人気の移住先とは
2018年度の年代別移住希望地域ランキング(ふるさと回帰支援センター調べ)を見てみると、50代以上の希望移住先は長野県、北海道、山梨県、静岡県、宮崎県画人気です。70代以上で1位となった宮崎県を除き、50代から70代以上まで上位は同じ県が占めています。
<50代>
1位長野県 11.2%
2位北海道 9.1%
3位山梨県 9.1%
4位静岡県 8.8%
<60代>
1位北海道 14.6%
2位山梨県 13.6%
3位長野県 11.3%
4位静岡県 10.8%
<70代以上>
1位宮崎県 13.1%
2位山梨県 11.7%
3位長野県 11.7%
4位静岡県 11.7%
※ふるさと回帰支援センター調べ
1-2 人気がある県の共通点は人口密度にある
静岡県を除き、長野県、北海道、山梨県、宮崎県に関しては、人口密度が圧倒的に低くなっています。静岡県でさえ、東京都と比べると人口密度は1/10以下です。つまり、人気の移住先は人が少なく、土地があまっているため、安価に住宅が手に入れやすい状況にあるのです。しかし、その観点で見ると、同じような安さで住まいを手に入れられる県は他にも多くあります。では、人気上位の県にはどんな魅力があるのか、次の章でご紹介していきます。
2 移住希望者のかゆい所に手が届く長野県
2-1 希望の土地が見つけやすい
長野県は都道府県で第4位の広さを誇る県です。南北に伸びているため、土地ごとの特徴も様々。冬になるとどこも雪が積もると思われがちですが、意外に積もらない地域が多くあるのです。積雪という冬のデメリットを避けることができる場所があるので、土地の選択肢の幅が広がります。また、東京から近いため、都心に出るのがラクというメリットも見逃せません。
2-2 移住者が珍しくない
移住する土地として長年人気の長野県では、すでに移住された方が多く住んでいます。そのため、移住者に対してオープンな土地を、見つけやすい傾向にあります。先輩移住者に出会えれば、何かと相談することもできます。また、移住者向けのサイトなども充実していますので、情報収集がしやすいのも特徴です。
2-3 移住支援制度が充実
仕事や住まいなどに関する、様々な支援制度が用意されています。また、ミドル層向けの転職セミナーや相談会を実施。セカンドライフ向けの研修もあり、それぞれの年代に合わせた支援制度を充実させています。
3 北の大地の魅力あふれる北海道
3-1 毎日が旅行気分
観光地として大人気の北海道。旅行で訪れてから、ここに住みたいと思った方も多いは。また、食べ物が美味しいのも北海道の魅力。野菜やお肉、魚介類など、美味しい食べ物を安く手に入れることができます。
3-2 冬は大変でも、夏は快適
ご存知の通り、冬になると雪が降り積もる北海道。たしかに寒くて大変な部分がありますが、室内温度の高さは日本でイチバン。冬でも建物の中は暖かいので、寒さを痛感することは少ないそうです。また冬が寒い分、夏は気温・湿度が低く過ごしやすくなります。
3-3 家賃が安い
人口密度が日本で圧倒的に低い北海道では、一部の都市を除いて家賃が非常に安いです。その安さは、東京といった大都会と比べての価格ではなく、本州の田舎と比べてのこと。土地を安く手に入れたいなら、やはり北海道です。
4 移住者の受け入れに積極的な山梨県
4-1 空き家バンク制度を活用できる
空き家バンク制度とは、空き家を貸したい、売りたいという人が登録した情報を、利用希望者に紹介する制度です。これによって、移住の際に必要となる家が見つけやすくなります。
4-2 移住希望者向けセミナーを充実
移住者の受け入れに積極的な山梨県では、移住者相談会や空き家の見学ツアーが多数開催されています。そのため、移住に興味がある方が集まりやすい県になっています。
4-3 東京へのアクセスが抜群
電車でも車でも、東京へのアクセスが非常に便利です。そのため、住み慣れた土地から遠く離れた場所への移住に比べ、安心感がちがいます。また、東京から近い分、土地の下見がしやすいのも大きなメリットになります。
5 デメリットがあまりない静岡県
5-1 関東へも関西へも移動が便利
高速道路や新幹線が通り、交通網が発達している静岡県。立地的に関東と関西の間にあるため、どちらへも移動がしやすいというのは、この県ならではの魅力ではないでしょうか。
5-2 温暖な気候で暮らしやすい
冬場は東京に比べ約2℃暖かく、夏場は約1℃涼しい。温暖で安定した気候のため、老後を過ごすにはちょうど良い土地ではないでしょうか。お茶や果物といった名産物も多くあるのも魅力です。
5-3賃貸も戸建ても低価格大都市では、ワンルームマンションであっても月々の家賃が10万円ということも珍しくありません。静岡県では同額で、3LDK駐車場付きの家を借りるチャンスがあります。また、1坪あたりの平均単価も大きく変わります。
東京都:343万7599円/坪(坪単価平均)
静岡県:27万8488円/坪(坪単価平均)
6 美味しくて、安い宮崎県
6-1 夏の期間が長い
南国と言っていいほど、暖かい宮崎県。5月から9月末くらいまでは、半袖半ズボンで過ごせる気温です。大自然に囲まれて暮らしたいけど、寒いのは苦手という方に合うのではないでしょうか。
6-2 名産物の宝庫
マンゴーで有名な県ですが、魅力は他にもあります。海に面し山々に囲まれた宮崎県ならではの地形によって、新鮮な海の幸や山の幸、フルーツや野菜など、様々な食べ物を楽しむことができます。
6-3 物価がとても安い
平均消費者物価地域差指数は100を全国平均としていますが、宮崎県は96.4(平成29年度)となります。これは、47都道府県中イチバン数値が低い群馬県に次いで、鹿児島県と共に2位。それほど物価水準が低い県になります。
7 まとめ
移住の魅力は何と言っても、都会の喧噪を離れて、大自然に囲まれ静かに暮らすこと。しかし、一言で大自然と言いっても、その土地によって様々な特徴があります。今回ご紹介した人気のある移住地でも、これだけ特徴のちがいがあります。ご自身が目指す移住とはどんな形なのかを、しっかりと見据えた上で、あなたにとって最も適した土地を見つけてください。