1 カンボジア最大の港町 ~シアヌークビル


1-1 カンボジア初の高速道路がプノンペンとシアヌークビルをつなぐ

私の記憶が確かなら、2017年の夏頃にこのニュースを聞いた。直近3年間くらいで30回程度カンボジア不動産の視察をしていた私はプノンペンの不動産のみを見ていたが、このニュースを聞いてずっとシアヌークビル不動産視察に行きたいと思っていたのである。
それがやっと実現した。

シアヌークビルという都市名は前の国王の名前「ノロドム・シアヌーク」から来ている。カンボジア最大の港町であり、全てを取り仕切るシアヌークビル港湾公社は2017年春にカンボジア証券取引所に上場している。一部JICAが株式を保有していることも私達日本人にとっては投資先として嬉しいことだ。

※余談だが、カンボジア証券取引所に上場している会社はまだ5社しかない。それほどまだ株式市場が発展していないのである。それでも証券口座を今のうちから開いておきたいという人もいるだろう。その場合はこのサイト『SEKAI PROPERTY』を運営しているBEYOND BORDERS社に依頼するといい。不動産の購入者に対して現地において無料で証券口座の開設をサポートしている(私の場合は大手金融機関にて3時間程度で終わった)

プノンペンから友人の車を走らせシアヌークビルへ。何度か休憩を挟み約5時間で現地に着いた。最初に飛び込んできたのは中国人不動産投資家のバス。最近、東京でも大阪でも福岡でも本当にたくさんの中国人用バスを見かけるが、ここシアヌークビルでも同じだった(笑)


かなり広い土地に大型プロジェクトが出来上がるようで、皆写真撮影をしたり敷地配置図や価格表らしいものを見ながら真剣に質問をしたりしていた。

私がシアヌークビル不動産視察をすることになったきっかけである高速道路も、中国交通建設社の関連企業が建設をする予定のため、中国人達も鼻息が荒いのであろう。

高速道路は2019年夏に着工して完成は4年後になるという。2019年1月の現地大手新聞誌クメールタイムズの記事によると、既に中国から200名の建築プロフェッショナルがカンボジア入りしており、早ければ春には起工式が行われるらしい。

総工費は20億ドル。今回不動産視察に行った際に利用したが、現在のプノンペンからの陸路は限定されており、4号線という国道を通るしかない。街灯も無い2車線の狭い道路を240キロのろのろと行くのだ。大型トレーラーとすれ違う時はとても怖い。夜は街灯も無く、たまに穴が空いている。。。

これが高速道路建築により、距離が190キロと大幅に短縮され、車線も4車線になるというのだからシアヌークビルもプノンペンも物流や移動がスムーズになり発展すること間違いなしであろう。

2 シアヌークビルの不動産開発

カンボジアに中国が入り込んでいるのはネガティブなイメージを持つ不動産投資家もいるかもしれないが、私は「国が発展するのであれば何でも利用してしまえ」というのが持論だ。カンボジアが発展するのであれば日本でも欧米でも中国でも、どんどんお金を落としてほしいと思っている。

さて、シアヌークビルに到着してまず驚くことは不動産開発の多さ。今後大量のコンドミニアムやホテルが開発される。

しかもどこもなかなかのスピードで売れている。カンボジアの現地不動産ディベロッパー企業の開発も多いが、中国やシンガポール企業の存在感もある。滞在中に15件程の不動産視察をしたが半分以上は外資系だった。

また利回り保証をつけている物件が多く、ほとんどは旅行者などを意識したホテルとコンドミニアムのミックス型だ。

カンボジア大手新聞誌プノンペンポストの2019年1月の記事によると昨年のカンボジアにある3つの空港の総旅客数は前年比20%増の1,050万人だったそうだ。そして驚くべきことに、プノンペン国際空港・シェムリアップ国際空港・シアヌークビル国際空港の中で最も伸びているのがシアヌークビル国際空港。前年比93%増で65万人となり、まだまだ合計人数では他の都市よりも少ないが、増加率で言えばほぼ2倍のペースで、観光客が急速に増えているのがわかる。(空港の入り口にはまだ馬が草を食べている風景も見れるのだが笑)


外国人観光客が増えているせいか、ディベロッパーも強気で不動産価格は正直高いと感じた。物件によってはプノンペンの平米単価よりも高いものも。むしろプノンペンの不動産を買い増したほうがいいと思ってしまうほどだ。これも中国人を中心とした購入者によるプチ不動産バブルによるものだろう。特に海沿いのリゾート物件は既に平米で2,500ドルを超えるものも見られた。

マンションのモデルルームの営業マンに購入している人の国籍を聞くと、やはりカンボジア人・中国人・香港人・台湾人・欧米人とのこと。中には日本人が購入している物件もあったが、買っている人のほとんどは昔からカンボジアに住んでいる方やこちらでビジネスを展開している人とのこと。なかなか情報を仕入れるのが難しいというのと価格が意外にも高いことがあり、日本人の購入者は少ないのかもしれない。



3 シアヌークビルの観光スポット

3-1 カジノ

またシアヌークビルの特徴は何と言ってもカジノ。既にカジノ場は40ヶ所もあるそうで、どのカジノ場にも外国人観光客が出入りしていた。プノンペンにもナガワールドという大きなカジノホテルがあるがそこは毎日賑わっている。

シンガポールやマカオもそうだが、カジノリゾートは外国人観光客を呼び込みやすい。日本も今後カジノの建設によって更に外国人観光客が増えるだろう。多くの観光客はカジノがある場所の周辺にホテル宿泊をするため、その付近の地価が上がり、不動産価格を押し上げるのである。特に中国はまだ自分達の国内ではカジノは違法。よって海外にせっせと出かけて行って賭けるのである。そして驚くことに勝ったお金は現地の銀行口座に預けて帰ってくるという。彼らは自分たちの国を信用していないのでできる限り海外に資産を移そうとするのだ。

3-2 リゾート

さて、もし皆様がシアヌークビルに行かれるようなら行っておいたほうがいいのが、なんといってもキレイな海とシーフードレストランである。私達が不動産視察をした日はかなり天気が悪く海が荒れていたが、それでも欧米人、特にロシア系の人々にはリゾートとして長年愛されているようで皆ゆったりと過ごしていた。

もちろんカンボジアなので気温は1年中夏。海辺には海を見ながら外で食事ができるシーフードレストランも多く、その場で魚をさばいて調理してもらえる。特にエビや蟹、巨大なシャコなど日本ではなかなか食べられないものにもありつけるので、やはりこれが東南アジアのリゾートの醍醐味と言えよう。

3-3 Classic Car Showroom & Jewelry Boutique(ロシア人経営の博物館)

また、ちょっと変わったところというか、恐らく日本語のメディアで初公開となるのが現地の高台にあるロシア人経営の博物館(高級品美術館?)である。

過去10数カ国の高級不動産物件を見てきた私は、どんなにビックリするような高級品を見ても、ちょっとやそっとじゃ驚かないようになってきていたが、今回は違った。ド派手過ぎてどうしてもここで書きたいと思うくらいだ。どれだけド派手かと言うと、建設中の建物の上に飛行機が乗っている(笑)そして隣の建物の中にスーパーカーや超高級バイク等が数十台ズラリ。

外国人観光客のツアーの一部に組み込まれているようでたくさんの観光客がいたが、オーナーさん曰く「ここに日本人が来たのは初めてだ」そうだ。オーナーさんはどう見てもロシアのマフィアのような容姿。プロレスラーのような体をして最初は強かったが、英語もでき気さくに高級車や骨董品の説明をしてくれた。「Classic Car Showroom & Jewelry Boutique」と検索サイト等で探せば出てくるだろう。シアヌークビルに行く時には是非寄ってみてほしい。


4 今後のシアヌークビル不動産市場

さて、いかがだっただろうか。シアヌークビル不動産市場は今後プノンペンから伸びる高速道路の開発状況や現地の不動産開発によって劇的に変わっていくだろう。

ただ、リゾートエリアの物件は自身が利用するか、もしくはホテル貸しなどで長く保有して利回りを得るかをメインに考えたほうがいいかもしれない。今回の視察を通して少し過剰な不動産投資がされている感じがした。今後これだけ供給が続いてしまうと、建設後に数年経った中古物件を購入したい層は限られてしまう可能性もある。つまり余程魅力的な物件ではないと売却益を狙いにくい。

私はとりあえず大好きなカンボジアの首都プノンペンを中心に不動産投資をしていく。もしシアヌークビル不動産投資にチャレンジしたという強者がいたら、その後どうなったかご連絡をいただけるとありがたい。

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