ルクセンブルクはヨーロッパの小国ながら、世界屈指の富裕国、ヨーロッパを代表する金融センターとしての地位を築いています。一方、中世の町並みも残っており、休日に観光や休息を楽しむこともできます。
このような国で不動産投資、と聞くとわくわくしませんか?今回はそんなルクセンブルクの不動産について解説します。
ルクセンブルクはどんな国?
ルクセンブルクは、よくベルギー、オランダと併せてベネルクスと呼ばれる、西ヨーロッパの国で、正式名称はルクセンブルク大公国、大公は儀礼的な役割だけでなく、行政権の執行も行う立憲君主国です。
EUの前身であるECの設立時からのメンバーです。面積は日本の神奈川県、佐賀県、沖縄県ほどの大きさで、人口は約58万人、通貨はユーロです。
人口が少ないため、外資の誘致を目指して企業への税負担が極めて低く抑え、数多くの国外企業を誘致することに成功しています。ヨーロッパを代表する金融センターでもあります。
ルクセンブルクの経済と、不動産の価格推移
ルクセンブルクの主要産業は、重工業、金融、情報通信、観光などです。
年間GDP前年比成長率は、1999年から2007年まで平均約5%でした。2008年の金融危機の打撃、引き続いて発生したユーロ圏危機の影響で2012年まで下落、停滞などが続きましたが、2013年には4%まで回復、IMFによると、2016年には3.08%、2017年には3.54%で、2018年度は4.30%となる予測です。
また、ルクセンブルクといえば、一人当たりGDPが世界一であることで知られていますが、金融産業の比重が大きく、国内の労働人口の約5分の1は金融業に従事し、富裕層向けのプライベート・バンキングの中心地でもあります。さらに、金融市場において動く金額が高額なため、GDPを押し上げています。
ルクセンブルクの不動産価格は2008年の経済危機、2010年の欧州危機により、2008-2012年には低迷していましたが、2013年には回復を始め、2017年の不動産価格の上昇率は一軒家で4.9%、新築のアパート は価格は6.1%でした。
利回りは首都ルクセンブルク市では、面積が広いほど利回りは低くくなる傾向にあり、市内の平均では1平方メートル当たり6,460ユーロ、利回りは4.63%なのに対し、120平方メートルほどの物件になると1平方メートル当たり6,621ユーロ、利回りは4.11%でした。
ルクセンブルク不動産は外国人でも購入できる?
ルクセンブルクでは、外国人が不動産を購入するに当たり制限はありません。
ルクセンブルクで不動産を購入するステップ
- 購入する際には、買主がオファーを出し、売主が受諾、売買契約締結の準備をします。売買契約は書面によってなされる必要はなく、口答でも問題ありません。
- ただし、第三者に対抗するために、所有権移転の登記をする必要があります。公証を受けた権利証を登録する必要があり、公証役場は抵当権設定の際その記載をする義務があります。
ルクセンブルクにおける不動産購入時、売却時の「税制」
購入時:
登記費用:不動産価格の6-10.20%
公証費用:不動産価格の1.5%
トランスクリプト税:不動産価格の1.2%
所有時:
固定資産税:不動産価格の0.7-1%(地方自治体により決められます。)
賃料収入にかかる所得税については、以下の2つを選ぶことができます。
①賃料収入から不動産業者への手数料、メンテナンス費用、利息、固定資産税の支払額、保険料、減価償却(2-6%)などを差し引く
②賃料収入の35%を差し引く
税率は累進課税で、非居住者であるカップルの場合、月額賃料1,500ユーロまでであれば7.02%、12,000ユーロまでであれば14.21%です。
ルクセンブルクでは、所得税の計算において、独身か、カップルか、65歳以上の死別者かによって違いがあります。
売却時:
キャピタルゲイン税:不動産の所有期間による
2年以下であれば、売却額から、購入額の他に、不動産業者への手数料、公証費用、調査費用などを差し引いた上で、累進課税となりますが、2年以上所有していた場合には、税率が半分になります。
ルクセンブルクで不動産を購入するのにおすすめのエリア
ルクセンブルクは、ディーキルヒ広域行政区、グレーヴェンマハ広域行政区、ルクセンブルク広域行政区の3つの広域行政区に分かれており、首都ルクセンブルク市、第二の都市エシュ=シュル=アルゼットはルクセンブルク広域行政区にあります。
ルクセンブルク市
ルクセンブルクの首都で、人口は約11万人、欧州議会の事務局本部、欧州司法裁判所、欧州会計監査院、欧州投資銀行、欧州委員会などが置かれています。
全欧州からこれらの機関の職員が集まってくるため、賃貸需要は高いです。
近隣諸国からのアクセスもよく、要塞群、ルクセンブルク大公宮、ノートルダム大聖堂など観光名所も多いです。
エシュ=シュル=アルゼット
エシュ=シュル=アルゼットは、フランスと国境を接する、ルクセンブルク第二の都市で、人口約3万5千人、ルクセンブルク南西部に位置し、ルクセンブルク市まで約15kmの距離です。
ルクセンブルク市につながる高速道路がとおり、ルクセンブルク国鉄の駅が3箇所あり、ルクセンブルク北部、西部、そしてドイツへの交通が便利です。
エシュテルナハ
ルクセンブルク東部にある、人口5,000人ほどの市で、「ルクセンブルクの小スイス」と呼ばれています。
ルクセンブルクで最古の街並みが残っており、中世の雰囲気を感じられます。以前は城壁で囲まれた城塞都市でしたが、すでにほぼとり壊され、豊かな自然に囲まれています。
ドイツなどから観光客が多く訪れるため、別荘、ホテル、ペンションなどの需要が高いです。
まとめ
ルクセンブルクは、古くからの先進国であり、経済的にも安定し、欧州司法裁判所、欧州投資銀行等の欧州連合の機関などがある主要都市です。
しかし、1平方メートルあたりの平均価格は4,605ユーロ、欧州でも13位、フランス、イタリア、ドイツよりも安く、リーズナブルな価格の不動産を見つけることは難しくありません。安定した資産として、ルクセンブルク不動産の保有は、よい選択の一つではないでしょうか?
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