2018-08-18

ルクセンブルクの不動産ガイド。購入規制や価格動向まで徹底調査

  • 海外不動産コラム


ルクセンブルクはヨーロッパの小国ながら、世界屈指の富裕国、ヨーロッパを代表する金融センターとしての地位を築いています。一方、中世の町並みも残っており、休日に観光や休息を楽しむこともできます。

このような国で不動産投資、と聞くとわくわくしませんか?今回はそんなルクセンブルクの不動産について解説します。

ルクセンブルクはどんな国?


ルクセンブルクは、よくベルギー、オランダと併せてベネルクスと呼ばれる、西ヨーロッパの国で、正式名称はルクセンブルク大公国、大公は儀礼的な役割だけでなく、行政権の執行も行う立憲君主国です。

EUの前身であるECの設立時からのメンバーです。面積は日本の神奈川県、佐賀県、沖縄県ほどの大きさで、人口は約58万人、通貨はユーロです。

人口が少ないため、外資の誘致を目指して企業への税負担が極めて低く抑え、数多くの国外企業を誘致することに成功しています。ヨーロッパを代表する金融センターでもあります。

ルクセンブルクの経済と、不動産の価格推移


ルクセンブルクの主要産業は、重工業、金融、情報通信、観光などです。

年間GDP前年比成長率は、1999年から2007年まで平均約5%でした。2008年の金融危機の打撃、引き続いて発生したユーロ圏危機の影響で2012年まで下落、停滞などが続きましたが、2013年には4%まで回復、IMFによると、2016年には3.08%、2017年には3.54%で、2018年度は4.30%となる予測です。

また、ルクセンブルクといえば、一人当たりGDPが世界一であることで知られていますが、金融産業の比重が大きく、国内の労働人口の約5分の1は金融業に従事し、富裕層向けのプライベート・バンキングの中心地でもあります。さらに、金融市場において動く金額が高額なため、GDPを押し上げています。

 ルクセンブルクの不動産価格は2008年の経済危機、2010年の欧州危機により、2008-2012年には低迷していましたが、2013年には回復を始め、2017年の不動産価格の上昇率は一軒家で4.9%、新築のアパート は価格は6.1%でした。

利回りは首都ルクセンブルク市では、面積が広いほど利回りは低くくなる傾向にあり、市内の平均では1平方メートル当たり6,460ユーロ、利回りは4.63%なのに対し、120平方メートルほどの物件になると1平方メートル当たり6,621ユーロ、利回りは4.11%でした。

ルクセンブルク不動産は外国人でも購入できる?

ルクセンブルクでは、外国人が不動産を購入するに当たり制限はありません。

ルクセンブルクで不動産を購入するステップ 


  • 購入する際には、買主がオファーを出し、売主が受諾、売買契約締結の準備をします。売買契約は書面によってなされる必要はなく、口答でも問題ありません。

  • ただし、第三者に対抗するために、所有権移転の登記をする必要があります。公証を受けた権利証を登録する必要があり、公証役場は抵当権設定の際その記載をする義務があります。

ルクセンブルクにおける不動産購入時、売却時の「税制」


購入時:

登記費用:不動産価格の6-10.20%
公証費用:不動産価格の1.5%
トランスクリプト税:不動産価格の1.2%

所有時:

固定資産税:不動産価格の0.7-1%(地方自治体により決められます。)

賃料収入にかかる所得税については、以下の2つを選ぶことができます。

①賃料収入から不動産業者への手数料、メンテナンス費用、利息、固定資産税の支払額、保険料、減価償却(2-6%)などを差し引く
②賃料収入の35%を差し引く

税率は累進課税で、非居住者であるカップルの場合、月額賃料1,500ユーロまでであれば7.02%、12,000ユーロまでであれば14.21%です。

ルクセンブルクでは、所得税の計算において、独身か、カップルか、65歳以上の死別者かによって違いがあります。

売却時:

キャピタルゲイン税:不動産の所有期間による

2年以下であれば、売却額から、購入額の他に、不動産業者への手数料、公証費用、調査費用などを差し引いた上で、累進課税となりますが、2年以上所有していた場合には、税率が半分になります。

     

ルクセンブルクで不動産を購入するのにおすすめのエリア


ルクセンブルクは、ディーキルヒ広域行政区、グレーヴェンマハ広域行政区、ルクセンブルク広域行政区の3つの広域行政区に分かれており、首都ルクセンブルク市、第二の都市エシュ=シュル=アルゼットはルクセンブルク広域行政区にあります。

ルクセンブルク市

ルクセンブルクの首都で、人口は約11万人、欧州議会の事務局本部、欧州司法裁判所、欧州会計監査院、欧州投資銀行、欧州委員会などが置かれています。

全欧州からこれらの機関の職員が集まってくるため、賃貸需要は高いです。

近隣諸国からのアクセスもよく、要塞群、ルクセンブルク大公宮、ノートルダム大聖堂など観光名所も多いです。

エシュ=シュル=アルゼット

エシュ=シュル=アルゼットは、フランスと国境を接する、ルクセンブルク第二の都市で、人口約3万5千人、ルクセンブルク南西部に位置し、ルクセンブルク市まで約15kmの距離です。

ルクセンブルク市につながる高速道路がとおり、ルクセンブルク国鉄の駅が3箇所あり、ルクセンブルク北部、西部、そしてドイツへの交通が便利です。

エシュテルナハ

ルクセンブルク東部にある、人口5,000人ほどの市で、「ルクセンブルクの小スイス」と呼ばれています。

ルクセンブルクで最古の街並みが残っており、中世の雰囲気を感じられます。以前は城壁で囲まれた城塞都市でしたが、すでにほぼとり壊され、豊かな自然に囲まれています。

ドイツなどから観光客が多く訪れるため、別荘、ホテル、ペンションなどの需要が高いです。

まとめ


ルクセンブルクは、古くからの先進国であり、経済的にも安定し、欧州司法裁判所、欧州投資銀行等の欧州連合の機関などがある主要都市です。

しかし、1平方メートルあたりの平均価格は4,605ユーロ、欧州でも13位、フランス、イタリア、ドイツよりも安く、リーズナブルな価格の不動産を見つけることは難しくありません。安定した資産として、ルクセンブルク不動産の保有は、よい選択の一つではないでしょうか?

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ルクセンブルクの不動産投資を検討している方はお気軽にお問い合わせください。