この10年ほどで中国の国内経済は大幅に様変わりし、不動産市場も中国の経済発展に伴い、これからその需要円熟期に入っていく傾向にあります。

中国国内の大都市部の中高級の不動産価格はすでに 天井が見えてきたような節があり、これから中国国内の不動産投資を検討する人は、少し地方に目を向けることで早期の投資チャンスを得られる時期に突入したと言っていいでしょう。

そんな中、中国で外国人が不動産を購入する際に、かつてはあれこれと規制や制約が厳しかったところがありましたが、近年は外国人の不動産購入への規制が大幅に緩和され、以前に比べると外国人でも非常に物件を購入しやすい環境になってきたのです。

今回は、中国在住者の筆者が、中国で不動産投資を考える外国人が知っておくべき規制について解説致します。

中国で外国人が土地・建物を購入するのにどんな規制がある?


中国の土地はすべて国の土地であり、一般の民間人が土地の所有権を取得することはできません。取得できるのは、「土地の使用権」です。中国では、非居住者の外国人が、中国の土地の所有権、開発権を取得することはできず、土地使用権のみを単独名義で取得することもできないため、誰か中国現地のパートナー、合弁という形で共同名義でなら認められることがあります。

しかし、この非居住の外国人が中国国内の建物不動産を私用目的で購入することで、その該当物件の土地使用権を取得することが可能となります。

また、その使用目的のいわゆるマンションなどの建物も、地域によって一定の要件を満たす必要があります。例えば、大都市部の上海市でご自身名義の物件を購入しようと考えた場合、上海に在住した実績が5年以上必要となるなど、購入を希望する地域によってこのような購入要件を課してくる場合があります。

中国で外国人が住宅ローンでマンションを購入する場合の規制は?


規制というほどではありませんが、日本人の方が中国国籍の人と結婚をし、その日本人方名義の物件を中国で購入しようとする際には注意が必要になります。

これも上海の例になりますが、一世帯当たりの物件の購入単位に制限があります。仮に、配偶者が上海戸籍ですでに物件を一件所有している場合、外国人名義では、それ以上の物件を購入できないのです。

この場合、資金調達方法が、中国の銀行で住宅ローンを組むことを予定していなければ、配偶者名義で二件目購入を場合によって許可されることもありますが、住宅ローンを組む場合は、日本人は保証人という立場で、上海戸籍の配偶者の名義でローンを組むことになります。

最新情報!中国政府が外国人不動産購入への規制を緩和?


中国では近年、外国人の不動産購入に対する規制を大幅に緩和する政策を打ち出しました。

これは中国当局による、不動産市場低迷を活性化させるための策の一つと言われています。

なぜこのタイミングで規制を緩和する方針を打ち出しているのでしょうか。

その原因を以下のようにまとめてみました。

①大都市部の不動産価格の限界

中国の過去10年間は中国国内の高度経済成長人民元の国際化値の上昇に伴い外資のホットマネーが一気に市場に流出し、大都市部などの不動産価格は既に十分な水準に達したと言ってもいいでしょう。

しかし、海外資本の不動産投資先はもっぱら大都市部に集中しており価格はすでに極限まで達しているため、このままでは都市部の不動産市場が低迷していく懸念材料もあり、 仮に外国人に対する規制を緩和しても国内市場には大きな影響はないという判断に踏み切ったと言われています。

②高級物件市場を活性化させたい


北京上海深センなど大都市部の高級物件市場の購買層購入層は、中国国内だけではまだまだ限界があるのが実情です。

そこで今回の外国人不動産購入規制と同時に外国資本の不動産企業の出資資本率に対してもこれまでより自己資本率を認める形で規制緩和を行いました。

外資不動産企業への規制緩和と共に、大都市部の物件市場の再活性化を見込んでいます。

中国外国人不動産購入に対する具体的な規制緩和内容は?


それでは具体的に外国人が中国の不動産を購入する際にどういった規制が緩和されたのかその内容についてですが、厳密に言うと、その規制緩和内容の細い詳細については未だ各省庁によって異なると言えます。

大まかには、例えば首都北京市では、これまで中国に留学または就労などで、1年以上居住していた履歴のある者のみが不動産を購入することが出来ていましたが、まずこの規制がなくなり、必ずしも1年居住していなくてもこの限りではないことになりました。

また、 これまでは個人が居住用に購入する目的で、一人当たり一軒を所有する事の目的でのみ購入可能と定められていましたが、この制限も撤廃されました。

しかし、撤廃されたと言っても2軒目以降を購入する場合、個人名ではなく中国国内に不動産関連の法人を設立していることなど条件付きで緩和されているのが現状です。

また広東省南部の香港沿岸深セン市では、2軒目以降は店舗や事務所を目的であれば購入可能であるようです。

またこのようにどちらかといえば中国で2軒3軒と住宅を保有するということは投資目的であるとみなされますので、中国の金融機関からその2軒目、3軒目、以降の購入資金に対し、住宅ローンから融資を受けれるという事はなかなか難しく、この場合はほとんど自己資本で投資をする場合に限られるでしょう。

中国外国企業資本率の緩和で会社設立も視野に


このようなことから見てもやはり中国での不動産投資を本格的にビジネス化することを検討した場合、個人名の活動では不動産の売買、販売に限界点がありますので、形式上でも中国国内に法人登記を行うことも視野に入れるべきでしょう。

前述のように、中国ではこの外国人不動産の規制緩和とともに外国資本の法人設立に対する出資資本率の規制緩和や、法人設立のための最低資本金の金額をかつては3000万人民元からと定められていましたが、現在はそういった最低金額の規制も緩和されています。

かつては中国国内での投資型の運営目的である法人には特にこの出資金3000万人民元に対する 資本枠がかなり厳しく吟味されていました。

しかし現在かなりその規制が緩和されてきていて外国人投資家にとってはますます条件になってきていると言えるでしょう。

まとめ


今回は中国での不動産購入を考える場合に必ず知っておくべき規制緩和の話を現地から最新情報でお伝えしました。この規制緩和と、外国人法人設立の出資比率緩和も重なり、中国の不動産投資はさらに活発になっていくのではないでしょうか。

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