2020-03-04

バンコク、100,000を超えるコンドミニアムが売れ残り

  • 海外不動産ニュース

バンコクのコンドミニアム市場は、これまでに経験のない困難な状況に直面している。世界各国で猛威を振るう新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で、市場を動かす中国人投資家の活動が鈍くなっているためである。中国人投資家から人気を博し、右肩上がりの成長を続けていたバンコク市場だが、今年はその勢いが失われてしまう可能性が大いにある。

アメリカの金融大手Bloomberg関係者は、今年外国人バイヤーが占める割合は10%程度にとどまるだろうとの見方を示している(2年前は20%)。外国人バイヤーの中でも中国人が最も多くの割合を占めていたが、現在中国においては渡航制限や大規模な経済破綻など厳しい状況が続いている。

現在バンコク周辺では、買い手がついていないコンドミニアムが100,000件近く残っている。今年前半においては、外国人バイヤーからの需要は期待できないと見られており、国内バイヤーに期待がかかるが、それもまた容易なことではないという。

中央銀行に当たるタイ銀行は、国内バイヤーの活動を促進するため貸付や融資の規制緩和を行うなどの対応を行っている。しかし国内バイヤーは、「コロナウィルスの騒動以前に、バーツ高や米中貿易摩擦などの影響で観光客は減少しており、貿易や観光に大きく依存している経済への見通し悪化などですでに海外バイヤーの活動は下火になっていた。」と話すなど、懸念払拭には至っていない。

一方で、バイヤーにとっては、ある種のチャンスであるとの考え方もある。多くのデベロッパーは買い手を見つけるのに必死であり、バイヤーは好みのオプションなど希望を通すことも可能になるかもしれない。

デベロッパー側も、通常より安い価格で新規物件を直接貸し出す、またはフリーホールドで購入する代わりに30年間のリース契約を可能とする(35~40%程度お買い得になるという)など、様々な対応策を打ち出している。それでもやはりデベロッパーは、供給過剰を懸念して、新規開発や土地購入に消極的になっている感は否めない。

2020年のタイ経済において、不動産部門の低迷は無視できないものになっており、今年のGDP成長率は1.5%程度にとどまると見られている。

バンコクにおいて、今年1月~3月に新しく完成するコンドミニアムは、前年比-40%の6,000件ほどになる見込みである。

【参照】Bangkok has a surplus of 100,000 new condos as Chinese buyers stay home

海外不動産の最新動向が届くメールマガジンの登録はこちら。

メルマガ会員登録を行う

セカイプロパティ編集部
海外不動産投資に関する最新情報を発信中。