2019-10-08

マレーシア・セランゴール州クランの隠れた魅力

  • 海外不動産ニュース

マレーシア南部の港町、クラン。日本ではまだあまりなじみのない都市であるが、首都クアラルンプールやプタリン・ジャヤからもほど近く、特にグルメ通の間で人気の街である。一方で「特に楽しめるスポットがないさびれた町」とも言われ、不動産バイヤーの注目を集めるまでには至っていない。

しかし最近の不動産取引のデータを見ると、クランの隠れた不動産価値がわかるという。

マレーシア不動産管理会社Napicによると、2018年におけるクランの不動産取引件数は3,666件であり、内85%に当たる3,127件が住宅不動産であった。この件数は、クアラルンプールのチェラス(308件)やセランゴール州スバン(508件)、プチョン(1,855件)などのいわゆる「不動産ホットスポット」と呼ばれるエリアよりも多くなっている。

クランへ移住したいと考える人はまだ多くはないものの、現地の人々の地元愛は強く、住宅購入者の多くはクラン在住の若い世帯だという。

取引件数は2017年より減少したものの、住宅価格は上昇しており、これは市場が安定していることを示していると関係者は話す。価格上昇は見られるものの、セランゴール州スバン・ジャヤやシャー・アラムなどの近隣エリアよりは手頃な価格で購入することができる。

2015年頃より、マレーシア全体の不動産市場は低迷傾向にあるが、クランについては順調に推移している。クアラルンプールなどでは、多くの物件が売りに出されているが、クランの物件はそこまで多くはない。マレーシアではリースホールド(定期借地権)が一般的ではあるが、クランでは土地付きフリーホールド(永久所有権)物件が好まれ、実際クランの物件の90%以上がフリーホールド物件であるという。

現在クランでは、主に若者層をターゲットとした高層マンションプロジェクトが進められており、安全面やライフスタイル機能の充実などから人気を集めている。一方のテラスハウス(複数の戸建てが連続する形式の低層住宅)についても、その手頃な価格から今後さらに需要が高まっていくと見られている。

新プロジェクト「Bandar Bestari」や「Berkeley Uptown」などは、公共鉄道LRT3やクラン最大のショッピングモールであるKSL Mallが近くに開設されることもあり、今後注目されることは間違いないであろう。全長37kmに及ぶLRT3は2024年に開通予定、さらに高速道路も2022年に完成予定となっている。

Photos by The Edge and Low Yen Yeing/EdgeProp.my

【参照】The hidden value in Klang

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セカイプロパティ編集部
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