世界の名門不動産企業TOPインタビュー Vol. 1

アジアグリーングループ 代表取締役 Tan Boon Huat(タン氏)


マレーシア・ペナンで高級物件を取り扱う「Asia Green Group」のTan氏に、ペナンの不動産プロジェクト、ペナンの不動産市場の将来についてお話いただきました。

アジアグリーングループMr. Tan Boon Huat: 1995年Asia Plywood Company(木材商社)の社長に就任し、このビジネスをアジア、ヨーロッパ圏で成功させる。2007年、Asia Green Property Developmentの社長に就任。


Asia Green Groupについて
アジアグリーングループ ロゴ

Asia Green Group(アジアグリーングループ)はペナンで最も有名なディベロッパーの一つです。主にペナン州での高級プロジェクトを取り扱っています。彼らの特徴は何といってもその財務体系にあり、銀行からの融資や、株主からの資金提供を受けず自らの資本のみで経営を行う事でしっかりとしたリスクマネージメントを行っています。

ディベロッパー事業をはじめた経緯について

実は私のキャリアはそもそも木材を輸入する小さなスタートアップの会社(Asia Plywood)から始まっています。当時はAsiaPlywoodという本当に小さな会社をマレーシアで名のある会社にするために昼夜関係なく働き続けました。結果、現在ではAsiaPlywoodはマレーシアで一定の地位を築き上げる事に成功しました。しかし、その一方で私は『自分の手で建築物を創造する』という昔からあった夢を捨てる事が出来なかったんです。これがディベロッパー事業を始めた理由です。私たちの会社が建物を創造する際にこだわっている点は、『変わり続ける顧客のニーズに応え続ける事』です。そのために私たちは常に市場の顧客の声に耳を傾け続けています。売れ行きに波があるディベロッパー業界であるからこそいつも顧客の声に真摯に向き合う事が大切であると思っています。

    

会社全体で大切にしている企業理念やポリシーについて

全ての目標や夢は、必死に取り組めば実現可能なものであると私は考えています。一度決めた目標に対して、真剣にどうすれば達成出来るのかを考え続け、努力をすれば必ずその目標は達成出来るのです。この気持ちが私にはあるため、当社の社員はみな目標に対する執着心がすごいと思います。

また私は『東南アジアで最も大きくグローバルな企業だと人々に認知される事』という会社のビジョンとして掲げています。私は東南アジアで生まれ育ったので、東南アジアの文化や人々には親しみがあることから、東南アジアに焦点を当てています。将来的にはよりグローバルなマーケットへも目を向けようとは思っていますが、それはあくまでこの東南アジアでしっかりと地盤を固めた上でその先の事だと思っています。


会社の特徴または強みについて

Asia Greenは他の機関(金融機関など)からの借り入れはせずに、自己資本のみでの経営をしていることです。金融機関などからの融資等を受けずに運営出来ているディベロッパーは限られた会社だけであると思っていますし、何より会社内で資本の管理をしっかり行う事が出来ている結果だと思っています。自己資本のみでの運営形態を選んでいる理由として、経営を自分たちで全てコントロール出来ます。また、融資を受けない事は、自分たちの生み出したお金を利子のために余分に支払う必要がありません。


マレーシア・ペナンの不動産市場について

ペナンのマーケットは、現在少し供給過多であると思います。しかし、需要はこれからもあるでしょう。理由としては以下の3つです。

  • ペナンは植民地だった過去がある故に世界遺産登録をされているジョージタウンを始めとして歴史的建造物が多いです。観光目当てにたくさんの方が世界各国からペナンにやってきます。それ故に、多くの投資家たちが未だにペナンへの不動産投資に注目しています。
  • ペナン州政府は、現在「観光産業」、「製造産業」、「不動産業」をプロモーションする事に力を入れています。
  • ペナンでは現在大規模なインフラ工事(LRT、本島とペナン島を結ぶ海底トンネル等)がいくつも進行中です。

この数年間は供給が需要を上回っていて、苦しい時期が続きました。しかし、どの産業にも波がある様に今後マレーシアの不動産市場は回復していくと思っています。特に最近のリンギット安によりマレーシア不動産は外国人投資家にとって魅力的な状況にあります。また、生活費が安く世界で最も住みやすい街にも選ばれたペナンは、投資をするのに最適な場所である事を我々に再確認させてくれました。

プロジェクトについて

ペナン不動産

Asia Greenのプロジェクトはペナン島に集中しています。私たちは高級物件を取り扱っていて、ターゲットはインターナショナルとローカル両方です。建物のデザインも外国人、ローカル両方の人々に気に入ってもらえる様な物にしています。

特に意識しているのは、建物をデザインする際に顧客の声をよく反映させたものにすることです。例えば、the Clovers(クローバーズ)プロジェクトにおいては、プライバシーと便利性という2つのコンセプトの両立をさせましたが、これは顧客の声からアイディアを得ました。具体的には、the Cloversプロジェクト内には、各々のユニットに直接行けるプライベートエレベーターが2つ設置されています。また、建設プロセスを素早く行う事にも気をつけています。居住者の方にストレスを感じて欲しくないからです。そして、我々の最も大きな特徴とも言えるのが緑を多く取り入れ環境保護を意識したプロジェクトであるという事です。 

現在進行中のプロジェクトとしてthe QuayWest Residence,(キーウェスト レジデンス) は海岸沿いの閑静なエリアに位置しているプロジェクトです。海の見える屋上プールや、各ユニットに直接行ける2つのプライベートエレベーターが備え付けられているのが特徴です。敷地内に緑を多くして居住者がリラックスしやすい空間を創り出しています。

今後も基本的には、ペナンでの新しいプロジェクトの開発を今後も行っていきます。特にBayan Lepas(バヤンレパス)地域に注目していく予定です。将来的には、マレーシア以外の他の東南アジア諸国(ベトナムなど)にも目を向けて行くつもりです。

最後に...日本人投資家へ向けたメッセージ

ペナン不動産

我々は多くの日本人の方がペナンを訪れる事を歓迎しています。一度ペナンを訪れてみれば、ペナンがいかに安い生活費でリラックスした温かみのある生活を提供してくれるか分かるでしょう。さらに私たちは「人と緑を再度繋げる」というモットーを掲げ、ペナンにリラックス空間を提供しています。ぜひ、みなさまをペナン島でお待ちしています。