海外不動産購入経験者インタビュー
セカイプロパティ編集部が、海外不動産物件売却経験者にインタビューを行いました。今回は、仕事の関係でタイで駐在員として働き、日本への帰国が決定したためバンコクの物件を売却された神田三郎さん(男性/52歳)にご協力いただきました。
1.売却のお話をする前にタイで不動産を購入された目的を教えていただけますか?
タイに駐在し3年が経過した頃、試しに不動産投資をしてみようと思ったのがきっかかです。2011年にこの物件を128万バーツ(当時 : 約345万円)で購入しました。会社から家賃補助が5万バーツ(当時 : 約15万円)出るのでそれを活用して不動産投資をできるんじゃないか?と思い不動産投資をしてみました。私の場合、任期が10年前後の予定だったこともあり不動産投資をしつつ自分が住むといった形になります。家賃を払うお金を考えると投資に回した方がお得かと。バンコクも年々家賃が高騰していて、それもバカらしいと思ったのが理由です。それならコンドミニアムを買ってしまって、帰任の時に不動産は売却するか売却が難しいようでも賃貸すればいいと思いました。購入前に3年間住んでいたので土地勘もありますし、BTSプロンポン駅付近なら賃貸も売却もそんなにデメリットがないと思ったのも理由の1つです。
2.その物件を購入した理由を教えていただけますか?
私が購入したコンドミニアムはThe Address Sukhumvit 28駐在員向けの物件です。自分が住むのも快適そうだし、賃貸で考えても人気がある物件だなと思ったのが理由です。立地の良さもいいですしね。このあたりは単身の駐在員も多く、夜に和食の食事処で済ませる人も多いエリアです。ふらりと居酒屋に行ける立地というのもいいなと思いました。私は以前会社で勧められた物件に賃貸で住んでいたのですが、築年数が10年は超えていた物件だったんですよ。たまにゴキブリにも遭遇します。これも嫌でしたね。そうした理由もあって、次に住むなら新築物件にしようと思っていたんです。立地・予算・投資の採算とちょうどいい物件がThe Address Sukhumvit 28だったというわけです。
3.物件を売却した理由を教えていただけますか?
私が売却した理由ですが辞令が出たからです。2017年に128万バーツ(当時 : 約422万円)で売却しました。日本帰国の辞令が出たので、じゃあ売ってしまおうかと思ったのが理由です。もともとその予定でしたしね。売却の買手がなかなかつかないなら賃貸で運営してもいいやと思っていました。ひとまず6年以上住んでいたにも関わらず購入時と変わらない価格相場で売却できるのもポイントだと思いました。今タイなど新興国は経済も順調ですが、これがあと5年以降後となるとどうなっているかわからないなという気持ちもありまして。それなら購入時と同じ価格が相場になっている今がチャンスだと思いました。
私の場合、売却を出してから3か月足らずで売れました。たぶん翌年、2年後に売却をしても同じような価格帯で売れたと思います。そう考えたら、その間賃貸で稼ぐといった手もあったわけです。帰任後はタイへ来る機会がそうそうあるわけではないですし、タイという国はいつ何が起きるかわからない部分もあるので帰任のタイミングで売却を進めたかったという気持ちも強かったです。クーデターや政権交代など色々ありますしね。日本のように震災の心配はそんなにないですが、その他の心配が多いですね。建物の造りも日本のように頑丈でしっかりしているわけでないので劣化も気になります。
4.物件を売却するまでの流れを教えてください。
物件の売却ですが、もともと帰任が決まったら売却しようと思っていました。上から帰任の時期を打診されたときに売却の話を進めはじめました。帰任の話が出たのは半年前です。けっこう期間に余裕がありました。なるべく帰任になる前に売却を進めたかったので早々にゴルフ仲間の不動産会社勤務の友人に売却の依頼をしました。売却の場合、部屋の下見などもあるので部屋掃除をしたいということもあり最初の1か月はいらないものを処分したり、部屋掃除をしたりしていました。売却の手配もその間にやってもらうといった形です。それで部屋の閲覧ができる状態にしてから写真を撮ってもらいました。不動産業者が知人でかつ日本人なので手続きもとてもスムーズでした。
物件を売却するまでの流れですが帰任の打診が来て、友人の不動産会社勤務の人に依頼するといった形です。友人はすでに転職済みなのでエージェントの名前はY社とさせてください。Y社はバンコクで実績のある不動産会社で現在も存在している会社です。ここを選んだ理由ですが友人がいたからです。特段不動産会社へのこだわりはありませんでした。ただ日系がいいなと思っていました。僕自身、タイ語ができないですし書類などもわからないので日系がいいなと思っていた程度です。
5.物件を売却してからどうされたか教えていただけますか?
帰任前に売りたいと思っていたので、いざというときの引っ越し先についても考えてはいたのですが、引き渡しは帰任のタイミングでOKということになったので結局は利用してないわけですが、短期間で借りることができるコンドミニアムを借りようと思っていました。売却後は日本へ帰国しています。日本にも持ち家があるのでそこに戻りました。たまたまいいタイミングで売れて、かつ帰任日まで入居を待ってもらえる状態だったのでとてもラッキーだったと思います。船便で持ち帰る荷物もけっこうありますしね。家具は不要なものはプレゼントということで置いてきました。テーブルやソファーなどは日本の自宅にもあったので不要だったためです。
6.タイ不動産売却時に懸念点、タイ現地でしか起こらないような予想外のことがあれば教えていただけますか?
タイの場合はデモやクーデター、政権交代ですね。これらはいつおきてもおかしくありません。デモ等があると観光客も激減し、お店も早々に締まります。夜間外出禁止令が出されることも少なくありません。こうした期間の前後は景気も低迷しますし、不動産の売買にも影響が出るかと思います。なんとなく私自身もこうした状態のときだと不動産を買う気にならないと思います。将来どうなるか心配ですしね。建物もそうですけど、人種や国の政治など日本との違いは多々ありますね。ただ長く住んでくるとどうしてもそうした感覚に麻痺してしまうのも事実で、もめごとが起きても「またか」程度に思ってしまいます。
7.売却をして良かったと思うことを教えていただけますか?
購入価格と同じ価格で売却できたという点です。バンコクは年々地価が上昇していること、中古物件は日本ほど下がらないといった点があるのでそこそこは期待してましたが、まさか6年以上住んで同じ価格で売れるとは思いませんでした。結果として毎月会社から補助として出される家賃5万バーツ、大体日本円で15万円ですね、年間180万円×6年間だとして1040万円がポケットマネーになりました。
最近駐在員でも会社に内緒でバンコクの物件を購入して不動産投資をする人が増えています。僕のようなケースでも儲かりますし、場所や物件をきちんと選定すれば損することはないかと思います。またバンコクの場合は日系の不動産業者が多いのでその点も利点かと思います。タイ語ができない人でもやり取りすることが可能ですし、日本語で不便をすることもないですしね。最近は不動産投資に目覚める駐在員も増えているみたいです。どこの国も同じだと思うんですが、今経済が上向きでもずっと続く保証はないわけですし、事故のようなアクシデントも考えなければなりません。僕のケースもたまたまタイミングが良かっただけかもしれませんしね。
僕の場合は当てずっぽうや人づての話で投資したわけではなく、自分で実際にバンコクに住んでみて肌で感じたことで不動産投資をしたということも成功のポイントかと思います。そうじゃなければ海外不動産投資については全く無知ですし、言葉の問題もあるので手を出せなかったと思います。会社の補助についても大きいですね。家賃もけっこうバカにならないのでうまく利用できないか?と思ったのもきっかけです。もちろん会社には内緒ですけど。
8.タイで不動産売却を検討中の方へアドバイスをお願いします。
不動産売却についてはタイミングも大事だと思います。短期保有と長期保有で税率も変わってくることもありますし、海外だと政治情勢なども配慮する必要があるかと思います。不動産売却についてもプロのもとで進めていくのが安全かと思います。また、できれば知り合いの業者だと安心感があるんじゃないでしょうか。バンコクでもいくつかの不動産業者がありますが、中には評判が良くない業者の話も耳にします。そうした場合、トラブルの原因になります。それが日本だとまだ自分で調べたり軌道修正できる可能性もありますが、海外となるとお手上げといった人も少なくありません。特に法律関係のことはよくわからないといった人も多いことでしょう。私もそうした人の中の1人です。
不動産投資をしようと思ったのは家賃補助の件もありますが、バンコクに3年間住んで人脈や状況がわかってきたからというのが大きなポイントです。全く知らない海外の地に、いくら人気で期待できる不動産あるからと言われても投資することはしなかったと思います。売却についても同じです。知人だから安心して依頼しましたが、そうでないともっと慎重に調べた上でお願いしていたと思います。バンコクでも日本人が割高な不動産を購入させられた話や売却時のトラブルもたまに耳にしていました。信頼できそうな業者や人であってもよく調べてから検討した方がいいかと思います。タイ人はおおらかで優しい人も多いですが、悪い人もいますし仕事面ではルーズな人も少なくありません。気分屋といった表現がピッタリかもしれません。タイ人で日本語ができる業者もいると思いますが、そうした気質も含めてよく考えてから売却先を検討した方がいいと思います。
※このインタビューは、実際のご購入者さまにインタビューした内容を掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(株式会社ビヨンドボーダーズ)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において海外不動産投資・購入などを行ってください。