海外不動産購入経験者インタビュー
セカイプロパティ編集部が、海外不動産物件購入経験者にインタビューを行いました。今回は、マレーシアに移住され、日本人の方を対象に不動産や自動車購入のサポートをしていらっしゃる永井美香さん(日本/女性/30歳代)にご協力いただきました。マレーシア現地ならではの予想外の出来事など大変興味深くお話をお伺いすることができました。
1.マレーシアで不動産を購入された目的を教えていただけますか?
移住目的です。家賃を払うよりは安いと思ったので、2010年にRM630,000で1軒目を買いました。犬が居たので低層一軒家にしました。その1年後の2011年に2軒目をRM650,000で購入しました。MM2H(マレーシア政府によって推進されている外国籍の人のための長期滞在ビザ取得プログラム)でマレーシアに移住する親のためです。またその1年後の2012年に現在の住まいである3軒目をプレビルド※で購入しました。RM880,000でした。
(※プレビルド…建築完成前の物件のこと)
現在は3軒とも持っていて、残りの2軒を日本人駐在員に賃貸物件として貸しています。誰かに賃貸として貸せるかもしれないと思って、今まで手放さずに持っていました。最初は居住目的で物件を購入しましたが、今では賃貸目的になっています。現在住んでいるコンドミニアムがあるデサパーク(Desa Park City)は、犬が大好き、子供がインターナショナルスクールに通っている、セカンドフォーマーの方、マレーシアで自営業をしている方が多く住んでいます。病院や学校がそろっていて、とても良い場所です。
2.デサパークの物件を購入した理由を教えていただけますか?
何と言っても、この場所が好きだからです。KLCCから車で20分ほどのところにあり、湖や公園があって、犬やお年寄りに優しい街です。約12年前まではこのエリアのイメージが良くなかったのですが、ディベロッパーが高級住宅地としてイメージアップをしてからとても人気が高まっています。今では、約50組以上の日本人の方が住んでいます。
3.物件を購入するまでの流れを教えてください。
私は自力で全工程を行いました。家を探し始めてから決断するまでは物件によって異なりますが、1軒目は3か月、2軒目は即決でしたので1週間ほどでした。3軒目は人気物件であったため、並んで購入しました。1軒目は日本からマレーシアに移住してきたばかりの私でもローンを組める銀行探しから物件探しに移行したので長期間かかりました。物件は現地エージェントからたくさん人気の物件を見せてもらうことができたので、とても選択肢が多かったです。3軒目の今の家はディベロッパーから直接買いました。
人気の部屋は瞬間的に売り切れてしまい、売れ残った部屋を半年かけて売っていくので、ローンを組む前に予約だけをしておくことで、自分の気に入った部屋を購入することができました。決断から住み始めるまでの期間としては新古、中古物件であった1軒目は半年かかりました。ローンが物件価格の何%まで組めるのかによりますが、90%の場合、最初に頭金として物件価格の2%を払います。それから約1、2か月くらいして無事ローンが組めることになれば現金で払う金額の残り8%を払います。また、この1、2か月の間には、銀行の弁護士と不動産の弁護士を立てる必要があります。そのため、弁護士費用も余分にかかってきます。現金での支払いが終われば、次はフォーリーンコンセントの給付を受ける必要があります。これは、外国籍の方がマレーシア物件を購入するために必要なライセンスのことで、政府から給付されます。期間は最低3か月かかります。私の場合は、弁護士を通してプッシュすることで4か月で取得できました。
その後、リフォームで3、4か月必要になり、引っ越し、家具入れなどしっかりとした環境で住めるようになるまで約1年ほどかかりました。私も今まで多くの日本人の方のサポートをしてきましたが、経験上、購入を検討してから鍵を受け取るまでの期間としては平均で半年、長い方で約8か月です。そこからはリフォーム期間によって実際に住み始めることができるまでの期間は変わります。
4.マレーシア不動産購入時に懸念点、マレーシア現地でしか起こらないような予想外のことがあれば教えていただけますか?
本音を言いますと、マレーシアで物件を購入することは予想外なトラブルが起こります。私が経験したのは、水漏れです。やっと住み始めることができるぞと思った矢先に、天井が落ちてきたことがあります。私ではなく、ディベロッパーが建てた家だったので、修理費用に関してディベロッパーや管理会社との交渉をしました。交渉は言い負かされてしまわないように強く出る必要があります。物件購入において、交渉はとても大切で、弁護士費用や物件価格も交渉次第になってきます。あと、1軒目を購入しようとした時、相手の気持ちが変わったこともありました。というのも、「売りたくない」と売り手から言われたことがあり、とても困りました。買い手側は人気の物件をどうしても欲しいので、値段を高くして交渉してきます。売り手側は少しでも高い値段で買ってくれる人に売ります。そこで、私が契約を結んでいたのに、急に、売りたくないと言われたことがありました。これも弁護士を通して交渉し、切り抜けました。
その経験を生かして、2軒目は投資家から、3軒目はディベロッパー(Perdana ParkCity)から直接買いました。ちなみに1軒目は現地オーナーから買いました。さらに、私が入居することになっていたのですが、前の住人が出ていかないという事態も発生しました。夫婦で暮らしていらして、退去直前に奥さんが妊娠してしまい、宗教上の問題で、子供を妊娠すると引っ越すことができないようで、これは本当に困りました。私は前住んでいたところを売り払ってしまっていたので、これも交渉して出ていってもらいました。びっくりすることがたくさん起こりましたね。
もちろんですが、書類が全て英語ですし、とても大変でした。また、銀行の利子が変動するのも大変です。経済状況によって政府が金利を決めていますが、しっかりとした通知が無いので、ローンの返済において、知らない間に支払い不足が発生している場合もありました。だいたい1、2年に1回変動するので、しっかりとモニタリングする必要があります。あとはやっぱり時間にルーズなことですね。購入物件に人が住んでいることもあるので、現在住んでいる物件から立ち退く時期やタイミングが難しいです。時間通りに進まないので、こちらもルーズくらいでちょうど良いです。
プールやジムがあったり、ガードマンが居て24時間セキュリティがしっかりしていることです。メイドさんも居るので、子育てがしやすいです。私も先月子供が産まれたばかりですが、新生児専門のメイドさんを個人的に雇って、赤ちゃんのお世話をしてもらっています。月5~6万円ほどですね。そのメイドさんは完全に口コミで選びました。マレーシアは妊婦やお母さんにとても優しい国ですね。電車で妊婦を見たら、みんなが席を譲ってくれますし、ベビーカーを押していたら助けてくれたりします。また、子供を預ける場所はいくらでもありますし、家族のかかわりが多くあるので、仕事の間に親戚や家族が赤ちゃんを見ていてくれたりします。子育てでうつになることは絶対に無いです。出生率が日本に3倍になる理由がとてもよく分かります。私はホームパーティーも頻繁にやりますし、マレーシアでの生活は最高です。
6.マレーシアで不動産購入を検討中の方へアドバイスをお願いします。
物件購入においてのアドバイスとしては、モニタリングや家探しから実際に住み始めるまでの約1年という期間をしっかりとサポートしてくれる良い企業を探すことが大切ですね。また、交渉が大事になってきますので、良い弁護士を選ぶ必要があります。私はマレーシアでの生活において3つ必要だと思っていて、1つ目はお金です。正直、物価はそれほど安くありません。ですので、ある程度の経済力が無いと、みなさんが思い描いているような優雅な生活なできません。2つ目は英語力です。マレーシアには子供に良い教育を受けさせたいという母子留学の方もいらっしゃいますが、お母さんが英語を全く話せないという状況では、学校選びも含めてなかなか大変です。物件購入における資料も全て英語ですしね。3つ目は車です。車が無いと生活範囲が限られてきますから。あとは、マレー語も勉強できたら最高ですね!マレーシアの方たちとの交流もさらに深まります。
■永井 美香(ながい みか)さん
マレーシアへの移住を決意し、現在、マレーシア駐在員や移住目的の日本人を対象に不動産・自動車のサポートを行う会社を経営している。
※このインタビューは、実際のご購入者さまにインタビューした内容を掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(株式会社ビヨンドボーダーズ)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において海外不動産投資・購入などを行ってください。