さまざまな資産運用方法があるなかで、どの方法を選べばよいか悩まれている方も多いのではないでしょうか。投資の種類ややり方などが異なるので、資産運用を始める前に徹底して比較する必要があります。

そこで、今回の記事では資産運用方法6選を徹底比較していきます。不動産投資や株式投資といった資産運用方法の比較に加え、自分に合った種類の選び方、注意点も解説します。

資産運用とは?

そもそも、資産運用とは「現時点における保有資産を運用し、収益を狙っていく」ことです。自身のライフプラン実現に向けて、銀行に預金することも可能ですが、投資という形で資産運用した方がより収益を狙える可能性があります。

資産運用で利益を狙える仕組み

資産運用で利益を狙う仕組みは、主に「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2種類です。まず、インカムゲインとは、定期的に得られる収益を指し、不動産投資であれば家賃収入、株式投資だと株主への配当利回りが当てはまります。

次に、キャピタルゲインは、資産を売却することで得られる収益です。具体的には、自身が保有している不動産を他人に売り、売却益を狙う方法が挙げられます。キャピタルゲインで収益を狙っていく場合、ある資産の価格が低いときに購入し、時間が経過してから、価格が上昇したときに売却することで効率的に収益を得られます。

「資産運用はやめとけ、しないほうがいい」と言われる理由

資産運用のやり方や、種類などを調べると、「資産運用はやめとけ、しないほうがいい」といったネガティブな意見も見られます。当然ながら、資産運用は「投資」であるため、一定のリスクを背負わなければなりません。運用方法を間違えてしまうと、損失につながる危険性もあります。

一方で、資産運用で失敗するのは、正しい知識を持っていないことや、自分に適した資産運用方法を実践していないことが理由に挙げられます。また、今後、日本経済が停滞する予測が出ているなかで、資産をすべて貯蓄に回すのではなく、さまざまな商品に投資していくことで、ライフプランの形成や老後資金を準備しやすくなります。資産運用の失敗を防ぐためにも、リスク対策も徹底しながら、適切な運用方法が求められます。

資産運用は100万円からでも始められる

「資産運用」という言葉を聞くと、多額の自己資金を用意しなければならないと思われる方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、基本的には100万円からでも十分に資産運用を始められます。

また、最近では少額で始められる資産運用方法も多くあり、リスクを抑えながら運用することも可能となりました。次に紹介する「おすすめの資産運用6種類」を参考にしながら、自身に合う運用法を探しましょう。

おすすめの資産運用6種類を徹底比較!

おすすめの資産運用方法を6種類紹介します。それぞれを比較しながら、どの方法が自分に適しているのかを把握しましょう。

国内・海外不動産投資

不動産投資は、入居者から支払われる家賃収入(インカムゲイン)と、不動産を売却することによるキャピタルゲインを狙える資産運用方法です。とくに、不動産投資では、不動産投資用ローンを借り入れることで、自己資金以上の資金を運用するレバレッジ効果を期待できます。

また、東南アジアをはじめとする新興国の不動産は、経済成長とともに物件価格が上昇しています。カンボジア国立銀行によると、2022年8月における首都プノンペンの住宅価格指数(RPPI)が、2020年基準で15.4%も上昇する結果となりました(※1)。これまで「貧しい」というイメージが付いていたカンボジアでも、経済成長に伴う不動産価格の上昇が見込まれています。

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株式投資

株式投資は、企業が発行する株式を売買しながらキャピタルゲインを狙う方法です。また、一部の株式では、保有者に対する配当金もあり、インカムゲインも期待できます。

最近では、安定した経済基盤が整っている米国株式や、経済成長が続く新興国の株式も注目されています。証券会社を通じて日本国内にいても、さまざまな国の株式を購入できるようになりました。

投資信託

投資信託は、株式投資と異なり、自身で運用する手間を省けます。というのも、投資信託は、資産運用のファンドが投資家から資金を預かり、代わりに運用してくれるためです。

つまり、サラリーマンや経営者といった普段仕事をしている方でも、投資信託の運用状況を細かく確認する必要がありません。また、商品も幅広く、分散投資につながるほか、長期投資にも適しています。

外貨預金

外貨預金は、その名前のとおり、他国の通貨を資産として保有する運用方法です。各国の通貨に対して日本円が弱い状況(円安)が続いているなかで、日本円だけを保有するのではなく、バランスよく各国の通貨を保有することで、分散投資の効果を期待できます。

また、外貨預金では、為替変動による差益に加え、各通貨の金利差で収益を狙うことも可能です。日本円だけを持ち続けることで、自身の資産が目減りしてしまうのを防ぐのに役立ちます。

債券投資

債券投資とは、各国政府や企業、自治体などが発行する債券を購入する代わりに、利子による収益を狙う方法です。債券には、額面価格に対する利率が定められており、インカムゲインとして安定した収益を得られます。

また、債券が満期を迎えて償還するときに、額面価格がそのまま返済されます。比較的リスクが低いとされる資産運用方法ですが、発行元の信用性に応じてリスクが異なるので、購入前に企業の経営状況や、通貨の信用度を確認しましょう。

iDeCo

iDeCoとは、個人型確定拠出年金とも呼ばれており、老後資金の確保に向けた資産運用です。毎月決まった掛金を積み立てる形式で、60歳以降に年金、または一時金として受け取ることができます。

また、iDeCoは控除額に上限が設定されていないほか、受け取った金額に関しても控除が適用されるので、節税効果もあります。60歳を迎えるまで資金を引き出せない点に注意が必要ですが、節税効果も得られる資産運用方法です。

自分に合った資産運用の種類を選ぶ方法

多くの資産運用方法がある一方で、自分に合った種類を選ぶ必要があります。どのようなポイントを意識して選べばよいのか、1つ1つ確認していきましょう。

手間がかからずに運用可能か

まずは、手間がかからずに運用可能であるかです。資産運用を始める方のなかには、サラリーマンや公務員、経営者として働いている方も多くいます。手間がかかる資産運用方法だと、本業に集中できなくなったり、悪影響を及ぼしてしまったりする可能性があります。

自身で運用するという形ではなく、代わりに運用してくれることが可能な方法を選ぶのがおすすめです。たとえば、不動産投資であれば、不動産を購入したあとは管理会社に委託することで、自身で運用する手間を省けます。

リスクを分散しながら安全に投資できるか

次に、資産運用ではリスクを分散させることも必要です。投資の世界で、「卵を一つのかごに盛るな」と言われているとおり、1つの投資商品だけに依存する考え方は損失を招く可能性があります。

つまり、1つの商品に依存するのではなく、さまざまな商品を幅広く保有することが大切です。不動産投資でも、日本国内の物件ばかりを保有するのではなく、海外の不動産にも目を向けることで、カントリーリスクの軽減につながります。

少ない自己資金から始められるか

リスクを軽減するためには、少ない自己資金で始められるかも重要となります。資産運用が初めての方や、そもそも余裕資金があまりないという方は、少額で始められる資産運用方法を試してみてください。

とくに、不動産投資は、自己資金だけでなく不動産投資用ローンを活用し、レバレッジ効果を実現できます。不動産投資用ローンを借り入れる場合、一般的には物件価格に対して15〜30%の費用を自己資金で支払うこととなります。

また、海外不動産の購入では不動産投資用ローンの借入は難しいもの、1000万円台〜で購入可能な物件や、月々10万円台〜での分割払いに対応した物件もあります。経済成長が著しい東南アジアの不動産も検討しながら、少額で資産運用を始めてみましょう。

短期・長期どちらで利益を狙っていくか

資産運用では、自身の運用計画に基づいて、どれくらいの運用期間を設けるかも大切です。短期的に利益が出やすい商品もあれば、10年〜数十年運用することで利益が出てくる商品もあるので注意しましょう。

また、自身のライフプランや、現時点の年齢、老後資金でいくら必要なのかといった自己分析も徹底しておかなければなりません。上記を踏まえながら、自身にとってどの運用方法が適しているかを確認してください。

資産運用で失敗しないために注意すること

資産運用はリスクが伴うことから、損失が出ないように注意する必要があります。失敗しないためにも、注意点をしっかりと押さえておきましょう。

それぞれの資産運用方法を比較する

はじめに、各資産運用の種類を比較することです。さまざまなメディアを見ると、「今は株式投資がおすすめ!」、「不動産投資に最適なタイミング」などの情報が書かれていることがあります。

もちろん、タイミングに応じて、儲かりやすい投資を始めることは大切ですが、必ずしも自身の運用計画や、余裕資金に合っているとは限りません。他人のアドバイスを完全に鵜呑みにしてしまうのではなく、自身に適した資産運用方法を選定するようにしましょう。

余裕資金で資産運用を行うようにする

次に、余裕資金で資産運用を行うことです。生活資金まで資産運用に回してしまうと、最悪の場合、大きな損失を抱え、日常生活にも悪影響を及ぼしかねません。

そこで、資産運用を始めるときは、余裕資金と生活資金を分けるようにしましょう。無理なく資金を運用することで、リスクを最小限に抑えながら、資産運用を行えるようになります。

各種類の資産運用専門家に相談する

資産運用を始める前に、各種類における専門家に相談することも大切です。自分で各運用方法を勉強するだけでなく、専門家にも相談してみることで、より収益を狙えるアドバイスをもらえる可能性があります。

たとえば、不動産仲介会社では、無料で参加可能なオンラインセミナーも増加しており、気軽に不動産投資に関する知識を学べます。自分の判断だけでは不安に感じる場合は、専門家にも相談してみてください。

まとめ

資産運用は、将来のライフプランを実現することや、老後の生活資金を形成するのに重要となります。少額で始められる投資も増えており、これまで資産運用を行ってこなかった方でも取り組みやすい環境です。

しかし、資産運用は種類も多くあるため、1つ1つ念入りに比較しながら自分に合う手法を選ぶようにしましょう。本記事で紹介したおすすめの運用方法6選や、自分に合った運用方法を選ぶ方法などを試してみてください。

※1:カンボジア国立銀行「経済・金融政策(2022年8月) 」(PDF11ページ目)