サラリーマンの方が不動産投資を始める場合、家賃収入が副業の規則に抵触するのか気になる方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、不動産投資における家賃収入は、副業にあたらないと言われています。
今回の記事では、家賃収入が副業にあたらない理由や、サラリーマンが副業として家賃収入を狙うメリット・デメリットを紹介します。成功に向けてのポイントもまとめているので、最後まで参考にしてみてください。
家賃収入が副業にあたらない理由
上述のとおり、サラリーマンが不動産投資で家賃収入を得ていても、副業には該当しないと言われています。さまざまな理由がありますが、主に以下の理由が挙げられます。
・不動産投資は副業ではなく資産運用である
・家族の不動産を相続することがある
・不労所得であることから本業への影響が少ない
・職業選択の自由が保証されている
参考記事:不動産投資は副業にならない?サラリーマンや公務員におすすめな理由
公務員は家賃収入に一定の規定あり
なお、公務員の方でも、不動産投資を副業という形で始めることができます。しかし、以下の規模を超えて不動産投資を行う場合は、事前に許可を得なければなりません。万が一、許可を得ていないのにも関わらず、規定を超えた運用を行っていると罰則を受ける可能性があります。
・不動産投資の規模が5棟10室未満
・家賃収入が年500万円未満
・物件の管理を業務委託する
不安な場合は就業規則を確認する
不動産投資で家賃収入を得ること自体は、副業に該当しませんが、会社独自で不動産投資を禁止にしている場合があります。不動産投資が副業に該当するか不安な方は、就業規則をチェックしてみてください。
また、就業規則に副業に関する詳しい記載がない場合、法務部や人事担当者にも相談してみてください。
サラリーマンが副業で家賃収入を得るメリット
サラリーマンの方が、副業として家賃収入を得ることでどのようなメリットがあるのでしょうか。3つのメリットを紹介するので、1つ1つ確認していきましょう。
損益通算による節税効果を狙える
減価償却費の計上で、損益通算で節税効果を狙えます。減価償却費とは、不動産の取得費用を定められた法定耐用年数で分割し、不動産投資の経費として計上することです。
仮に、不動産投資で損失が発生しているのであれば、損益通算することで、給与所得分を圧縮できます。給与所得を圧縮した分、所得税や住民税の負担軽減につながります。
不労所得の実現につながる
次に、不労所得の実現につながることです。不労所得とは、労働をしていなくても得られる収入源を指し、不動産投資でも管理会社に業務委託すれば、自分自身で管理する必要がなくなります。
また、管理会社に業務委託することで、本業への影響を防げます。もちろん、管理会社への委託料が発生しますが、自動的に家賃収入を得られるのが不動産投資のメリットです。
団体信用生命保険に加入できる
3つ目のメリットは、団体信用生命保険への加入が可能になることです。通常、不動産投資用ローンを借り入れる場合、金融機関にて団体信用生命保険の加入が必須となります。
団体信用生命保険に加入しておけば、投資家本人が亡くなったときに残りのローンが保険で支払われます。また、家族にそのまま不動産が引き継がれるので、賃貸が付いていればそのまま家賃収入を得られます。
サラリーマンが副業で家賃収入を得るデメリット
多くのメリットがある一方で、デメリットにも注意が必要です。サラリーマンの方が、副業で家賃収入を得る際のデメリットを3つ紹介します。
家賃収入を得るまでに時間や手間がかかる
はじめに、家賃収入が実現するまでに時間や手間がかかってしまうことです。一般的に副業といえば、誰でも気軽に始められるもので、収益も比較的早い段階で発生します。
しかし、不動産投資は、物件探しから購入、ローン借入や契約といった諸手続き、入居者探しが必要となり、すぐに家賃収入が発生するわけではありません。サラリーマンの場合、本業と同時に進めなければならないので、バランスを調整することも大切です。
会社にバレる可能性がある
冒頭でも解説したとおり、不動産投資で家賃収入を得ること自体は副業にあたりません。しかし、不動産投資による所得が発生していることで、住民税の総額が「給与に対する住民税額」よりも高くなります。
つまり、副業による収入源があると疑われるため、仮に副業を禁止としている企業で働いている場合、経理担当や上長から尋ねられることがあります。個人で税金を納める方法もあるので、気になる方は地元の役所にも相談をしてみましょう。
毎年確定申告を行う必要がある
不動産投資で発生した利益に関しては、サラリーマンであっても確定申告を行う必要があります。本業の給与所得とは別に、「20万円以上の不動産所得」がある場合は確定申告が必須なので、早めに済ませるようにしましょう。
サラリーマンが副業で家賃収入を狙う際のポイント
サラリーマンが副業で家賃収入を狙う際には、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。これから不動産投資で家賃収入を狙っていきたい方は、しっかりと確かめておきましょう。
本業に支障が出ないように工夫する
不動産投資で家賃収入を得る際には、本業に支障が出ないように工夫することが大切です。具体的には、管理会社に外部委託しておけば、トラブルが発生したときに入居者からの対応を代わりに行ってくれます。
また、物件を探すときに、なるべく時間をかけないようにするためにも、業界でも信頼性の高い不動産仲介会社の選定や、専任媒介や専属専任媒介で契約することも検討しましょう。不動産投資で利益を得ることも大切ですが、本業を第一にすることも忘れないようにしてください。
キャッシュフローを念入りに計算する
次に、不動産投資におけるキャッシュフローを念入りに計算することです。キャッシュフローとは、お金の流れのことで、不動産投資では家賃収入による流入分と、修繕費や管理費、ローン返済、税金といった経費による流出分を計算します。
キャッシュフローを念入りに計算しておけば、ローンの返済計画を立てやすくなるほか、どの段階で赤字から黒字に転換するのかを把握しておけます。事前に赤字になるリスクを減らし、安定した家賃収入を期待できます。
経費をかけすぎないようにする
キャッシュフローを計算するだけでなく、最終的にどのようにすれば黒字を達成・維持できるのかを考える必要があります。一般的に、不動産投資初年度は、物件購入費やその他経費がかかるので、赤字になりやすいと言われています。
しかし、2年目以降も赤字が継続的に発生することが予想される場合、そもそもの設定家賃が低いのか、それとも経費がかかりすぎているのかを検証しなければなりません。仮に、経費がかかりすぎているのであれば、予算内に収まるようにお金の使い方を工夫しましょう。
余裕のある自己資金で不動産を購入する
不動産投資は、安定した収入を得られやすい運用方法ですが、損失を被るリスクもあります。そこで、生活資金とは別の余裕資金で物件を購入し、無理のない運用を心がけるようにしましょう。
また、不動産投資用ローンを借り入れる予定の方は、物件価格に対してどれくらいの融資を調達するかもしっかりと考える必要があります。あまりにもローンの割合が大きいと、レバレッジ効果を活かせる反面、返済に負担がかかってしまいます。
信頼性の高い不動産仲介会社に依頼する
不動産投資で安定した家賃収入を狙うためには、信頼性の高い不動産仲介会社への依頼も重要となります。評判の良い不動産仲介会社に相談することで、空室リスクが発生しにくい不動産や、人気の高い物件を紹介してくれる可能性が高まります。
信頼性の基準としては、「過去の成約物件数」や、「会社としての経営状況」、「インターネット上の口コミ」などを参考にしましょう。実際に不動産仲介会社の営業スタッフと相談し、雰囲気や態度を確かめることも大切です。
まとめ
サラリーマンの方が不動産投資で家賃収入を得ることは、一般的に副業としてみなされることはありません。しかし、不動産投資で家賃収入を狙う際には、本業に負担をかけないように物件探しや管理を行う必要があります。
また、安定した家賃収入の実現に向けて、キャッシュフローを念入りに計算すること、信頼性の高い不動産仲介会社に相談することも大切です。本記事を参考にしながら、副業でどのように家賃収入を狙っていくのかをイメージしてみましょう。