目覚ましい経済発展を遂げている東南アジアにおいて、タイは日本人が移住したい国ランキングで常に上位にランクイン。定年後のセカンドライフを送る場所としても、人気の国になります。そのような背景から、投資先としてタイを検討している方は多いはず。そこで今回は、タイで海外不動産投資をするべき理由から、タイで物件を購入する際のポイントまで分かりやすく解説していきます。
1 タイで海外不動産投資をするべき理由
1‐1 今後も国の成長が見込める
製造業がGDP全体の約4割を占めるタイでは、高度な工業化が進んでいます。特に自動車製造関連に注力していることから「東洋のデトロイト」とも呼ばれ、自動車産業の一大生産拠点となっています。
タイの名目GDPは約5,300億ドル(2019年)で、この10年間で1.5倍以上の成長を遂げています。経済成長にともなって、国民の所得水準向上も期待されています。加えて、中間所得層の拡大による住宅需要の増加が予測され、タイ不動産市場に投資マネーが集まる要因のひとつとなっています。
1‐2 インフラ整備が盛んに行われている
首都バンコクでは、急激な都市化により都心部での大渋滞が大きな課題となっています。その解決策として、先進国並みの高架鉄道(BTS)や地下鉄(MRT)などの拡張工事が進行中。交通インフラ整備などの公共投資は、タイ経済に影響を与えていくと共に、バンコク周辺の不動産価値も上がっていくことが予想されます。
1‐3 タイに住む日本人が年々増加
2002年は2万5000人程度だったタイに住む日本人が、2018年には7万2000人とその数は約3倍に増えています。日本人が移住したいランキングでも常に上位にランクインしているタイでは、日本人移住者向けの不動産からも目が離せません。
1‐4 インカムゲイン・キャピタルゲイン共に期待できる
安定した経済成長によって、今後ますます住宅需要や賃貸需要が期待できるため、インカムゲイン・キャピタルゲインどちらも狙える海外不動産投資が可能です。また、タイでは外国人の不動産購入額の最低額が決められていないため、少額から投資を行うこともできます。プレビルド物件なら、お手ごろな不動産を見つけることもできるでしょう。
2 物件を買う前にしておきたいこと
2-1 信頼できるエージェントを見つける
現地企業のエージェントや日系企業が展開しているエージェント、個人エージェントなど、タイでも多くのエージェントが不動産を扱っています。現地企業のエージェントは、現地ならではの情報網を持ち有利な点もあります。しかし、日本とは商習慣が異なるため、問い合わせの返答に時間がかかったり、期待していたほど詳細な情報が明示されないこともあります。タイの不動産購入において、エージェントとの関りは物件探しから購入、その後の管理まで非常に重要なものとなります。タイ不動産を取り扱う日本のエージェントの方が、言葉の壁を考慮してもやり取りのストレスが少ないかもしれません。エージェントを評価するポイントは様々ですので、ご自身に合った信頼できるエージェントを見つけることが何より大切です。
2-2 可能なら現地の物件を視察する
タイではコンドミニアムなどの建設ラッシュが進んでいるエリアもあるため、エージェントやネットの情報だけでなく、実際に周辺環境なども含めて直接チェックしておくとよいでしょう。計画予定中の交通網やショッピングモールなどの情報も確認できると、さらに良いです。
新築コンドミニアムの場合は、現地にセールスギャラリーが設けられていることがほとんどで、実際の内装や設備も確認することができます。そのため、自分の目で確かめてから物件を購入することができます。
3 注意したいお金のこと
3-1 予約返金の有無を確認しておく
購入物件の選定後に予約の手続きを行いますが、予約金の支払を同時に行う場合がほとんどです。予約金は購入価格の1%程度となり、クレジットカード決済も可能な所もあります。ただし、予約金返金不可の物件もありますので、購入を中止しようとしても予約金が返金されない場合がありますので注意してください。
3-2 コンサルティング料を事前に確認しておく
予約完了後に残金の分割払いの取り決め、契約書のサインなどの手続きを行います。タイ語の契約書以外に英訳がついている場合もありますが、エージェントと内容をしっかり吟味しましょう。エージェントによっては、予約金に加えて物件価格の数パーセントをコンサルティング料金として支払う場合がありますので、エージェントを選定しているタイミングで確認しておく方が想定外の出費を防げます。
3-3 プレビルド物件と中古物件の支払い方法
プレビルド物件の場合は、購入物件決定後に手付金を支払います。頭金は契約書を締結後に、物件が完成するまで分割で支払いを行います。
一方、中古物件の場合は購入物件を決定後に申込金を支払いますが、ほとんどのケースが物件価格の10%程度の金額となります。残金は海外送金による振り込みが必須です。通常は日本の金融機関から日本円で、事前に準備したタイの自分の口座へ振り込みます。
3-4 登記費用を誰が支払うか決めておく
物件購入後に指定の土地局にて物件の登記移転を行いますが、土地局に収める登記費用(購入価格もしくは評価額の2%程度)を支払います。新築物件の場合はデベロッパーと買主で登記費用を折半することがほとんどです。中古物件の場合は売り主が負担してくれるケースもありますので、価格交渉の際にきちんと確認しておくことをオススメします。
4 まとめ
タイで海外不動産投資を行うべき理由と、物件購入時に注意するポイントまでご紹介しました。国の経済状況は様々な要素によって変わっていきますので、海外不動産投資を検討している国の現状をしっかりと把握しておきましょう。また、物件購入の際に知っておけば交渉で有利に働く知識が多くあります。タイの基本的な商習慣と併せて、インプットしておくことも大切です。