日本企業の進出や暮らしやすい環境の整備などにより、年々増加傾向にあるベトナム在留邦人数。最近では約1万7000人の日本人がベトナムで暮らし、駐在やリタイヤ生活を謳歌しています。そんなベトナムでの暮らしについて、今回は生活費や家、グルメなど、移住後の生活をご案内します。

1 ベトナム移住後の生活費はどのくらいかかる?

1-1 ベトナムのお金について

ベトナムの通貨はドン(VND)。1 ドンは約0.005 円です。硬貨はほとんど使われておらず、普段の生活では紙幣を使用することがほとんど。紙幣は11種類ありますが、桁が大きいので日本のお金の感覚のままだとなかなか慣れません。そこでおすすめなのが、「0を2つ取り半分に割る」という計算方法です。例えば20,000VNDの場合は約100円となります。

1-2 食材や日用品は日本より少し安め

では実際の生活費はどのくらいかかるのか探っていきましょう。一人ひとりのライフスタイルにより異なりますが、基本的には日本より物価が安いので、生活費もそれほどかかりません。ただ食材の品質などを気にする方は、オーガニックスーパーなどで購入することもあると思うので、通常よりも割高になるでしょう。またベトナムで生産された食材や製品に比べて、外国産・日本産の商品は1.5~2倍程度高くなります。私自身は日本の商品を高く買うのももったいないので、急ぎで必要なもの以外は、日本への一時帰国の際などに購入して持ち込んだりしていました。

1-3 外食費はお店によって大きく変わる

現地の人が集まるローカルなレストランでは、20,000 VND(約100円)で1食が済むことも。屋台で売っているバインミーなどの軽食は100円以下で食べられるものも多くあります。普通のレストランでも30,000~50,000VND(約150~250円)程度で食事が楽しめます。ただ、ファーストフードなどの外資系チェーンでは日本と同じ程度の価格です。さらに日本食レストランなどで食事の際も、日本での価格帯と変わらないことが多くなります。

1-4 ベトナム在住時の生活費の一例です

住居:7万円(2LDK・サービスアパートメント)
食費:6万円(自炊と外食が半分ずつ程度)
通信費:1000~3000円(プリペイド式で使い切ったら追加購入※通話料1分約7円)
水道光熱費:電気代5000円(ほぼ一日中エアコン運転)・水道代5000円
交通費:2000~3000円(外出時にタクシー利用。自家用車・バイクを利用すれば交通費はガソリン代のみ)
合計 14~15万円

そのほかにもビールやタクシーの初乗りが50円~、映画220円~、マッサージ500円~など、日本より圧倒的に安いサービスも多くあります。ベトナム生活を快適に送るため、自分のライフスタイルにマッチしたサービスをうまく使いたいですね。

1-5 快適な暮らしをしたいならサービスアパートメント

サービスアパートメント、分譲マンション、一軒家、ローカルのアパートメントなど、様々な種類があります。安い物件では月3万円程度から、駐在員ファミリー向けの高級物件まで幅広く揃います。ベトナムの場合、家具・家電付きの部屋が多いので、初期費用も日本ほど多くはかからずにすむでしょう。ある程度の余裕がある場合には、プールやジムなどの共用施設、セキュリティや清掃サービスの付いたサービスアパートメントがおすすめです。

2 ベトナム移住後はどんな生活が待っている?

2-1 朝から晩までエネルギッシュな街

ベトナムの人々は朝が早い!早朝から公園やビーチで運動する人がいたり、カフェ文化が発達しているので通勤前に朝食をすませる人の姿も多く見られます。市民の台所である市場では、新鮮な食材を買い求める客と売り手のおばちゃんたちの元気なやりとりが楽しめます。会社や学校の始まる時間からは、道路にはバイクや車があふれ、歩行者は身動きがとれないほど。信号のない道路を渡るときは、自分でよく安全を確認しながらスムーズに渡りきってください。

2-2 日本人好みの繊細なグルメが楽しめる

フォーや生春巻きが有名ですが、それ以外にも美味しいベトナム料理は沢山!米が主食ですし、多様な食材や素材を活かした味付けが多いので、日本人の口に合う料理が多くあります。ダナン、ニャチャン、フーコックなどの海沿いの街では、新鮮なシーフードも楽しめます。もちろん都市部には日本料理をはじめとする各国料理の店がそろうので、飽きることなく好きなグルメを満喫できます。

2-3 ベトナム移住で注意すべきこと

まずはお金関係。一般的に「日本人はお金持ち」というイメージがあるので、スリや置き引きなどに注意しましょう。財布や荷物は肌身離さないのはもちろん、使う予定のない大金を持ち歩くのはNG。またベトナムのお金に慣れていないうちは、市場やタクシーも注意。通常の価格より多めの額を請求されることもあるので、値段を確認しながら支払いしましょう。

あとは交通事故にも十分注意が必要です。ベトナムはとにかくバイクの交通量が多いので、歩道を渡るのも至難の業。なるべく信号や横断歩道のある道を、よく確認しながら渡りましょう。最後は食事について。体調や体質にもよりますが、ローカルな飲食店で出される生野菜や生の魚介類は避けた方が安心です。お気に入りのレストランを見つけたり、自炊するのも一案ですね。

3 まとめ

親日国で親切な人の多いベトナム。全体的に温暖な気候で、物価も安く、活気にあふれる国です。ゆったりとした移住生活を送るというより、成長する国・人々のエネルギーに刺激を受けながら生活したいという方におすすめです。ベトナムへの移住の第一歩を踏み出してみませんか?

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著者:ヤギヌマヒトミ
ライター歴15年。夫のベトナム赴任に伴い、子供とともに約1年ほど中部・ダナンに移住。人々の笑顔、活気あふれる街、ビールの安さに魅了されたベトナム好きライター。