スウェーデンといえば、先進国、高福祉国家として知られ、物価が高い、税金が高い、などといった情報も日本ではよく知られています。
一方で、人口などの面で、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどと比べて規模が小さく、スウェーデンの不動産の情報はあまり入ってくるものではありませんがその内情はどのようなものでしょうか?
今回はスウェーデンの不動産事情について解説していきたいと思います。
スウェーデンはどんな国?
スウェーデンはヨーロッパ北部のスカンジナヴィア半島に位置し、首都はストックホルムで、人口は約960万人、そのうち約20%は国外からの移民で、移民により人口は増加を続けています。1995年にEUに加盟しましたが、ユーロの導入は否決され、通貨はスウェーデン・クローナ(SEK、1ユーロ=約9.5クローナ)です。
一人当たりGDPも世界第7位、ハイテク、自動車、家具、衣類などの製造業が盛んですが、その経済規模の小ささから、外資企業や、外国の投資化により経済を左右される側面もあります。
スウェーデンの経済と、不動産の価格推移
スウェーデン政府は、EU加盟国の中でも、ドイツについでシリア、イラクなどからの難民を受け入れることで住宅の需要が増加、公的支出の増加、そして経済成長を生み出しています。通貨クローナは、2012年には1ユーロ=約8.6クローナから、2017年には約9.8クローナへ12.6%変動したことから、輸出も強化されました。
EU委員会の統計では、GDP成長率は2015年-17年にはそれぞれ前年比プラス4.1%、3.3%、2.7%であり、2018年には3.2%の成長となる予測です。
通貨レウは、ユーロに対して安定しています。
スウェーデン統計局によると、2017年第3四半期のスウェーデンの不動産価格は、スウェーデン第三の都市、マルメが属するマルメエリアでは前年比+14.8%の上昇を記録し、国内でも最高でした。
続いてイェーテボリエリアでは、前年比+10.5%、ストックホルムでは5.64%、「RIKS」と呼ばれるエリア別では、スウェーデン西部のRIKS5における、10.5%が最高でした。
EU委員会によると、近年の価格上昇は、本来の価値を越えており、バブルが懸念さています。
利回りは、ストックホルム中心部の、80-120平方メートルの集合住宅で6-7%、それ以外の面積の集合住宅で3-4%、ストックホルム郊外で3-5%、スウェーデン第二の都市イェーテボリ中心部で5-7%でした。
スウェーデン不動産は外国人でも購入できる?
スウェーデンにおいて、外国人が不動産を購入するに当たって、法的制限はありません。
スウェーデンで不動産を購入するステップ
- 権利証の調査と、物件の瑕疵などの検査が行われ、問題がなければ売買契約締結、不動産価格の2-10%を頭金として支払います。
- 物件の所有権移転にあたり、手数料、利息、保険料、ローンなどについて両当事者の代理人が話し合い、残額の支払いをします。
- 売主側が請求書を発行、所有権移転手続きを開始します。買主側は土地登録局に、売買の事実を公開し、国家の認証を得ます。
- 弁護士への依頼は義務ではありません。
登記をするためには、14日間を要します。
スウェーデンにおける不動産購入時、売却時の「税制」
登記費用:825クローナ(約96ユーロ)
印紙税:不動産価格の4.25%
所有時:
固定資産税:不動産のタイプ、評価額により、不動産価格の0.2―2.8%です。
賃料収入にかかる所得税については、住宅の場合と商業物件で別れ、住宅であれば一律30%、商業物件であれば累進課税となります。
売却時:
キャピタルゲイン税:住宅、商業物件を問わず30%となります。住宅であればキャピタルゲインの30分の22に、商業物件であればキャピタルゲインの90%に課税されます。
スウェーデンで不動産を購入するのにおすすめのエリア
ストックホルム
人口は現在も増加していますが、スウェーデン人や、古くから住む人々の増加ではなく、移民受け入れによる増加で、異なる地域から流入した移民が、独自のコミュニティーを形成しています。
市の面積の30%は運河、他の30%は公園や緑地であり、バルト海に繋がるメーラレン湖を有し、その中には「ストックホルム諸島」と呼ばれる島々もあります。
2017年第3四半期の不動産価格は、前年比プラス5.64%で、利回りは、ストックホルム中心部の、80-120平方メートルの集合住宅で6-7%、それ以外の面積の集合住宅で3-4%、ストックホルム郊外で3-5%でした。
イェーテボリ
スカンジナビア最大の港湾を有し、貿易、海運、そして工業が主要産業です。
2017年第3四半期の不動産価格は、前年比プラス+10.5%で、市中心部の利回りは5-7%でした。
マルメ
2000年ごろには経済的に弱く、中間所得層の割合がストックホルムやイェーテボリに比べてかなり低かったが、その後多くの企業が進出、雇用を創出し、人口当たり創業数もスウェーデン全土で第一位です。
人口の約半数が35歳以下で、30%は外国生まれです。その出身地は隣国デンマークから、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、イラク、レバノンなど、戦火を逃れてきた人たちも多く居住しています。
2017年第3四半期の不動産価格は前年比+14.8%で、スウェーデン全土で最高でした。
まとめ
今はバブルの懸念も少しありますが、長期的に見て、安定を目指すか、成長の波に乗るか、それぞれの都市の特徴を見極めれば魅力的な投資先になると思います。
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