日本では、海外不動産の投資を実行しているひとはまだまだ少数派であり、しかもその多くの方がアメリカ、カナダ、イギリスなどや、東南アジアと、一定の地域に集中しているように思います。
今回は、日本ではほとんど知られていませんが、実は「先進国不動産としての法整備、インフラ整備」と、「新興国並みの安さ」を併せ持った、ポルトガル不動産投資の魅力はどこにあるのかについて紹介します。
ポルトガルとは?
そこでまず、「ポルトガル」という国名は知っていて地図で場所を指せても、実際にどのような国かまではイメージがわかない、という方のために、簡単にポルトガルについて紹介します。
ポルトガルは、ヨーロッパの最西端に位置し、面積は日本の北海道と四国を合わせたくらい、人口は1,000万人強です。
EUに加盟しており、通貨はユーロ、夏期の平均気温は20℃-26℃、冬期の平均気温は7℃-11℃と穏やかで、公用語はポルトガル語ですが、人口の80%以上(都市部の若い方に限ればさらに)が英語が一定のレベル以上話せるので、物件の視察の際や滞在を楽しむ際にも、近隣国に観光に行くにも非常に便利です。
東側はスペイン、西側は大西洋に面しており、海に面していることから海鮮料理も多く、各国料理の中でも、非常に日本人の口に合うと、渡航経験者は口をそろえて言います。穏やかで真面目で親日的な国民性なども日本人との相性がよいようです。
ポルトガルの経済
そして、現在のポルトガル不動産の魅力を語る上で欠かせないのが、ポルトガルの経済です。
ポルトガルは、2008年のリーマンショックの打撃を受けた後、ギリシャから発生したソブリン危機(欧州債務危機)が原因となり、財政危機が起きました。その結果、ついにポルトガルはEU、IMFから支援を受けることとなり、構造改革や財政再建などを進めた結果、2014年5月に金融支援プログラムを脱却しました。
それからも財政再建を進めており、ポルトガル銀行(中央銀行)の統計によると、2013年に回復を始め、2014年の成長率は0.9%、2015年の成長率は1.5%、2016年の成長率は1.6%、2017年第三四半期の前年度比はプラス2.5%であり、その後も成長が予測されています。
ポルトガル不動産の価格推移
その経済の動きは、ポルトガルの不動産価格の推移にそのまま影響を及ぼしています。2000年以降、ポルトガルの経済成長は近隣諸国と比べても緩やかで、バブルなどもありませんでしたが、2008年のリーマンショックから、2011年ソブリン危機とヨーロッパ経済の停滞は続き、外資企業の撤退、国民の自宅売却、地方や外国から職を求めて都市部にやってきた人々の帰国・帰郷などにより、2012年には「底値」を迎えました。
その後、IMFへの返済完了から経済の回復を感じ取った投資家の判断、「底値」で買う投資化心理、生活費が安いことによる北ヨーロッパを中心とする定年退職層による購入、経済回復により購買能力を取り戻したポルトガル人による購入の増加などが原因となり、不動産市場は2014、2015年から明らかに回復し始め、比較的緩やかながらもしばらく上向きの時期が続くと予想されています。
また、2012年に公布された、中国人やロシア人に人気のある、投資移民政策(ポルトガルの不動産を購入することで居住権や国籍が得られるプログラム)「黄金ビザプログラム」も、不動産市場の回復、価格上昇の後押しをしています。
ポルトガル不動産は外国人でも購入できる?
これまであまり聞いたことのない国に投資するに当たっては、「外国人でも所有権を取得できるのか」、「建物だけなのか、土地もなのか?」、現地の銀行でローンを組めるのか?など、いろいろ気になると思います。
結論から言えば、土地も建物も、100%所有することができます。また、「不動産を購入する目的」であり弁護士が同行すれば、非居住外国人であっても銀行口座を開くことができます。
また、外国人は現地の銀行でローンを組む事も可能です。
リスポンのある銀行では、
- 貸付最高額は不動産の評定価格の75% である。(銀行側によれば、60%が望ましく、成功確率が高い)
- 最長貸付期限は30年であり、申請者は75歳未満であること
- 通常顧客は弁護士サポートのもと、不動産売買を行う
- 通常一年後、申請者は貸付金の繰り上げ返却が可能となる
- その際銀行側に0.5%の手数料を支払う
という基準を設けています。
購入後は賃貸に出すことも可能で、主要都市には管理会社も多くあります。
旅行客専門に賃貸するAirbnbも、スペインの多くの都市で許可制であるのに対して、ポルトガルでは自由に行うことができます。
一点気をつけるべき点としては、ポルトガルでは「土地と建物の比率」、「構造は木造かレンガかRCか」などという概念はなく、不動産業者に話しても弁護士に話しても答えは得られません。ですから日本の税制にのっとって減価償却を希望する場合、自分で鑑定会社に土地・建物の価値の鑑定を頼みそれを元に計算する、などの方法をとる必要があります。
日本と商慣習の違う点はありますが、非常に外国人に対して開かれた不動産市場であるといえます。
ポルトガルで不動産を購入するステップ
このようなポルトガル不動産に魅力を感じ、いざ購入、という意思を固めた後はどのような手順を踏めばよいでしょうか?
最も一般的な方法は、現地に渡航、弁護士に頼み(不動産業者が紹介いたします)、銀行口座の開設と、「税番号」を取得することから、ポルトガル不動産投資は始まります。ポルトガルに自分の口座を持つことで今後家賃収入の振込みもスムーズになりますし、税金を払うこともできます。また多くのデベロッパーが数ヶ月にわたる分割払いを認めているので、その際自分の口座に振り込むこともできます。それらすべての管理を弁護士に委任することができます。多くの人が税理士に依頼し、毎年の賃料収入、税金の納付などを任せています。
そこで契約書にサインし、頭金、弁護士費用など支払うと、残りの手続きー登記の移転などを行ってくれるので、安心して帰国できます。
その後弁護士は、権利証上の所有者が本当に所有権を有すること、税金の支払いなど、残された義務がないこと、物件に隠れた欠陥がないことなどを調べたうえで、お客様が全額振り込まれたら、権利証をお客様にEメールなどの方法でお送りします。
そこで晴れて、物件の所有権を取得できます。
このように、法整備がわかりやすくされており、外国人であっても、透明な不動産取引を行うことができます。
ポルトガルで不動産を購入するのにおすすめのエリア
ワインの産地として有名な北部のポルトは人口20万人少しの小さな都市です。空港があり、地下鉄も通る便利な都市、アルガルヴェは、北西ヨーロッパからの移住者多く、彼らが教えるインターナショナルスクールが多いことから、老若男女問わず裕福な外国人が多く居住しています。空港もあるリスボン中心地では不動産価格も高騰していますが、こちらではまだまだ「西欧最安値」を実感することができます。
「リスボン区域」には、ポルトガルの全人口の3割近くが住み、ポルトガルの政治経済の中心、物件数も投資も最大です。
リスボン区域は、リスボンの中心地であり、現地では「リスボア」と呼ばれるリスボン市街と、郊外の各地区に別れます。中でも人気があるのが、宮殿、城跡などが多く分布するシントラ、海辺のリゾート、別荘地カシュカイシュ、その中間のオエイラスです。
2017年段四半期の利回りは、リスボアで 4.5% 、郊外ではさらに高く、カシュカイシュで6.7%、オエイラスで6.15%でした。
現地の持ち家のない会社員、学生や、駐在などで期間限定の滞在をする外国人などに賃貸するか、長期の休息に来ている定年退職者などを対象とするかなど、目的に応じて選ぶとよいかと思います。
最近では、ヨーロッパ経済の回復に伴う観光業の回復からホテルが足りず、Airbnbでの一泊ごとの値段が上昇しているので、長期で貸すよりも、このような短期貸しで利回りを取っている投資家も多くいます。
まとめ
このように、ポルトガルの不動産購入の主な魅力は、価格が今まさに上昇中であること、インフラ、取引に関わる法律などが、EUで定められた厳しい基準に従っておりハイレベルであること、価格が他の先進国の多くより安く、また現地の銀行でローンを組めること、などです。ポルトガルの不動産に興味を持たれたら、ヨーロッパの不動産に詳しいエージェントにぜひお問合せください。