近年目を見張るペースで都市開発が進むベトナムだが、投資家の意向を第一とし、開発が自由に進められていることが問題視されている。今後の開発については、ベトナム建設省と地方自治体により認可確認が強化され、認可違反には厳しく対処していくことが発表された。

住宅開発においては、デベロッパーが独自の判断で公共スペースを削減しフロアを造設するなど認可されていない作業を進め、結果的にインフラが追い付かないという事態も発生している。

今後認可違反が見られる場合には、建設途中であってもプロジェクトを停止させるなど、厳しい処分が下されるという。

快適な生活環境や仕事を求め、人々が大都市に流れ都市人口が増えることは、世界各地でよく見られることである。ベトナムでもハノイやホーチミン市などの人口は増え続けており、そのペースは毎年20万人増とも言われている。その一方で、インフラや輸送システム等の開発は人口増加に追い付いていないのが現状であり、交通渋滞や環境汚染などを引き起こしている。

今後政府は、高層建築を管理し、大都市における過密建設に目を光らせていかなければならない。郊外においては、工業地域を設立し雇用を増やすなど長期的な対策も必要になるであろう。

また住宅価格も近年急上昇を続けており、低所得者が住居を見つけることが難しい状況になっている。この点については、不動産市場における物件の管理体制の不十分さが指摘されており、市場における透明性を確保することが喫緊の課題である。

さらに地方自治体が不動産市場に無関心であり、需要と供給のバランスについても危機意識を持っていないことが問題を悪化させた一因とも言われている。特に高級住宅開発では、投資家第一主義とも言えるアプローチで、実際の市場の需要にそぐわないプロジェクトにも認可が下りるケースが少なくないという。

今後、低・中所得者向けの住宅プロジェクトを増やしていかなければならないことは明らかである。

【参照】Housing projects in Vietnam set to see more ministry inspections

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セカイプロパティ編集部
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