2017-12-15

マレーシアで中古物件を購入するメリット・デメリット。投資すべきは新築・中古?

  • 海外不動産コラム


マレーシア不動産を購入する際、

「新築か?あるいは中古か?」

と悩まれている人も多いのではないのでしょうか?

そもそも外国人がマレーシアの中古物件を購入できるのかということも気になるでしょう。

多くの日本人は、新築に比べて中古不動の方が安価なため、購入しやすいという イメージを持っている人が多いのではないでしょうか。

しかし、東南アジアの国をはじめ、マレーシアの中古不動産は新築よりも価格が高い傾向にあり、日本とは異なる不動産のマーケットがあります。

そこで今回は、外国人によるマレーシアの中古物件購入のメリットとデメリットを日本のマーケットの違いから解説していきます。

ライター:玉邑憲一
株式会社BEYOND BORDERSマレーシア支社長
東急リバブル株式会社にて9年の間、幅広い分野の不動産売買仲介業に従事。その後独立し、神戸にて大型収益不動産案件等に携わる。2015年にマレーシアに移住し、現地にて不動産の購入・売却のサポートに従事。大阪府出身。



外国人はマレーシアで中古物件を購入できるの?


結論から言うと、マレーシアでは外国人も中古物件を購入することが可能です。新築と中古それぞれに特別な規制があるわけではありませんが、中古物件の購入においても外国人の取得規制が適用されます。詳しくは外国人のマレーの不動産規制に関する記事をご覧ください。

マレーシアと日本の中古不動産市場の違い

まず、不動産の中古マーケットにおける日本とマレーシアの違いについて解説します。日本では通常、新築物件の場合は新築プレミアムがつくため、中古と比較すると物件の価格は高くなる傾向にあります。そのため、なるべく安く物件を購入したい人は中古不動産を選ぶ傾向にあります。

しかし、マレーシアで新築と比較した時に、中古不動産の価格が高くなる傾向にあるのです。

一体何が起きているのでしょうか?

この構造を理解するためには、物件の「未完成リスク」という概念を理解する必要があります。

マレーシアで新築不動産を購入する場合、物件が建設される前の「プレビルド」の段階で購入することが一般的です。日本では一度着工したらほぼ全ての物件が完成する日本と違って、マレーシアの場合は建設が中止されるリスクを抱えることになります。

そのため、買い手は購入した物件の「未完成リスク」を抱えることになりますが、その対価として物件価格が値下げされるのです。これが、東南アジアを中心とした新築と中古の不動産マーケットの最大の違いです。以上を踏まえた上で、マレーシアの中古不動産購入に関するメリット、デメリットを解説していきます。

マレーシアで中古物件を購入するメリット


未完成リスクがゼロ

先に述べた通り、中古物件であれば既に建設が完了している状態となるため、「未完成リスク」がゼロになります。そのため、建設途中で工事が中止されることよによる損失を、購入時点から考慮する必要がないのです。

瑕疵が少ない

新築物件の購入のケースであれば未完成リスクの他にも、物件の品質や性能に関する「欠陥」である「瑕疵」が、頻繁に発見されることになります。

特に東南アジアの物件の場合は日本と比較して、事前に聞いていた計画通りにならないことが多いため、後にトラブルとなることが多いのが現状です。

しかし、中古物件であれば、前オーナーが既に「瑕疵」の問題をクリアしていることが多く、修繕に関する手間を省くことができます。

収益シミュレーションがしやすい

新築物件であれば、建設後に入居者が入ってくれるか、心配になりますよね。中古物件であれば、過去の入居実績を見れば、その物件が安定的に賃貸付けできるかどうかを知ることができます。

そうすると、「いざ物件が建ったけど、入居者が入ってくれない...」という賃貸付けのリスクを減らすことができると同時に、家賃収入による収益のシミュレーションが立てやすい状態となります。

マレーシアで中古を購入するデメリット


一方でマレーシアで中古不動産を購入するデメリットを紹介します。

新築ほど価格の上昇が期待できない

新築物件をプレビルドで購入する際には完成までの間に価格の上昇が期待できる一方、中古物件の場合は新築ほど上昇率が期待できないこともあります。

もちろん、物件の選定にもよりますが、大きなキャピタルゲインを狙う場合、中古物件の購入は避けた方が良い場合もあります。

物件の状態が悪いものがある

マレーシアの中古物件はしっかりとメンテナンスをされている物件とそうでない物件の差が激しいです。実際、建設が完了してからたった数年で劣化の激しい物件がある一方で、建設から十年以上たっても、良い状態の物件もあります。

そのため、物件を選ぶ際には内覧をしつつ物件の状態を細かくチェックする必要があります。

まとめ

マレーシアで不動産を購入する際、新築と中古物件で迷った場合は、不動産購入の目的を明確にすることが重要です。

大きなキャピタルゲインを狙いたい場合は「新築をプレビルドで購入する」、リスクを極力下げた安定的な投資を行う場合は「中古物件を購入する」など、目的に応じた物件の購入を検討しましょう。