2017-02-07
マレーシアの壮大企画「インカルダル計画」は失敗だったのか?
- 海外不動産コラム
マレーシアは2020年の先進国入りを目標に掲げており、不動産建設についても積極的に進めています。その中でも最大の目玉となっているのがインカルダル計画です。インカルダル計画についてニュースで見たことがあるといった人もいることでしょう。2017年を迎えた現在どうなっているのか、そちらも気になるところです。ここではインカルダル計画についてご紹介したいと思います。
インカルダル計画とは
インカルダル計画とは大規模都市計画だ。マレーシアのジョホールバルはシンガポールの隣街であり、従来から品ポールとの行き来が盛んな場所だ。インカルダル計画はジョホール州にシンガポールの3倍に及ぶ大規模都市計画を実施しようというものである。ここは利点も多い。
1.シンガポールからすぐ近く
2.マレーシアなので物価・不動産が安い
3.マレーシア政府が企業誘致なども積極的に行っている
マレーシアは石油原油国でもある。石油化学施設や金融センター、教育施設、住居施設、観光施設などが設置される見込みだ。完成は2025年を目指している。シンガポール、香港に引き続き金融大規模都市になる可能性もある。
インカルダル計画の名前の由来について
インカルダル計画の名前の由来についてはかつてマレーシアの国王で、ジョホール州の前スルタンであったイスカンダル王の名前が由来となっている。
賃貸状況について
インカルダル計画の地区は住居用不動産の建設も積極的に進められている。ここは将来伸びると信じすでに不動産購入した投資家たちから「物件が完成したのに借り手がなかなかつかない」といった声も上がっている。これはどういうことか。インカルダル計画では順調に開発が進められている。その一方本格稼働はまだ先だ。本格稼働は2025年以降の見込みで後8年以上はかかる見込みだ。この期間は準備期間であり普及が急速に進むとは考えにくい。
開発途中は環境面でも不便なこともあるし、建設中で物音も気になるところだ。できれば建設がひと段落してから居住したいといった人が大半だろう。この地区への不動産投資をした人の中には失敗に感じている人も増えているようだが、現時点で結論づけるのは時期尚早だ。
インカルダル計画は失敗?
インカルダル計画はたびたび「失敗」がささやかれている。なぜそうした噂が立つのか。その理由の1つがコンドミニアムの過剰供給である。コンドミニアムが次から次に建設されているが、現在居住者および移住者に対して明らかな過剰供給となっている。今後成長が期待される地区であれ、供給と需要はある程度のバランスを保たないといけない。現段階では明らかな過剰供給であるため、予想に反して借り手が付かないといったケースも増えている。
いずれも失敗か否かは現段階ではなんとも言えない。今後この過剰供給状態が需要が大幅アップする可能性もあるので今後も見守る必要がある。
今後の展開
今後の展開として我々日本人は「教育」について注目したい。マレーシアは安価で英語教育を行っており、インターナショナル教育の地として非常に魅力である。留学先としても注目度がアップしている。クアラルンプールではなく今後はジョホールバルを目指す人も多いだろう。親や子供にとって魅力の地となれば、不動産の借りても大幅にアップする。特に学校周辺はねらい目だ。
開発途中の現段階ではそこまで成長を感じないかもしれないが、2025年以降はとても楽しみな地である。
著者:タカピオ

