2017-12-21

マレーシアの不動産価格を徹底調査!価格推移からエリア比較まで

  • 海外不動産コラム


マレーシアの不動産購入の際、まず気になる情報は、

「マレーシアの不動産価格は、いまどんな状況なのか?」

「今後、マレーシアの不動産価格は伸びていくのか?」

「どんなエリアに物件を購入するのが良いのか?」

といったことでしょう。

結論から言うと、マレーシアの不動産購入は、自己資金が1000万円以上ある人や、長期的な投資を考えている人、マレーシアへの移住を考えている人にはおすすめができます。

一方で、マレーシアはカンボジアやフィリピンといった、不動産価格が急上昇している国と比較すると、不動産価格は高く成長もゆるやかなため、短期的なキャピタルゲインを得たいと思っている方に向かないかもしれません。

そこで今回は、マレーシアの不動産価格をクローズアップし、そこから見えるマレーシアの不動産投資の可能性について紹介していきたいと思います。

ライター:玉邑憲一
株式会社BEYOND BORDERSマレーシア支社長
東急リバブル株式会社にて9年の間、幅広い分野の不動産売買仲介業に従事。その後独立し、神戸にて大型収益不動産案件等に携わる。2015年にマレーシアに移住し、現地にて不動産の購入・売却のサポートに従事。大阪府出身。



マレーシアの不動産価格推移

マレーシアの住宅価格は年5%程度の成長

図:住宅価格指数の変動


出典:Global Property Guide

マレーシアの住宅価格は2000年を100とした際に、毎年5%程度の堅実な成長を見せています。不動産バブルのような、価格の急上昇、急降下といった変動はなく、安定して成長の一途を辿っています。

2014年頃から価格が下落傾向に

図:住宅価格指数の変動


出典:Global Property Guide

マレーシアの不動産は2008年のリーマンショック後、各ディベロッパーの購入促進施策によって、多くの不動産投資家が市場に参入しました。ディベロッパーの購入促進施策として、「DIBS」というディベロッパーが建設期間中に金利を負担するものや、手付け金を安くするといったものがありました。その結果、2010年頃にマレーシアの不動産に世界中から投資が集まり、そこから数年間で不動産価格が急上昇しました。

しかし、不動産価格の上昇により現地人が住宅を購入できなくなったため、2014年にマレーシア政府により「外国人が購入できる物件は100万リンギット以上のもののみ」という最低購入価格規制が設けられました。また、DIBS等の住宅購入促進施策も規制されるようになり、マレーシアの不動産投資ブーム抑制されました。

その結果、マレーシアの不動産の価格上昇に歯止めがかかり、そこから不動産価格は下落し始めました。

マレーシアの不動産価格を他国と比較

マレーシア不動産市場の平均価格を、マレーシアという国単体でみると、当面は大きなキャピタルゲインを狙うことは難しいかもしれません。しかし、マレーシアの不動産を他国と比較した際に、また違った魅力を見出すことができます。

住宅価格は日本の6分の1程度

図:アジア各国の㎡あたりのコンドミニアム価格比較


*単価:千円
出典:Global Property Guide

上の図は各国の主要エリアにおけるコンドミニアムの㎡あたりの単価を比較した図です。既に発展を遂げているマレーシアの価格を見て、意外に思われるかもしれませんが、まだマレーシアの不動産価格は日本と比較しても6分の1程度なのです。

カンボジアやインドネシアといった発展途上国と比較をしても、まだ同程度の価格となっています。

特に安価で高級コンドミニアムを購入し、贅沢な暮らしを楽しみたい移住希望者にとっては、非常に魅力的に感じる価格帯でしょう。

マレーシアの不動産価格エリアごとに調査

マレーシアには合計で13の州がありますが、州やエリアによっても不動産の価格は大きく異なります。そこで、この章ではマレーシアのエリアごとに不動産の価格を紹介します。

ジョホールやランカウイの価格は、首都エリアの半分以下

図:主要エリアごとの平均の物件価格(コンドミニアム)


*出典:弊社独自調査

ここでは、マレーシアの中心部であるクアラルンプール、マレーシア最大のリゾート地であるペナン、イスカンダル計画(大規模な都市開発計画)が行われるジョホール、ペナンに次ぐマレーシア第二のリゾート地ランカウイを比較してみました。

ペナンやクアラルンプールのコンドミニアムの平均価格は2000万円を超えているのに対し、ジョホールやランカウイは半分以下の価格となっています。

㎡あたりの平均価格も

図:主要エリアごとの㎡あたりの平均価格(コンドミニアム)


また、先ほどの図でピックアップした4つのエリアを、㎡あたりの平均価格で比較してみました。すると、いずれもペナンのコンドミニアムが最も高く、その次にクアラルンプール、ジョホール、ランカウイが続きました。

詳細エリアごとの㎡あたりの平均価格(コンドミニアム)

それでは、さらに細かいエリアごとに、コンドミニアムの価格を見ていきましょう。ここでは、Psf(平方フィート)で表記しています。(1フィート30.48 センチメートル)


エリア
エリア平均Psf(RM)
エリア平均価格(RM)
KL
Ampang
721
1,991,046
Mid Valley City
1,012
1,769,000
KLCC
738
1,637,255
Bangsar
770
1,487,153
Mont Kiara
628
1,195,646
Damansara Heights
619
1,127,000
Bukit Tunku
665
1,056,625
Desa Parkcity
747
956,400
Taman Tun Dr Ismal
642
945,611
Keramat
595
893,889
Bukit Jalil
553
767,143
BrickFields
548
754,556
Taman Desa
503
707,132
Dutamas
469
677,321
Sri Petaling
438
666,250
Puchong
500
656,500
Segambut
447
629,200
Bandar Menjaraya
468
590,125
Seputeh
406
579,091
Pantai
480
569,810
Old Klang Road
431
540,641
Sungai Besi
475
530,000
Setia Wangsa
453
529,500
Kuchai Lama
410
508,875
Wangsa Maju
420
504,286
Cheras
451
487,054
Setapak
398
477,765
Batu Caves
422
477,500
Sentul
396
472,045
Jalan Ipoh
414
418,125
Desa Petaling
369
413,750
Kepong
385
404,167
Jinjang
280
338,000
ペナン
George Town
642
1,970,000
Tanjung Bungah
628
1,877,500
Gurney
731
1,788,571
Tanjung Tokong
760
1,551,949
Pulau Tikus
706
1,170,417
Batu Maung
536
890,000
Jelutong
627
886,563
Gelugor
611
863,454
Bayan Baru
530
777,833
Ayer Itam
489
764,625
Bayan Lepas
538
719,694
Bukit Jambul
502
680,800
Batu Feringghi
769
669,411
Teluk Kumbar
441
613,750
Sungai Ara
451
490,191
Perai
432
470,000
Butterworth
340
400,818
Bukit Mertajam
308
307,667
ジョホール
Iskandar Puteri
531
656,975
Johor bahru
335
589,000
Permas Jaya
432
484,500
Tebrau
179
336,500
Tampoi
234
309,300
Pasir Gudang
368
306,250
Batu pahat
324
305,000
Muar
146
280,000
Skudai
236
250,000
Masai
133
235,250
ランカウイ
Padang Matsirat
377
473,750
Kuah
199
195,900

このように見ていくと、日本人に人気の「Mont Kiara(モントキアラ)」や、クアラルンプール中心部の「KLCC」のコンドミニアムの平均価格は、日本円で2000万円を超えているのに対し、ランカウイのKuah(ケダ)やジョホールMasai(マサイ)では、コンドミニアムの平均価格帯が500~600万円台となっています。エリアによって、不動産の価格が大きく異なることが分かります。

マレーシア不動産の利回りについては、「マレーシア不動産の利回り比較」に関する記事をお読みください。

最後に

ここまでマレーシアの不動産価格の推移と、国・エリアごとの「マクロ的な」価格比較を行ってきました。しかし、「ベストな物件」を見つけるためには、現地に詳しいエージェント等を通じて情報収集を行い、自分の目で物件を見ながら、購入の判断をすることをおすすめします。